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短編小説

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毎回1話完結の短い物語。
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短編小説『掌』

短編小説『掌』

流れていく景色をぼんやり見ながら、ただ揺られていた。急な雨が降ってきても、倦怠感とも違う単なる無関心に支配された私は、たかだか数センチからの侵入など気にも留めず、時折それが目に落ちて来ようがただ無意識の瞬きが増えただけだった。

それを許すまいと運転手が窓を閉め、こちらに何かぼやいてきたのでイヤホンを耳に押し込み遮断した。

「え~、人にはそれぞれ辞めようと思ってもついついやってしまう所謂癖っての

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短編小説『マスク』

短編小説『マスク』

時刻は12時を過ぎ、

群衆は一斉に同じ方角へと動き出す。

深夜の新宿に僕だけ取り残された気持ちになった。

僕は激しい酔いの中、街の片隅でまだうずくまっている。

「ねえ」

そんな声がした気がする。

顔を上げたら、

まるで捨て猫を哀れむ様に見つめるミズキ先輩の姿があって、

「どうして?」

と僕が言うもんだから、

先輩も

「なんで?」

と返した。

そういう人だ。

大学の同じ学

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