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介護福祉士過去問 第33回 発達と老化の理解

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今回は、「介護福祉士過去問 第33回 発達と老化の理解」について分かりやすく解説します!

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https://youtu.be/ePrnXv4936E

第1問 発達障害

Aさん(小学4年生、男性)は、思いやりがあり友人も多い。図画工作や音楽が得意で落ち着いて熱心に取り組むが、苦手な科目がある。特に国語の授業のノートを見ると、黒板を書き写そうとしているが、文字の大きさもふぞろいで、一部の漢字で左右が入れ替わっているなどの誤りが多く見られ、途中で諦めた様子である。親子関係や家庭生活、身体機能、就学時健康診断などには問題がない。
Aさんに当てはまる状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自閉症スペクトラム障害(autismspectrumdisorder)

  2. 愛着障害

  3. 注意欠陥多動性障害

  4. 学習障害

  5. 知的障害

答え:4 
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などある。
自閉症スペクトラム障害の特徴として、コミュニケーションの場面でが苦手なことが多く、関係を築くことが難しいという特徴がみられる。
愛着障害は、なんらかの理由で幼少児期に保護者と愛着関係を築けず、対人関係や社会性に問題が生じる状態である。
注意欠陥多動性障害では、落ち着きがない、話を最後まで聞けない、物事に集中できない、物をよくなくす、座っていられないなどの様子がみられる。
学習障害は、全般的な知的発達に問題はないが、読む、書く、計算するなど特定の事柄の習得と使用に著しい困難を示し、学業成績や日常生活に困難が生じる障害である。
知的障害では、全般的に知的機能が低下しているほか、自立機能や運動機能どの日常生活力の発達に支障が生じる。
Aさんは、思いやりがあり、友人も多い、親子関係や家庭生活に問題がない、図画工作が得意であり落ち着いて取り組める、身体機能・就学時健康診断などには問題がないことから、自閉症スペクトラム障害・愛着障害、注意欠陥多動性障害・知的障害は当てはまらない。

発達障害に関する詳細解説

第2問 医療や福祉の法律

医療や福祉の法律での年齢に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 35歳の人は、老人福祉施設に入所できる。

  2. 50歳の人は、介護保険の第一号被保険者である。

  3. 60歳の人は、医療保険の前期高齢者である。

  4. 70歳の人は、介護保険の第二号被保険者である。

  5. 75歳の人は、後期高齢者医療の被保険者である。

答え:5 
老人福祉施設に入所できるのは、65歳以上の人である。
40〜64歳の方で特定の疾病に当てはまる方も対象となる。
介護保険の第一号被保険者は、65歳以上の人である。
介護保険の第二号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
医療保険の前期高齢者は、65歳以上74歳以下の人である。
医療保険の後期高齢者は、75歳以上の人である。

第3問 高齢期の喪失体験と悲嘆

高齢期の喪失体験と悲嘆に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 喪失体験とは、加齢に伴う身体機能の低下のことである。

  2. 悲嘆過程とは、病的な心のプロセスのことである。

  3. 死別後の悲嘆からの回復には、喪失に対する心理的対処だけでなく生活の立て直しへの対処も必要である。

  4. ボウルビィ(Bowlby、J.)によれば、悲嘆過程には順序性はない。

  5. 身近な人との死別後に生じる病的悲嘆への支援では、亡くなった人への愛着をほかに向けることを目標にする。

答え:3 
喪失体験とは、身体機能の低下ではなく、心理的な喪失のことをいう。
悲嘆過程とは、病的な心のプロセスではなく、大切な人やペットといった命の喪失、病気やケガ、体の一部の喪失、環境の変化による喪失、役割の喪失、自己肯定感やアイデンティティなど自尊心の喪失などの自分が大切にしているものの喪失後の心理状態から、癒されて平穏な心の状態に戻っていくことをいう。
ボウルビィによれば、悲嘆過程には4段階(無感覚・情緒危機の段階、思慕と探求・怒りと否認の段階、断念・絶望の段階、離脱・再建の段階)あり、順序性がある。
病的悲嘆への支援では、他にむけて気をそらすことではなく、亡くなった人の自分の記億の中で大切に考えられるようにすることを目標とする。

悲嘆プリセスのケアに関する詳細解説

第4問 高齢者の味覚

加齢による味覚の変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 味蕾の数に年齢による違いはない。

  2. 服用する薬剤で味覚が変化することはない。

  3. 唾液が増加して味覚が敏感になる。

  4. 濃い味を好むようになる。

  5. 口腔ケアは関係ない。

答え:4 
味蕾とは、味覚を感じるのは、舌の表面にある文字通り花の蕾(つぼみ)の形をした微小な感覚器官である。加齢によって味蕾の数は減少する。
服用する薬剤や薬剤の副作用で味覚が変化する場合がある。
唾液が増加して味覚が敏感になることはないが、唾液が減少すると、味覚が鈍感になる。
味覚が鈍感になると、濃い味を好むようになる。
口腔ケアは味覚に大きく関係する。

高齢者の味覚に関する詳細解説


第5問 高齢者の動機づけ

意欲が低下した高齢者の動機づけに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 高い目標を他者が掲げると、動機づけが強まる。

  2. 本人が具体的に何をすべきかがわかると、動機づけが強まる。

  3. 本人にとって興味がある目標を掲げると、動機づけが弱まる。

  4. 小さな目標の達成を積み重ねていくと、動機づけが弱まる。

  5. 本人が自分にもできそうだと思う目標を掲げると、動機づけが弱まる。 

答え:2
本人の意欲があり、自ら高い目標を設定することは望ましいが、本人の意欲が低下している状態で、他者が高い目標を掲げても、動機づけにはつながりにくい。
本人にとって興味がある目標やを本人が自分にもできそうだと思う目標を掲げると、動機づけが強まる。
小さな目標の達成により、成功体験を積み重ねることによって、次の目標への動機づけが強まる。

第6問 高齢者の便秘

高齢者の便秘に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 大腸がん(colorectalcancer)は、器質性便秘の原因になる。

  2. 弛緩性便秘はまれである。

  3. けいれん性便秘では、大きく柔らかい便がでる。

  4. 直腸性便秘は、便が直腸に送られてこないために起こる。

  5. 薬剤で、便秘になることはまれである。

答え:1 
便秘は、大腸ポリープや大腸がんが原因で腸が狭くなっておこる器質性便秘と機能性便秘に分類する。機能性便秘には一時的な水分不足や過度のダイエットも原因と言われている一過性便秘と常習性便秘にわけられる。常習性便秘には弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸性便秘がある。
弛緩性便秘は大腸のぜん動運動が低下して起こり、便の通過は遅くなり、水分が吸収されて硬くなる。高齢者によくある便秘である。
けいれん性便秘は、自律神経の過度の緊張により大腸がけいれんを起こして部分的に狭くなり、便の通過が妨げられて起こる。ウサギのフンのようなコロコロと小さく硬い便が出る。
直腸性便秘は、直腸まで便が送られているものの、便意を感じないために起こる。
薬剤の影響で便秘になることがある。

高齢者の便秘に関する詳細解説

第7問 高齢者の転倒

高齢者の転倒に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 介護が必要になる原因は、転倒による骨折(fracture)が最も多い。

  2. 服用する薬剤と転倒は、関連がある。

  3. 転倒による骨折(fracture)の部位は、足首が最も多い。

  4. 転倒の場所は、屋内では浴室が最も多い。

  5. 過去に転倒したことがあると、再度の転倒の危険性は低くなる。

答え:2 
2019年国民生活基礎調査によると、介護が必要となる原因は、認知症がもっとも多い。続いて脳卒中などの脳血管障害である。
転倒による骨折部位で最も多いのは、大腿骨頚部である。その他、脊椎圧迫骨折(背骨)や上腕骨近位部(腕の付け根)骨折橈骨遠位端(手首)骨折も多い。
転倒の場所は、屋内では階段や居室・寝室が多い。
過去に転倒したことがあるということは、身体的原因があることが多いため、再度転倒する危険性が高くなる。

第8問 高齢者の糖尿病

高齢者の糖尿病(diabetesmellitus)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. アミラーゼ(amylase)の作用不足が原因である。

  2. ヘモグロビンA1c(HbA1c)の目標値は、若年者に比べて低めが推奨される。

  3. 若年者に比べて高血糖の持続による口渇感が強い。

  4. 運動療法は避けたほうがよい。

  5. 若年者に比べて低血糖の自覚症状に乏しい。

答え:5 
アミラーゼは、唾液や勝液に含まれる消化酵素である。
高齢者の糖尿病は、インスリンの作用不足が原因である。
高齢者のヘモグロビンA1c(HbA1c)の目標値は若年者に比べて低めが推奨されるわけではなく、成人の目標値と同じか高めである。個別の状態や健康状態、治療内容などによって細かな目標値が設定されている場合もある。
高齢者の場合、自覚症状を感じにくいため、口渇感が弱く、低血糖に気づきにくい。
高齢者であっても、食事療法や運動療法は取り入れることが望ましい。

高齢者の糖尿病に関する詳細解説

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