「うだつの上がる町並み」街歩きで見つける「うだつ」探し|9のスポットを巡る散策ルート・カフェ・食べ歩き・評判・語源|岐阜県美濃市
「うだつが上がらない」とは、「出世ができない。金銭的に裕福になれない」こと。
では「うだつ」とはそもそも何でしょうか?
この「うだつ」の正体を、美濃和紙で有名な「岐阜県・美濃市」にある「うだつの上がる町並み」で見つけることができます。
今回は、
「なぜ "うだつが上がらない" と言われるのか」
「うだつの上がる町並みとは?」をご紹介します。
◆「うだつ」とは?漢字でどう書く?
あまり聞きなじみのない言葉「うだつ」。
「うだつ」を漢字では「梲」「卯建」「宇立」などと書きます。
この「うだつ」とは、家と家の間に建てられた「防火壁」のことを指します。
江戸時代の城下町。商業が盛んに行われていました。
町屋が連なり、家々が密集する町並み。
もし、そんな城下町で火事が起きたら…?
現在のように、ホースによる強力な放水をすることはできません。
そのため、火災が起きた家に隣接する建物を壊し、隣の家々へのさらなる飛び火を防いでいました。
そのためには「時間をかせぐ」ことがとても重要。
それに一役買っていたのが「うだつ」です。
家の両端(=隣家との間)に、屋根より一段高い「防火壁=うだつ」を設置することで、火の広がるスピードを抑えていたのです。
◆「うだつ」はお金持ちの象徴?
防火壁の役割を持つ「うだつ」ですが、もうひとつの役割があります。
それが「お金持ちアピール」です。
うだつを建てるのには費用がかかりました。
そのため、立派なうだつのある家は、商業で成功したことの証明となったのです。
隣の家よりも高いうだつを。
町の中でも立派なうだつを。
これが江戸時代~明治時代の商人の思いのひとつでした。
◆「うだつの上がる町並み」とは?
そんな「成功した商人の象徴=うだつ」。
このうだつが多く残る場所があります。
それが「美濃市・うだつの上がる町並み」です。
岐阜県・美濃市は「美濃和紙」でも有名な場所です。
「美濃手すき和紙」は東京2020オリンピックの表彰状に使われることも決まり、さらに世界に向けた発信に期待がかかります。
また2010年(平成22年)には、当時の天皇・皇后両陛下もご訪問され、この町並みを歩かれました。
小倉山城の城下町であるこの場所は、和紙問屋などにより栄え、多くの「うだつ」のある家々が建てられました。
その町並みが現存するため「うだつの上がる町並み」と呼ばれています。
◆「うだつの上がる町並み」どこで「うだつ」は見られる?
うだつの上がらない町並みで見られる、「うだつスポット」をご紹介します!
◆① 旧今井家住宅・周辺
旧今井家住宅を含めたこの周辺には、うだつの上がる家が多く見られます。
一番町通りを町歩きをしながら、一番見つけやすい場所かと思います。
2階部分に格子がつけられているのもポイント!
当時は参勤交代が行われ、武士が道を通るときに「高い場所から見下ろす」なんてことはご法度!
上から見下ろすことのないよう、格子がつけられています。
◆② 古川家住宅
二番町通りにある「古川家住宅」。
ここは「2つのうだつが並ぶ」珍しいスポットです。
どちらが高いか、どちらが長く伸びているか…
といったところでも名家の思いが見受けられます。
◆③ 田中家住宅・周辺
うだつの上がる町並み~川に向けて歩くこの道沿いにも、うだつのある家が残ります。
川沿いにある「川湊灯台」を見に行く際にぜひ通ってみてください!
◆「うだつの上がる町並み」町歩き&観光スポットは?
駐車場に車を停めたら、早速町歩きを楽しみましょう!
おすすめ散策ルートはこちらです。
▼今回の観光スポットはこちら!
└(Google Mapsにリンクします)
◇A 加治屋町市営駐車場
協力金制で駐車が可能です。
◇B 手造りちょうちん「らんたんや」
タイミングが合えば、美濃和紙で「ちょうちん」を手造りする様子をみせていただけます!
店内でちょうちんの購入も可能です
◇C 上有知湊(川湊灯台)
城下町を支えた、物流の玄関口です。
船着場跡の石畳や灯台が残されています。
◇D 美濃橋
現存する日本最古の近代吊橋です。
真っ赤なこの橋、現在は歩行者専用で通行ができます。
◇E 美濃和紙あかり アート館
毎年開催される「美濃和紙あかりアート展」の受賞作品が多く展示されています。
2階は照明を落として、ちょうちんの美しさが際立って見られます。
◇F 旧今井家住宅・美濃史料館
「うだつ」の残る建物のひとつで、和紙問屋として栄えました。
うだつは外観から見られますが、中には「日本の音 風景百選」に選ばれた「水琴窟」をはじめ、見どころいっぱい!
◇G カフェ・HAPPA STAND(はっぱすたんど)
築150年以上の古民家をリノベーションしたカフェ。
店内でゆっくり過ごすこともできます。
ほうじ茶がおすすめ!
◇H 小坂酒造
数々の賞を受賞している「百春」が有名な酒造です。
うだつも残るこの建物は重要文化財にも指定されています。
◇I 喜楽精肉店
食べ歩きの「うだつコロッケ」が人気!
町を歩きながらご賞味ください!
風情ある町並みを歩いて、言葉の歴史・現代に継がれる伝統を体感してみてください♪
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