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読む、聴く、それ以上に贅沢だった【読書体験】の記録。

「年間300冊くらい、本を読んでます」

と言うと、「えぇ…すごいね。」と驚かれることがよくある。これには自分でも驚く。(数年前までは、年に1〜2冊程度であったよ。)

数字として見た達成感が故に、わざわざカウントしているのは事実。

読書記録はビブリアというアプリを利用。

しかし、

「心を揺さぶられるほど感動した本がいくつあったか」

と自問すると、思わずそっと目をそらしたくなるのも事実である。

おまけに、タイパ重視の若者に多い読書スタイルである

「目次だけざっと読んで、興味のあるところだけ拾い読み」
「つまらないと思ったら途中でやめる」

という読書法を駆使して、この数字を達成してきた。(つまり、全て全文読んでいない。)

さらには「耳読」も駆使しながら、家事や移動中も抜かりなく「ながら読書」を楽しんでいたのである。

こんな読書スタイルだからこその数字ではあるが、どこか浅さが残るのも事実だ。

「もっと本気で本と、本を書いた著者と、向き合う時間を作りたい」

と思うようになったのは、最近のことだ。


 耳読と目読で「読む」を自由に楽しんできた

読書法に正解はないと思っている。
なんなら、読書法についての何かの書籍で

「本は、書いてある内容を覚える必要はない」

と読んだ記憶すらある。

紙の本をめくるのが好きな人もいれば、電子書籍で手軽に読むのが快適な人もいる。そして、最近では耳で聴く「耳読」が新しい読書スタイルとして定着してきた。

私はもっぱらAmazon オーディブルである

  • 聴覚が優位で、耳で聞いた方がいい人

  • 視覚が優位で、目で読んだ方がいい人

人それぞれの優位感覚に応じて選べば良いが、私はどちらでも楽しめる派だ。(細かいことは気にしない、ズボラタイプ)
もはや、その日の気分や集中力に応じて選ぶのが、一番続けやすいのである。

例えば、紙の質感やデザインに惹かれた本は紙で購入する。一方で、分厚くて気が遠くなりそうな本は電子書籍で読む。俳優や声優がナレーションを務める魅力的な作品は耳読を選ぶ。

2024年には青木さやかさんの『母』や上白石萌音さんの『色々』を耳読で楽しんだ。2025年には妻夫木聡さんが朗読する『ノルウェイの森』に癒されている。

こうした「自由な読書スタイル」は、読書を続けるためのハードルを下げてくれる。また、さらに家事の時間や移動時間も贅沢な時間に変えてくれるので、形にこだわらない読書が大好きである。

本の「背景」が見えた、もう一つの読書体験

読書体験を一変させたのには、自分自身が本を書くようになったこともある。

文章を書く大変さや、背景にある思い、読者へのメッセージなどに向き合う中で、他の著者がどれだけの情熱と時間を注いでいるかを考えるようになった。

しかし、それ以上の転機となったのは、元電通のコピーライターである梅田悟司さんとの対面であった。

武器を手に入れた。

梅田悟司さん
「言葉にできる」は武器になる。』『きみの人生に作戦名を。』『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』など累計50万部超の著者。TBS日曜劇場にも関与する多才なコピーライター。

他にもたくさんの功績があるが、書ききれない

数年前、「書く」ことを仕事にしはじめた時、彼の著書である『言葉にできるは武器になる』を読んだことで彼を知ったのであるが、

私の得意な

流し読み

では終われずに、著者への奥深い興味を感じたのがこの本である。

内なる言葉と向き合う。

この本を書く人は、一体どんな人なのだろうか・・・。

実際に話をしてみて、彼の「人間性」や「言葉への向き合い方」に心を奪われた。月並みな表現しか出てこないが

プロとは、本物をつくりだす人とは、こういう人なのだ

まさに月並み。

これまでの私の読書への姿勢を覆す経験となった。

プロの思想を垣間見る

特に感銘を受けたのは、彼がどれほどの試練を経験し、それをどう言葉に変えようとしているかを知った瞬間だった。

その具体的な手法こそ、彼の著書に記されているのであるが

本に書ききれないような地獄の体験や、それを乗り越えた話、乗り越えるのに役立った考え方など

彼から発せられる「言葉」の一つ一つが、ずっしり心の奥底に積み上げられる感覚であった。

暇な人ほど、他人に時間を使わない
できるできないでいったら、大抵のことはできない
人はみんな困っている

梅田さんの会話に出てくる、名言。(勝手に)

さらには、彼の目線は常に「明後日」を向いているという言葉が印象的であった。明日ではなく明後日。みんなが見ていない明後日。

(個人的に・・・)
明日は、期待や不安を内包しながらも「だれもが手が届きそうな未来」。
明後日は、「その先にある可能性」「より遠い未完成の未来」「みんなが到底辿り着けないような未来」がイメージできる。どんどん新しい世界に飛び込む彼のイメージにしっくりきたのである。

こうして著者の背景や人柄を知ると、本がただの「文字の集合」ではなくなる。

目で文字を追うだけでなく、著者の言葉として耳で聴いているかのような感覚さえ生まれるのだ。

読書体験がより深く、豊かなものへと変わっていく。

2025年の読書の楽しみ方

今回の梅田さんとの出会いは特別な機会だったが、近年では著者イベントやトークショー、サイン会など、著者と直接会える場が増えている。

もしチャンスがあれば、こういった機会に足を運んでみたくなる。
著者に会うことで、著者と話した内容がその本の背景となり、その本の未来となり、読書が「自分だけの体験」に変わる。本の楽しみ方が一層広がるはずだ。

耳読、目読、そして著者と出会うという第三の体験。
これらを組み合わせることで、読書はもっと自由に、もっと贅沢に楽しめる。

そんなことを学んだ2025年1月前半なのであった。


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kaho|理学療法士・パラレルワーカー
最後まで読んでくださりありがとうございます^^! こんな感じでダイエット・美容からキャリアの話まで、ちょっとためになるようなお話をお伝えしていますので、また読みに来てくださいね❣️

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