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BOOK REVIEW❸:教育の力

高校教諭として10年がすぎた頃、「何のために教育をしているのか、どのような能力やスキルを私は教師として生徒につけさせようとしているのだろう」ということが全く分からなくなった時期がありました。その時に救ってくれ、答えをくれたのがこの本「教育の力」。

この本から私が学んだ最大のことは、教育の目的は「自由の相互承認」の原理を実質かすることであること。

子ども(も、大人も)は一人ひとりが自由に生きる権利があり、それが保障されるべきである。自由であることは他人の自由を侵害することではない。どこまでが良くて良くないか、またどうすればそれが保障されるかという「感度」を育むことが教育の目的である、と。

作者は熊本大学の苫野一徳教授。最近ではメディアにも取り上げられることが多いので、ご存知の方も多いでしょう。苫野教授は哲学者の視点から教育の本質を捉え学びの転換が必要だとして、これ以外にも多数の著書があります。

教員として迷っていた時に、頭のどこかでこうなったらいいのに、とぼんやり思っていたものを最初に肯定してくれた本、力強さや勇気をもらった一冊です。感謝。


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Kae Takaoka
Teachers of Japanではティーチャーアイデンティティ (教師観)の発見を通じて日本の先生方がもっと自分らしく教育活動に専念し本来は多様である「教師」の姿を日本国内外へ発進しています。日本の先生の声をもっと世界へ!サポートいただけたら嬉しいです。

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