Kae Takaoka

日本の教師と「空気」の関係をアメリカの大学院で研究中🌈2008-2022公立高校教師🇯🇵…

Kae Takaoka

日本の教師と「空気」の関係をアメリカの大学院で研究中🌈2008-2022公立高校教師🇯🇵🇺🇸2020年→米国大学院博士候補生(比較教育学) 🇯🇵 Teachers of Japan🗻 http://www.teachersofjapan.com

マガジン

  • 日本の高校の不思議

    日本の公立高校に13年勤務して感じた不思議あれこれ綴ります。

  • 教師と「空気」

    日本独特の「空気を読む」力と教育の関係性について考えます。

  • 先生の働き方ヒント

    高校教諭として働く中で、私が実践していた働き方や考え方を紹介しています。現場で活躍される教員の方々のお役に立てれば嬉しいです。

  • 使える教材まとめ

    noteに書いた記事で授業で使える教材やアイデアをまとめました。

  • アメリカ大学院博士課程学びの記録2020-

最近の記事

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公立教員年休取得マニュアル:独身だからこそ年休を取ろう

先日、ツイッターで 「家族もいないのに年休をとっていいのか」というつぶやきを目にしました。 それに対して、「もちろんいいですよ!」というコメントも多かったのですが、「独身だと取りにくい」とか「遊びに行くと思われ」るといったようなコメントもあってと同じ公立高校教諭として気持ちが痛いほどわかりました。 そこで、今日は年休についてのわたしの考えを少しご紹介します。 --------------------------- 年休をとるときのルール🌈休む手はずを整える 授業がない

    • 自己犠牲が生徒愛ではない

      私は教師の時に自分の子どもの運動会でお休みを取ろうとしたら、自分のこどもは可愛いのに他人の子どもはどうでもいいんですね、と言われたことがあります。 誰よりも生徒を大事に思っていたので、思い出しても悲しい。 私が日本の教育に変わってほしいのはこんなところ。

      • 空気と思考の罠

        空気というのはつまり暗黙知です。 見えていないけど、言葉では明確に表現できなくても、それは経験を通じて時間をかけて学習された知識です。 それを信じ込み、疑わないことで、その暗黙知が我々の「真実」であるという認識ができてたのが日本の歴史的・伝統的な思考システムでしょう。それを繰り返すことで日本は長い間安定を保てきたでしょうし、学校現場でも同じような思考が再帰的に行われることで教育の質を保ってきました。 「空気」が生まれるのは、その暗黙知を疑い始めたときです。そうしてはじめて

        • 「できたらすごい」 けど のあとの空気

          私は教師時代に色々と提案をして管理職や同僚に「できたらすごいけど、、、」と言われたことが2回あります。 1回目は「それはできたらすごいけど、他の学校でやるもの」といわれました。 2回目は「それはできたらすごいけど、うちでは無理」でした。 学校にお金がないことも、人が足りないことも、生徒に何ができてできないか、など知った上でもっと良い教育を提供するのはと考えて提案するのです。別に行き当たりばったりで伝えているわけではありません。 でも答えは即答でした。 さて、この二つの

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        公立教員年休取得マニュアル:独身だからこそ年休を取ろう

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        記事

          学校での疑問の日々手帳、のすゝめ

          日本の公立高校で勤務した15年間(休職、アメリカ派遣時含む)、私は一度も学校を理解した!と思ったことはありませんでした。むしろその反対で、常に理解できないことが私を悩ませ、それをどうにか理解しようとしたり、自分の価値観との擦り合わせができずに悔しく悲しい思いをしたり、最終的には理解するのを諦めることの連続の日々でした。私は教師としてどんな人間なのか、(Who am I as a teacher)という問いを日々突きつけられ、自分がこうでありたたい教師像と求められてる教師イメー

          学校での疑問の日々手帳、のすゝめ

          「空気」は辻褄が合わないこと

          どこかで書いたかもしれませんが、「空気を読む」とは「自分の意見と異なることを選択すること」です。(Hidaka & Kosugi, 2012) もし「空気」と自分の意見があっていたら空気を読む必要はありませんし、「空気」の存在にすら気がつかないでしょう。 私はアメリカの大学院で日本の教師としての難しさを英語で大学の教授や同僚、クラスメイトに説明するときに学校における「空気」の存在に気がつきました。英語という論理的な言語で話していると自分が理不尽なこと、非論理的なことを言っ

          「空気」は辻褄が合わないこと

          日本の先生の厳しさの本質

          日本の教員はこの春に退職したものの、ありがたいことにアメリカではまだ小学生を教える機会をいただいています。そして、その度にやっぱり教師って最高の仕事だなと教師の楽しさを実感しています。 さて、その中で、「アメリカと日本の教師の違いってなんだろう」という私の大きな問いのひとつの答えを見つけました。 アメリカの先生は生徒を自由にさせる。日本の先生は厳しい。とよく言いますが、別にアメリカの先生は放任で、日本の先生がいつも怒鳴り散らすわけではないのです。(そういう教師もいるが)

          日本の先生の厳しさの本質

          空気とその問題、空気を変えるには:カギは教師の主体性

          教師の働くブラックな環境が注目を浴び出してしばらく経ちます。ニュースでも教師の多忙さに注目したりするものもだいぶ増えました。Twitterを見れば教師の不平、不満、疑問、困惑などは多すぎるほど共有されています。私でない日本のどこかの教師のつぶやきを見て、他人事だと感じる事ができない、日本の教師たち。いやむしろ、悲しいぐらいそのつぶやきや学校の様子が分かってしまうという現実。私もそう感じるひとりです。だからこそTwitterでは拡散され、ツイートが終わることがありません。このよ

          空気とその問題、空気を変えるには:カギは教師の主体性

          学校で教える根性・忍耐・努力・我慢と教師の超過労働の関係〜日米比較:教育の「型」の違いから〜

          上記の記事の続きです。先日、日本教師教育学会のセミナーで日米の公立高校教諭の働き方の違いについて話をした経験から気がついたことについてまとめています。 日本の子どもたちは「固定型」、アメリカの子どもたちは「経験型」で学ぶまたは教えられるということを上の記事で書きました。 そしてそれは教育現場で語られる「根性」「忍耐」「努力」「我慢」という価値観もまた違ったように作用しています。 前述の通り、経験型のアメリカの生徒は「楽しい」・「使える」ものでないと価値を見出しません。し

          学校で教える根性・忍耐・努力・我慢と教師の超過労働の関係〜日米比較:教育の「型」の違いから〜

          日本とアメリカの教育の「型」の違い

          先日、日本教師教育学会のセミナーで日本とアメリカの公立高校の働き方の違いについてお話をしました。改めてまとめてみて新しい気づきがありました。 そのうちのひとつは日本の教育(生徒の学び方、教師の教え方など)には「型」があることです。 実際に、帰国子女と日本で育った日本の学校教育で学んだ生徒には学び方に「経験型」と「固定型」という差があることが議論されています。帰国子女が自分の経験に基づいて学んでいく「経験型」で「努力をすれば成績を上げることができる」と自分を不可変なものとし

          日本とアメリカの教育の「型」の違い

          日本教師教育学会のセミナー:世界の先生の働き方とキャリアを知ろう

          アメリカの公立高校で1年間勤務した経験から以下のセミナーで日本の公立高校との違いをお話ししました。 ご関心のある方のために、発表スライドをこちらからご覧いただけます。ご覧いただいた方は、コメントをお寄せいただけたら嬉しいです。

          日本教師教育学会のセミナー:世界の先生の働き方とキャリアを知ろう

          お仕事依頼

          教師と「空気」に関するお仕事依頼はこちらまでお願いします。 take0036@umn.edu 「日本とアメリカの教師の働き方の違い」「教師の海外進学・留学」「教員海外交換プログラム」「公立校での国際交流」などに関するする講演・執筆等も受け付けています。 日本の先生の働き方を見直すきっかけづくりのお力になれれば幸いです。 お気軽にご相談・ご連絡ください。 🍎 Teachers of Japan 🍏海外で教えたことのある日本の先生のコミュニティ 🐰プロフィールはこちら 🎓

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          教師と「空気」とは その4

          教師と「空気」とは その1 その2 その3 の続きです。ちなみにこれは先日、世間学会で発表したものの抜粋です。 さて、教師の間にも「世間」が存在し、そのために何らかの(そしてさまざまな)「空気」が存在することが随分と明らかになってきました。 この記事では、教師の間に存在する「世間」「空気」の3大問題を紹介します。 問題点の根幹をなすのは「世間」の特徴で最も興味深い「所与性」の概念です。「所与性」とは英語でgivenと言いますが、得なくても与えられているデフォルト設定のよ

          教師と「空気」とは その4

          教師と「空気」とは その3

          教師と「空気」とは その1 その2 の続きです。ちなみにこれは先日、世間学会で発表したものの抜粋です。 空気と世間に関心のある人は皆さんご存知、鴻上尚史さんの「空気」と「世間」。この本の画期的なところは、世間を空気が生まれる場所として指摘した点にあります。 教師も「雰囲気に左右されやす」く、「再起的な暗黙知」が支配する中で、教師のコミュニティ中に世間が存在しないとする方が難しいでしょう。ちなみに「学級」単位では世間の存在がほぼ確認できていると言えます。(これは後日に別の記

          教師と「空気」とは その3

          教師と「空気」とは その2

          教師と「空気」とは その1 の続きです。ちなみにこれはは先日、世間学会で発表したものの抜粋です。 空気の特徴は単に自分が思っているだけでなく、他の人も同じことを思っている点にあります。つまり複数の関係者で重複する知識としての知る方法。これが日本独特のナレッジシステムです。 では、学校現場における重複する知とは何か。しかも、教師の間で暗黙のうちに重複している知とは何か。 オハイオ大学の日米の比較哲学を研究されているトーマス・カスーリス教授は日本とアメリカ(にだけ限定されな

          教師と「空気」とは その2

          教師と「空気」とは その1

          アメリカの大学院で教師と「空気」を研究しています。その過程で見えてきた空気の姿の一部をシェアします。ちなみにこれはは先日、世間学会で発表したものの抜粋です。 日本の空気を読むという習慣はかなり一般的に使用されてますが、アカデミアでは息を潜めています(それこそ空気を読んでいる 笑) つまり、「教師」と「空気」に関する文献はほとんどありません。 しかし、「教師」が「学校の雰囲気」に「左右されやすい」という記述は山ほどあります。教師イメージが強ければ強いほど、バーンアウトの確

          教師と「空気」とは その1