【詩】りぷ
とうめいであかとあおのキラキラが入ったス
ーパーボールがすきだった。ろうかのほんだ
なのびんの中にあった。たぶんおねえちゃん
の。かしても言わないであそんでた。子バッ
タみたいなのを、なんどもうけとめてあげて
たら、ともだちになってた。
文字がはねまわらなくなった。弾むことをや
めたスーパーボールが文字になった。あのあ
きちには家が建った。
わたしの頭の中が、バンドドボゴッボとうる
さいのはどうしてだろう。スーパーボールが
はねまわるから、脳みそはべコベコな形なん
だとおもってた。
SNSはバイオテクノロジー。会話の予測変換か
らうまれた新次元は正二十面体をしている。
文字を放つと、ボンボンボンとはねかえって
くる。理想通りな想定外がたのしいらしい。
そうか。わたしの脳は、しろくてむきんな実
験室なんだ。驟雨みたいに落ちてきたスーパ
ーボールが、イナゴみたいにとび上がる。は
ねかえりはそれでじゅうぶん。