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詩集『閑文字』

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伽戸ミナがつくった詩を載せています。読んで頂けたらうれしいです。
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2024年7月の記事一覧

望郷

望郷

オオワシの翼を広げ毛先の先まで力を込める
ひとはばたきで大地と別れ足元に社が見える
はばたくたびに空気がはじけ山をちらと見て風を置き去る
達人の矢のように雲を突き抜けると
悠然と白く輝き泰然と夜空を照らす月のなかの月
言葉ならあそこまで飛び上がることできるのに
故郷の三笠の山には飛んで行くことができない

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詩です。百人一首を題材につくりました。
読んでいただ

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幻想

幻想

夜空の白い星々を見上げながら
カササギの橋に降りる霜って
凍った水のあつまりなんだと思った
田んぼの一枚一枚に月はしっかり映るように
しずくの一粒一粒にわたしが映る
水からしずくが生まれるたびに
わたしが孤独でいる世界も増える

こんなことを考えてみたところで、夜は更けていくだけで
誰かがわたしのもとに来てくれるというわけではない
それでも考えてしまうわたしはきっと損な性格なんだろう

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