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望郷

オオワシの翼を広げ毛先の先まで力を込める
ひとはばたきで大地と別れ足元に社が見える
はばたくたびに空気がはじけ山をちらと見て風を置き去る
達人の矢のように雲を突き抜けると
悠然と白く輝き泰然と夜空を照らす月のなかの月
言葉ならあそこまで飛び上がることできるのに
故郷の三笠の山には飛んで行くことができない

天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも/阿倍仲麻呂



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詩です。百人一首を題材につくりました。
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