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【ブックガイド】変わり続ける国と文化を読む8冊 ダイナミック・コリアの熱風

過日、金城一紀さんのゾンビーズ新刊『友が、消えた』が出ると聞いてブチ上がり、待機セレモニーとして『GO』を読み返していたまさにその深夜、韓国を揺るがす大きなニュースが入ってきました。
――思えば、常にダイナミックな揺れと変化を繰り返しながら進んできたのが彼の国と文化、韓国映画の強烈なエンタメ性も、韓流アイドルたちの輝きも、その土壌で育まれてきた果実ですね。そして、とびきり面白い小説も!
日本の、韓国の、世界の、宇宙の、これまでと今とこれからを描いた8冊をご紹介します。



金城一紀『GO』(角川文庫)

僕は恋に落ちた、彼女はすごく可愛い日本人だった――新時代の扉をケリとばす革命的《在日》ポップノベルの大傑作!

広い世界を見るんだ――。僕は《在日朝鮮人》から《在日韓国人》に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子校に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった――。著者デビュー作にして、第123回直木賞受賞作。感動の青春恋愛小説!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

鄭義信『焼肉ドラゴン』(角川文庫)

たとえ、昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる……

万国博覧会が催された1970(昭和45)年。高度経済成長に浮かれる時代の片隅。
関西の地方都市の一角で、ちいさな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む亭主・龍吉と妻・英順は、静花、梨花、美花の三姉妹と一人息子・時生の6人暮らし。
失くした故郷、戦争で奪われた左腕。つらい過去は決して消えないけれど、“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”それが龍吉のいつもの口癖だった。
そして店の中は、静花の幼馴染・哲男など騒がしい常連客たちでいつも賑わい、ささいなことで、泣いたり笑ったり--。
そんな何が起きても強い絆で結ばれた「焼肉ドラゴン」にも、次第に時代の波が押し寄せてくるのだった--。伝説の舞台を演出家自ら映画化&小説化!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

ミン・ジン・リー『パチンコ』(文春文庫)

全米図書賞最終候補作!オバマ元大統領も絶賛

日韓併合下の釜山沖の小さな島、影島。下宿屋の娘、キム・ソンジャは、粋な仲買人のハンスと出会い、恋に落ちて身籠るが、実はハンスには妻子がいた。妊娠を恥じる彼女に牧師のイサクが手を差し伸べる。二人はイサクの兄が住む大阪の鶴橋へ。しかし過酷な日々が待ち受けていた――。

文藝春秋オフィシャルサイトより引用

チョン・セラン『となりの国のものがたり14 フィフティ・ピープル〔新版〕』(亜紀書房)

〈この50人の中に、きっとあなたの味方がいる〉

50人の登場人物が、あやとりのようにすれ違い、重なりあい、結び合う。
一度読んだ人も、初めましての人も。読めばだれかと話したくなる、悲しくて、おかしくて、痛くて、愛おしい物語。

亜紀書房オフィシャルサイトより引用

キム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』(ハヤカワ文庫NV)

第2回韓国科学文学賞中短編大賞&佳作賞受賞作!

廃止予定の宇宙停留所には家族の住む星へ帰るため長年出航を待ち続ける老婆がいた……冷凍睡眠による別れを描き韓国科学文学賞佳作を受賞した表題作、同賞中短編大賞受賞の「館内紛失」など、疎外されるマイノリティに寄り添った女性視点の心温まるSF7篇!

早川書房オフィシャルサイトより引用

チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(ちくま文庫)

女性が人生で出会う困難を描き、社会現象を巻き起こした話題作。

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!

筑摩書房オフィシャルサイトより引用

ハン・ガン『少年が来る』(クオン)

本年度ノーベル文学賞に輝いた、ハン・ガン渾身の物語

光州民主化抗争から約三十五年。あのとき、生を閉じた者の身に何が起きたのか。
生き残った者は、あれからどうやって生きてきたのか。
未来を奪われた者は何を思い、子どもを失った母親はどんな生を余儀なくされたのか。
三十年以上の月日を経て、初めて見えてくるものがあるーー。
丹念な取材のもと、死者と生き残った者の声にならない声を丁寧に掬いとった衝撃作。

CHEKCCORI BOOK HOUSEより引用

ソン・ウォンピョン『アーモンド』(祥伝社文庫)

怪物と呼ばれた少年が愛によって変わるまで。
2020年本屋大賞、翻訳小説部門第1位。

扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記させることで、なんとか"普通の子"に見えるようにと訓練してきた。
だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。
そんなとき現れたのが、もう一人の"怪物"、ゴニだった。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく──。

祥伝社オフィシャルサイトより引用


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