寄り添えない。
って思ってしまう自分は、ひとのこころがないのかもしれない。
友人の、家族の、遠く離れた大事な(はずの)相手の、しんどさや苦難に、胸の奥がキューっとなるけれど。で、どうしたらいいのか、どうしてあげられるのか、彼らのために、どこまで自分を投げうてるのか。
寄り添うって気軽にいうけれど、そんな大変なこと、できる気がしないんだ。
――日頃からそんなふうに思っている、わたしのようなあなたへ、
他人だけでなく、自分のことすらどうケアしていいかわからないあなたへ、
不安な薄暗い道を、少しだけ照らしてくれるような5冊の本を、そっと置きます。
東畑開人『雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら』(KADOKAWA)
子育てや介護、ふだん当たり前にしているケアが難しくなったときの道しるべ
田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(KADOKAWA)
パロディマンガの巨星がマジに描いた、明日は我が身のうつ病脱出コミック!
前川ほまれ『セゾン・サンカンシオン』(ポプラ文庫)
ここは、すべてを失った女性たちが、再出発できる場所――。人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作!
岸田奈美『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし』(小学館文庫)
笑えて泣ける岸田家の日々のこと
古内一絵『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』(中央公論新社)
疲れた心を、そっと置く場所があったら。