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読み終えたあなたは何問解ける? 『家族解散まで千キロメートル』検定試験【問題編】

『六人の噓つきな大学生』が大ヒット中の浅倉秋成さんによる、新たな「噓」ミステリ『家族解散まで千キロメートル』。

読み終えた方から続々と「ここも伏線だったのか!」「なんか違和感あったんだよな~」と〈騙された報告〉が届いています。

この記事では「いえ」の謎を徹底解剖!
解ければあなたは「家族千キロ」マスターです!


■ 問題編

第1問

主人公であるめぐると以下の人物の続柄をそれぞれ答えなさい。

喜佐義紀(  )
喜佐薫(  )
喜佐惣太郎(  )
喜佐珠利(  )
喜佐あすな(  )


第2問

本文33頁より

じょーないじょーない」と母は気まずさを払拭するように、痛々しい空元気で場を取り繕った。「お父さんが帰ってきたら、どうしたいのか訊きましょう、ね」

太字部分の意味を答えなさい。


第3問

本文88~89頁より
(以下は父の居所を探すために家を捜索するあすなたちのやりとりです)

 あすなが力をいれると、引き戸は音もなく開く。
 全開になると、滞留していた空気が埃とともに動き出し、目の前を新鮮な空気がとおり抜ける。同時に珠利が悲鳴をあげた
 大声で叫んで物置側へと戻り、あすなの後ろに隠れると咄嗟に謝罪の言葉を述べた。あすなは驚かせてすまないと詫びてから、しかし何もそこまで驚く必要はないだろうとすぐに苦言を呈する。

珠利はどうして悲鳴をあげたのか答えなさい。


第4問

本文121頁より

 父さんを他の家族たちと合流させ、一緒に十和田白山神社へと向かわせる。
 現在、喜佐家の諸問題の鍵を握っているのは父さんということになっている。現地に行って何ができるかは明確でないが、座して吉報を祈るよりは積極的に動いてみるほうが生産的であると判断した。せっかくこれまで居所を摑めなかった父さんの現在地がわかったのだから、動かない手はない。

太字部分がどこか、以下の空欄を埋める形で答えなさい。
※ヒント:答えの中には鳥に関連するワードが含まれています。

 父は現在(   )の中にいる。


第5問

以下の文章は、本文中に登場する人物を説明する描写です。
該当箇所が以下のどれに当てはまるか、選択肢から選んで答えなさい。

ア:厳然たる事実
イ:作者による人物評
ウ:特定の登場人物による個人的な評価
エ:特定の人物による明確な誤認識

1:本文126頁より

仕送りは最低限でいい。必要な金は自分で稼ぐ。
口は悪かったが、惣太郎は自身の見定めた目標のためなら努力を惜しまない人間であった。吐いた唾は飲まない。高すぎるプライドは時に周囲の人間を疲れさせたが、矜持のある人間の推進力は眼をみはるものがあった。

(     )

2:本文59頁より

元来根は優しいはずなのだが、あすなは人を慰めることを極端に苦手としていた。当人は親切にしているつもりなのだが、声が少しばかり低いのと、眼力がいささか強いせいで意味もなく相手を畏縮させてしまう。

(     )

3:本文39頁より

「二回目なんだぞ! 二回目!」惣太郎は指を二本立てて凄んだ。「親父が意味のわかんないもん盗んできて、この倉庫の中に押し込むの、二回目だよ!」

(     )

4:本文110頁より

父は浮気相手を帰らせると、寝室の扉に向かってひたすら謝罪を続けた。すまん、すまん、すまん。たまに疲れたように間を空けてからまた、すまん、すまん、すまん。

(     )


第6問

本文159頁より(以下は、小学生時代の薫が誕生日会から帰るシーンです)

 集まったのは最も敷地が広かった女子児童の家であった。七人の級友が薫を囲み、子供が用意できる範囲のプレゼントを持ち寄る。いくつかの遊びをし、菓子を食べ、歓談し、全員が笑顔で薫を見送った。
 一時的に薫は満たされたが、しかしやはり家族の傷は家族でしか癒やせないようであった。
 帰り道、唯一参加していた男子児童と並んで歩いた薫は、ふと堪えきれなくなって自身の宿命を説いた。私は将来的にいいお嫁さんにはなれない、誰も嫁にはもらってくれないらしい。聞き届けた男児は、そんなわけはないだろうと、本心から反論した。
 むしろ君のような人間こそが、いいお嫁さんたり得る。
 少し興が乗り、先ほどまで参加していた他の女子児童の名前を数人挙げ、彼女らに比べても明らかに君が一番いいお嫁さんになるとさえ口を滑らせた。男児が照れくさくなって夜空を見上げると、薫はふっと笑みを零した。そしてそれからたっぷりと、堰を切ったように涙を流した。

太字部分の人物が作中でついた最も大きな噓を答えなさい。


第7問

「くるま」と「いえ」、それぞれの絵を描いた人物の名前を答えなさい。

くるま(  )
いえ(  )


第8問

本文305頁より

 否。
 私は、口を開いた。
改築はやめよう。この家を解体して、家族は解散しよう

太字部分は誰の発言か、該当する人物の名前を答えなさい。


第9問

あなたの家族は何人ですか? ※(採点対象とはなりません)

■ 解答編

あなたは何問解けましたか?
解答編は下記ページ(Googleサイト)で公開中!
ぜひ答えあわせしてみてくださいね。

※作品の重大なネタバレを含むため本編読了後にお読みください。

https://kdq.jp/kazoku1000km_kentei-answer

■ 作品紹介

あらすじ

実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――?

書誌情報

書名:家族解散まで千キロメートル
著者:浅倉 秋成
発売日:2024年03月26日
ISBNコード:9784041145647
定価:1,870円(本体1,700円+税)
総ページ数:320ページ
体裁:四六判
発行:KADOKAWA
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322309001298/

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■ 著者プロフィール

浅倉 秋成(あさくら・あきなり)
1989年生まれ。2012年に『ノワール・レヴナント』で第十三回講談社BOX新人賞Powersを受賞しデビュー。19年に刊行した『教室が、ひとりになるまで』が第20回本格ミステリ大賞〈小説部門〉候補、第73回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編部門〉候補となる。21年に刊行した『六人の嘘つきな大学生』は第12回山田風太郎賞候補、2022年本屋大賞ノミネート、第43回吉川英治文学新人賞候補となる。22年に刊行した『俺ではない炎上』は第13回山田風太郎賞候補、第36回山本周五郎賞候補となる。


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