衣替えをしていたら、衣装ケースの奥深くからこいつが出て来た。
“なぜに衣装ケースに文庫が?新しそうな雑誌まで!”、と家人。
うーん、ぼくにもよく解らない。
出て来たのは季刊文芸誌『MONKEY』の新創刊号。
あとはジャンルばらばらの文庫本数冊と、淡路島の山肌に埋まる美術館建設の企画書の入ったファイル一冊。遠い昔の夢といっしょに。
新創刊(『モンキー・ビジネス』の進化系、あるいは新装開店)されたのは、2013年10月7日(表四にそう明記)すぐに購入。
ページを開いた記憶無し。七年間、眠りに眠っていたことになる。
たぶん、引っ越しのタイミングで、“あとでじっくり読もう。それまで失くすと大変だからこのケースに仕舞っておこう”的なあれではないかと。
なんで読まなかったのかなぁ。
本を買った後は、カフェか酒場に直行して目を通すのに。
しかも、新創刊号で、特集がポール・オースターで、柴田元幸さんが責任編集という超豪華大盛これでもか!だったのに。
人格の欠落、本に対する誠意というものをお持ちか!と言われても返す言葉がない。
表紙のにんまりモンキー。次ページの指差しモンキー。
その他同じタッチのイラストがとても良い。
作者は谷口智則さん。
手元にフランスで出版された絵本二冊がある。
しかも、彼がサインしてくれている。
2015.1.9と。
それなのにである。
ぼくがお世話になっていた本屋チェーンの「なんばパークス」店には、書籍・雑誌、雑貨、通路を隔てて和雑貨と澤野工房のヨーロピアンジャズCD専門の売り場があった。
イベントも企画した。ぼくではなく、腕っこきのスタッフたち。
谷口さんには、子供たちのためにライブ・ペインティングをお願いした。
それなのに。
猿からの手書きのメッセージがある。
とても好きな筆跡。何が好きで、何を許せないかが見えるようなペン先。
P6 ポール・オースター 草稿と断片 一九六七―一九七〇
四百字詰め原稿用紙換算で二四〇枚。九本の未完小説の草稿と断片が掲載されている。
P82 ポール・オースター 若き日々を語る。
P88 ポール・オースター×高橋源一郎
...
P154 村上春樹 小説家は寛容な人種なのか
いろいろ いろいろ 七年前に読むはずだったいろいろが詰まっている。
ぼくを待っていてくれた、いろいろ いろいろが、もうそろそろだぜって。
そうだね。そろそろ読まなきゃ。そろそろ自分を書かなきゃ。
お待たせしました。