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豊かに生きるために絶対に知っておきたい “4つの脳内物質”

壁家屋(かべうちや)の勇心です。

突然ですが、皆さんは日常の中でふと感じる「幸せ」や「充実感」がどこから来ているのか、考えたことはありますか?

私たちは日々のさまざまな体験を通じて、ポジティブな感情やネガティブな感覚を味わいながら生きています。しかし、時には幸福感や豊かさを感じられない瞬間もあるかもしれません。

私たちがこれらの感情を体験している時、その背景には脳内で働く特定の化学物質が深く関わっています。これらの物質が、私たちの心と体にどのような影響を与え、日常の豊かさを作り出しているのかを知ることは、自覚的に豊かな生き方をクリエイトするための一歩となります。

今回は、そんな豊かさを与えてくれる4つの脳内物質について「概要や事前知識」「具体的な実践方法」二つの記事に分けてお送りしたいと思います。

この記事は、以下のような方におすすめです
⚫︎ 日常生活で幸福感を感じづらいと感じている方
⚫︎ ストレスやプレッシャーを軽減したいと思っている方
⚫︎ 暴飲暴食、散財など、つい衝動的になりやすい方
⚫︎ 健康的でバランスの取れた生活様式を身につけたい方
⚫︎ 自分の心と体の健康をもっと意識したい方


豊かさと脳内物質の関係


私たちが豊かさや幸福感を感じるためには、脳内で特定の化学物質が重要な役割を果たしています。これらの脳内物質は、日々の行動や習慣、そして人間関係におけるつながりの中で分泌され、心と体に深い影響を与えています。その中でも特に、「オキシトシン」「セロトニン」「エンドルフィン」「ドーパミン」は、私たちが豊かで満たされた生活を送る上で欠かせない存在です。

それぞれの脳内物質には異なる役割があり、どれか一つが突出して多く分泌されても、豊かさを持続させることは難しいとされています。

豊かな生活を築くためには、これら4つの脳内物質をバランスよく満たし、心と体の安定を保つことが重要です。どれか一つに偏ることなく、それぞれがもたらす効果を理解し、生活様式に自覚的に取り入れることで、充実感や幸福感をより強く感じることができるはずです。

4つの脳内物質とは?


それぞれの脳内物質について、「役割と特徴」「心理的効果」「注意」の3点に触れて説明していきます。

1. ドーパミン:やる気と達成感を与えるホルモン

• 役割と特徴:ドーパミンは「モチベーションのホルモン」や「快感・報酬ホルモン」として知られ、目標達成や報酬の予測によって強く分泌されます。新しい挑戦や達成感を感じる場面で特に強く作用し、やる気や集中力を高める重要な役割を果たしています。また、ドーパミンは報酬系の刺激を通じて快感を与え、ポジティブな行動や努力を促進します。具体的には、新しいスキルの習得や仕事での成功体験、スポーツでの勝利といった状況で分泌されることが多く、挑戦に対するモチベーションの原動力となります。

• 心理的効果:ドーパミンが分泌されることで、達成感や喜びを感じ、意欲や集中力が向上します。小さな成功や新しい挑戦に対するモチベーションを生み出し、自己成長の原動力として働きます。達成したい目標があるときや、新たな挑戦をしたいときに欠かせないホルモンです。

•注意:ドーパミンは報酬に対して条件付きで分泌されるため、「頑張り続けなければならない」というプレッシャーを伴うことがあります。さらに、ギャンブルや麻薬、アルコールなど、努力を伴わずに得られる高揚感によって依存症になるリスクもあります。これらの行動は脳内の報酬系を過度に刺激し、ドーパミンの過剰な分泌を引き起こすことがあり、次第に強い刺激を求める悪循環に陥りやすくなります。持続的な充実感を得るためには、適切な目標設定と、健全な行動の選択が不可欠です。

2. エンドルフィン:幸福感を生むホルモン

• 役割と特徴:エンドルフィンは「自然の鎮痛剤」や「幸福ホルモン」として知られており、痛みを軽減し、幸福感をもたらします。運動や笑い、楽しさを感じる体験を通じて分泌が促進されるだけでなく、食事や睡眠、性的な行為などによっても分泌されます。例えば、運動後に感じる「ランナーズハイ」や、満腹感や性的な興奮による快楽はエンドルフィンの影響です。

• 心理的効果:エンドルフィンが豊富に分泌されると、痛みやストレスの影響を軽減する作用があり、心のリフレッシュ感や幸福感を高めます。つまり、ストレスから心と体を守ってくれます。また、運動を楽しんだり、仲間と笑い合ったり、性的な行為など通して快感を与えてくれます。さらに、物事に没頭しているときの「フロー状態」にも影響していると言われています。

• 注意:エンドルフィンの分泌を求めて、過度な食事や性的な行為に依存することは、肥満や生活習慣病、性依存のリスクを伴います。特に食事による満腹感や性的な快楽に頼りすぎると、体への負担が大きくなり、自己制御が難しくなる可能性があります。健康的な範囲での運動やリラックス方法を見つけ、バランスを保つことが大切です。

3. セロトニン:心の安定をもたらすホルモン

• 役割と特徴:セロトニンはエンドルフィン同様「幸福ホルモン」と呼ばれ、精神状態のバランスや感情の安定に寄与しています。特に日光を浴びたりリズムのある動きや規則正しい生活習慣を送ることで分泌が促進されます。セロトニンは、ストレスの軽減や快眠をもたらすメラトニンの生成にも関係しています。

• 心理的効果:セロトニンが豊富に分泌されていると、心の安定や安心感が増し、ストレスや不安が軽減されます。感情の調整機能として働き、リラックスしたり、前向きな気持ちを保つことができます。また、良質な睡眠や心のリフレッシュにも繋がります。

• 注意:セロトニンが不足すると、感情の不安定や不眠症、さらにはうつ症状を引き起こすリスクが高まります。一方、セロトニンを過剰に求めすぎると、自己制御が過度に厳しくなり、柔軟さを欠いた考え方や行動に陥る可能性があります。適度な日光浴や規則正しい生活習慣をおすすめします。

4. オキシトシン:つながりと愛情のホルモン

• 役割と特徴:オキシトシンは「愛情ホルモン」や「つながりのホルモン」として知られています。母と子の愛着形成、夫婦間の絆、友情の深まりなど、人間関係の要となる役割を果たしています。オキシトシンは、抱擁や手をつなぐ、動物とのふれあいといった身体的接触を通じて分泌されます。また、感謝を表現したり、チーム活動などを通じて促進され、内省による自己理解や自分自身とつながるといった自己受容にも深く関係しています。

• 心理的効果:オキシトシンが豊富に分泌されると、愛情やつながりといった心の安心感や安全感が増し、孤独感や不安感を軽減します。また、自己肯定感を高め、ストレスを和らげる効果もあります。人が安心した状態で、かつ主体的に活動する際の土台となります。

• 注意:オキシトシン系が不足すると、孤立感や不安感、社会的な孤立の原因となります。一方、過度にオキシトシンを求めすぎると、人に依存しすぎたり、独立した自己の確立が困難になる場合もあるため、適度なコミュニケーションと自立性のバランスを保つことが重要です。

脳内物質は満たし方が大事


従来の傾向:ドーパミン、エンドルフィン優位な現代

現代社会では、多くの人がドーパミンやエンドルフィンによって得られる一時的な達成感や快楽に頼る傾向にあると思います。私もその傾向の内の一人です。これらの脳内物質は、私たちに一時的な満足感を与えますが、その多くは「条件付きの幸福感」とも言えます。達成や報酬、消費など、何かを成し遂げた結果として得られるため、継続的に感じるためには努力や成果、お金が必要になります。

たとえば、仕事や自己実現を中心にしていると、達成した瞬間の喜びは確かに大きいものの、それが過ぎるとまた次の目標に向かって走り続けることになります。やがて、立ち止まって達成を味わうことなく、次の挑戦に進んでで、まるで「休むことを知らない飛び続ける鳥」のように感じてしまうことがあるかもしれません。そして、もし何らかの理由で目標が達成できなかったり、努力が報われなかった時、ふと立ち止まった瞬間に、大きな空虚感に襲われることがあります。

また、ドーパミンやエンドルフィンを容易に手に入れられる手段として、お酒やギャンブル、ショッピング、性的な快楽などが手軽に選ばれる傾向にあります。これらは一時的な満足感を提供しますが、長続きさせるためには、さらに強い刺激を必要とします。その結果、次第に時間やお金を費やし過ぎてしまい、心身のバランスを崩す可能性を大いに秘めています。

その一方で、心当たりがあったとしても決して自分を責める必要はありません。誰しもが忙しい現代において、時折手軽な快楽に頼ることは自然なことです。しかし、そのようなライフスタイルが続くと、気づかぬうちに大切なこと―心の安定や他者との深いつながり、自然との調和―などを後回しにしてしまうことがあります。

こうした現代の傾向に一度目を向けてみると、私たちが求める「豊かさ」は、ほんの少し異なるアプローチで手に入れられるかもしれない、そんな気づきを得られるかもしれません。

望まれる満たし方:オキシトシンから始めるアプローチ

これまでの話で触れたように、ドーパミンやエンドルフィンが一時的な達成感や快感をもたらす一方で、オキシトシンやセロトニンは持続的な安定を与えることができます。その理由のひとつは、オキシトシンやセロトニンは、特別な成果や物質的な報酬を必要とせず、日頃の心がけや生活様式を整えることで持続的に分泌されます。このような仕組みにより、無理なく豊かな感覚を得ることができます。

ドーパミンが達成感や一時的な快感を与える一方で、オキシトシンは深い安心感や自信をもたらし、結果としてストレスへの耐性を高め、感情のコントロールをしやすくします。これにより、自分本位な行動ではなく、他者と共感し合いながら豊かに生きることの意識が育まれやすくなります。

また、オキシトシンの効果は、自分に対する肯定感を高めることにもつながります。自分が周囲とつながり、認められていると感じると、自然と安心感が生まれ、自分の持つ能力をより発揮しやすくなります。ドーパミンの報酬を求めるアプローチに依存するのではなく、安定した土台があることで、本来の自分の力を最大限に引き出すことも可能になります。その結果、心の安定を保ちながら生活することができ、短期的な快楽に依存する必要がなくなり、持続的に豊かさを感じることができるようになります。

しかしながら、このような話をすると、オキシトシン系が絶対的に良いと思われがちですが、実はそうではありません。現代社会ではオキシトシンの享受が弱まりがちですが、その効果が強すぎると、過度な愛情や他者とのつながりが強固になることがあります。内輪での絆が強くなるほど、そのコミュニティやつながりの外にいる他者を排除しようとする力学も生まれ、その結果、衝突を引き起こす可能性もあります。

したがって、オキシトシン系だけが一方的に良いと考えるのではなく、バランスを取ることが大切です。自らの生活で不足しているものを意識的に満たしながら、他の脳内物質とのバランスを意識することで、持続的な豊かさを自らデザインすることができるはずです。

おわりに


最後まで読んでくださってありがとうございます。ここまで豊かな生活を支える4つの脳内物質についてお話ししました。オキシトシンやセロトニンは、私たちの心の安定と持続的な幸福感に欠かせない要素です。ドーパミンやエンドルフィンとのバランスを意識しながら、日々の生活を見直すきっかけにしていただけたら幸いです。

次回の記事では、これらの脳内物質をバランスよく満たすための具体的な実践方法について詳しく解説します。ぜひ皆さんの生活様式をアップデートするための参考にしてください!

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<参考書籍>

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加々見 勇心(Yushin Kagami) プロフィール
(私についてはこちら
1994年静岡県浜松市生まれ。純ジャパ浪人偏差値28からイギリス大学院心理言語学修士をDistinction(優秀成績)で卒業。5カ国7拠点を渡り、語学留学、大学院留学、就業経験。1on1 対話サービス壁家屋(かべうちや)を運営。コーチ、カウンセラーとして200名以上のクライアントを支援。累計セッション時間2,200時間以上。趣味は料理と自然散策。

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