本は「コンテンツを運ぶ」だけなのか
先日、「無印良品 銀座」に行ってきました。
いや、すごいなあと。
店舗全体から、無印良品らしさを感じます。まさに店舗を通じてブランドを売っている。
得に驚きだったのは「MUJI BOOKS」です。
無印良品はMUJI BOOKSを通じて、「ずっといい言葉」とともに本のあるくらしを提案しているとのこと。
無印良品のコンセプトが、MUJI BOOKSの意味づけをする。MUJI BOOKSはメディア(媒体)として無印良品のコンセプトを強化していく。
これからの本屋の、一つの「答え」を見た気がしました。
本屋の在り方の変化について
とはいえ、MUJI BOOKSに限らず、本屋の在り方は徐々に変わってきています。
例えば、書店員が本を選ぶ選書サービス。
読者が「自分をさらけ出すカルテ」を書き、書店に送ると、自分にあった本を一万円分セレクトしてもらえるといったものです。
他にも、内沼晋太郎さんが経営する本屋B&B。コロナ禍において、様々な取り組みを始められています。
リトルプレスのデータ販売や、メンバー間で本棚を共有するコミュニティなど、今までにない価値提供を行っていて勉強になります。
本屋さんが出版を始める例も珍しくありません。
入場料を払う本屋も。本との出会いをサービスと捉えるわけですね。
本は「コンテンツを運ぶ」だけではない
本屋だけではなく、本そのものの捉え直しも進んでいます。
数年前、宇野常寛さんと箕輪厚介さんの対談で「本は体験のチケットでなければならない」という話が出ました。
「その本を読んだ!」という「共通言語」を持った人たちに対する、体験やコミュニティの提供。
書籍購入者限定の(著者による)トークイベントなどがそうです。
さらに紙の本となると、物質的な体験を加えることができます。
例えば、一枚の紙に全てを書き記した本。松岡正剛さんが編集について書き記しています。
あるいは封筒のような本。投函されて送られてくるというのがオモシロい。
最近発売された『広告』流通特集号では、製本されてから読者の手元に届くまでのすべての流通経路を表紙に記載しています。
自分が気になること/やってみたいこと
誰もが知る「本」というフォーマットを使って、新しいことができないか?を最近考えています。
表紙があって。目次があって。ページをめくりながら進めていく感覚。途中でしおりを挟んだり。気になるページの角を折り曲げる方もいるかもしれない。もちろん、全てkindleという人も。
これからの本は「コンテンツを運ぶ」だけではなく、本の外側も包括した「読書体験を売る」ものにならないといけない。
そんなふうに感じるこの頃です。
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