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相聞歌~四季の女神編

ふちを瀬に願ひたてまつりりし我に
竜田姫たつたひめ問ふなんぢ如何いかにせむ

秋の相聞歌を詠むかな~とつらつらと考え、思いついたのがこちら。歌の意味としては、「淵(川の水が深いところ)を瀬(川が浅い場所)に変えてください。この川を渡りたいので」と願い出た人に対し、竜田姫が、「ではあなたは願いを聞き入れてもらうかわりに、何をしてくれるのですか?」というような、そんなシチュエーションを想定してみました。
相聞歌で解説を入れるのは野暮かなあ……と思いつつ、読者全員が古典が得意というわけでもないですしね。

ちなみに、竜田姫は「秋の女神」様です。これも俳句では季語の一つですが、かつて「四季の女神様」については、春の佐保姫さほひめ、冬の宇津田姫うつたひめでも詠んだことがあります。

佐保姫さほひめの吐息撫でをる我がうなじ
しのぶもちずり目覚めさせむと

幽谷ゆうこくに涙流るる雪の川
我をいだくや宇津田うつたの姫よ

どれも別々の時期に詠んだ歌ですが、こうして並べてみると、何となく物語っぽいですね。

ちなみに、「夏」だけないのは、夏の女神様(筒姫)を詠んだ俳句や歌が見当たらず、イメージが沸かない……という事情によるものです^^;


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