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私が病気になったわけ②
私には2つ年下の弟がいます。男尊女卑の家庭なので、私の人生は弟の誕生で一気に変わりました。
弟は口下手で、甘え上手。私はそんな弟に嫉妬してヤキモチをやく、意地悪な姉。だから、話も聞いてもらえない。
小学生になると、弟がとことん勉強が苦手だということが発覚しました。すると両親は言ったのです。「弟が可哀想だから、お姉ちゃんも塾に行って」と。私が誰よりも感受性が豊かで臆病者だということに、当時は誰一人気づいていませんでした。
弟は塾に行っても成績は悪い。ほんの少しテストの点が上がっただけでも褒めてもらえる。私は、点数が高得点なのは当たり前。少し下がれば叱られる。
部活動が始まってからはもっと地獄でした。平成に生まれたのに、昔ながらの体罰が続くバスケットボール部に入り、できないと監督に叩かれ、髪の毛を鷲掴みにされて、コートを引きずり回され、いかに自分のプレーが理想的でないかを見せつけられる。みんなの前で。他の友達と決定的に違うのは、帰れば、許される場があるということでした。私は帰ってからも、試合のビデオを見せられ「どうして○○みたいに切り込んでいかない?」「おどおどしないで、もっと堂々とプレーしろ」と叱られました。逃げ場はありませんでした。
レギュラーを勝ち取って、副キャプテンになっても、試合では足が震えて、満足できるプレーができない。そして、瞬きがとまらなくなりました。今思えば、チック症だったと思います。
誤解しないでください。私はバスケは好きでした。でも試合では、楽しむどころか、自分の反省点ばかり責め立てられて、同時に塾にも通わされる。明日が来るのが本当に嫌だったあの頃。今思えば、どうして生きていられたんだろうと思うほど、頑張っていたと思います。あの頃の私を褒めてあげたい。
これらの事実は、本当にごく一部で、言葉にすると『なんだ、それだけのことか』と思う人もいると思います。私自身、虐げられたり、蔑まれることは当たり前のことで『自分のせいだ』と思って生きてきました。そんな子ども時代が、知らない間にじわじわと今の私に影響を与えはじめて、ついに『小さな私』が壊れて爆発しただけのこと。いつか爆発する運命だったんです。
それが、私が病気になった理由です。