大事な場所
生まれた場所、育った場所、生まれ育った場所。
大事な場所。
生まれた場所は今はオシャレな福岡の観光スポットになっている。
ここは母が生まれ育った場所だ。自分はここで生まれた。
もちろん生まれた当時の記憶なんてない。
ただこの場所ではいろんな思い出がある。
母の実家はみかんに始まり、いちご、最後はゴーヤを作っていた農家だ。
幼児期からの楽しい思い出が詰まった場所。夏は海で遊んだり、盆踊りをしたり、よくじいちゃんの軽トラに乗ってみかんを取りに行ったり、いちごを取りに行ったり、朝早く市場に一緒について行ったり、母の実家の近所に住んでいるお兄ちゃんたちに遊びに連れて行ってもらったり、溜池の水を抜く時に、鯉などの魚を捕まえに行ったり、今でも鮮明に思い出される。
当時この地は観光スポットとかではなく、ここ何十年かでオシャレな観光スポットになった。海ではサーファーが波と戯れ、海沿いではドライブも最高、インスタ映えする場所もちらほら、オシャレなカフェも数多く並ぶび、若者からお年寄りまでの幅広い層の観光客が訪れる。そして県外からの移住者も多い。都市高速も伸び、各方面から訪れている。
幼少期からやく35年近く経って大きく様変わりした。
ただ、当時から変わらないものもある。
それはそこに昔から住んでいる人たちだ。昨年母のお父さん、自分のじいちゃんが亡くなってのお葬式でたくさんの人たちに会うことができた。
孫代表として自分はじいちゃんにお別れの言葉と感謝の言葉を贈った。
そこで会えた、幼少期遊んでくれた兄ちゃん、おじさん、お年玉をくれていたおばさん、おじさん達。お互い歳をとったが、長い時間を超えて会ったにも関わらず、以前とかわならい空間がそこにはあった。
その時知るじいちゃんの苦労や、周りから慕われる人望、自分の知らないじいちゃんを知る人たちから聞く話全てが新鮮だった。
昔からそこで生活していた人たちが今をどう見ているかはわからない。
見た目は大きく変わったかもしれないが、そこには見た目ではわからないものもあるのだと思った。
ふと昨年なくなったじいちゃんと、今もそこにいるばあちゃんを思い出し、また行こうと思った。
素晴らしい生まれた場所。糸島。