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自己主導型オンボーディング

外国人採用での配属、新入社員としての入社時のやり方を違う側面から考えてみます。【1,833字】

 日本において、オンボーディングや統合に私たちや多くの企業は、従来のメンターシップやOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を中心とした人材育成を行います。

 メンターとは、経験豊富な人が、知識やスキル、アドバイスを提供して他者の成長を支援する役割を担う人のことです。



 これに対して、最近アメリカで注目されるメンターシップを使わない教育としてのオンボーディングと統合」は、従来の個別指導型のメンターシップに代わる、新しいアプローチを採用しています。


 この方法は、従業員が自己主導的に学習し、適応するための環境とリソースを提供することに重点を置いています。まとめてみたいと思います。

1. 自己主導型オンボーディング

 新入社員が、自ら積極的に必要な情報を収集し、学習するプロセスを促進します。この方法では、調べてみると次の要素が挙げられます。

デジタルリソースの提供
 組織の文化、ルール、業務手順を説明するオンラインポータルやモジュールを整備します。新入社員は、自分のペースでこれらのリソースを活用し、学ぶことができます。


マイクロラーニング
 短い動画やクイズ、ケーススタディを活用し、必要な知識を効率的に学べるようにします。これにより、新入社員が負担を感じることなく重要なポイントを理解できます。



オンデマンドサポート
 質問があればすぐに解答を得られるよう、FAQやAIチャットボットを活用します。これにより、従業員が時間や場所を問わず情報にアクセスできます。

2. ピアベースの統合

 メンターの代わりに、ピア(同僚)による支援を重視します。新入社員が特定の指導者に頼らず、多様な視点や経験を得られる環境が作られます。

ピアサポートグループの構築
 同期やチームメンバー同士が情報や経験を共有しながら、互いに学び合う場を設けます。これにより、より広範なサポートネットワークが形成されます。


コラボレーションの促進
 プロジェクトやチーム活動を通じて自然に学ぶ仕組みを導入します。この方法では、新入社員が即戦力として参加しつつ、他のメンバーからのフィードバックを受けながら成長します。

3. テクノロジー駆動型のサポート

メンターの人間的な関与を減らす代わりに、テクノロジーを活用して一貫した指導と情報提供を行います。

学習管理システム (LMS)
 個々のスキルレベルや進捗に応じたカスタマイズ可能な学習プログラムを提供します。


バーチャルリアリティ (VR)
 仮想現実を活用し、実際の業務環境やシナリオを体験することで、スキルを実践的に習得します。


データ駆動型のモニタリング
 学習進捗や統合状況をデータで可視化し、適切なタイミングで支援を提供します。

4. 文化的適応のサポート

   特に外国人労働者の場合、文化的な適応を促進する取り組みも含まれますが、これも個別指導に依存せずに行います。

カルチャートレーニングのデジタル化
 異文化間のギャップを埋めるためのトレーニングを、オンラインモジュールで提供します。

コミュニティイベントの開催
 オフィスでの非公式な集まりや文化交流イベントを通じて、自然に組織文化になじむ機会を提供します。

5.このアプローチの利点

①各従業員が自分のペースで学習し、必要なサポートを受けられます。

②メンターに依存しないため、人材リソースを効率的に活用できます。

③ピアサポートやテクノロジーを活用することで、多様な学習体験を提供できます。

6.このアプローチの課題


①新入社員が自己主導型学習に適応する能力を持っていることが前提となるため、事前にその能力を評価するプロセスが必要です。

 私たちに求められるのは面接する前にこの評価を診断できる仕組みを構築する必要があると思います。

②また、対面での人間関係構築が乏しくなると考えるため、適切な補完策を講じることが求められると思います。


 自己主導型オンボーディングは近い将来には、現在のメンターとなる方の実務現場での負担を減らして、外国人のみならず日本人の入社前や入社時のやり方を大きく変革するものになると思います。


日本は、将来の日本の社会のために、より良いしくみを構築できるはずです。


『良い人良い思い出を心に残そう』🙋🏼
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#オンボーディング #統合


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