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包摂の転機~人口減少時代の労働市場改革と新たな共生社会の展望【序論】②

序章②【951字】
包摂の転機~人口減少時代の労働市場改革と新たな共生社会の展望【序論】①
【前回から続きます】

 人口減少は、国内の人的資本戦略を練り直す要請となり、世界中から多様な人材を惹きつける社会インフラの整備と、旧来の価値観を超えた新たな文化的共存関係の構築が求められることとなります。

 このような背景を踏まえると、「人口減少と労働市場再編」「多文化共生への転換」という私が次章から展開を考えているキーワードは、もはや一部の専門家の議題ではなく、社会全体が真剣に向き合うべき喫緊の課題といえると思います。

 労働力不足への対応は、単なる外部人材の受け入れや定住促進策だけでは不十分で、地域社会の再生、教育現場の変革、企業組織の柔軟化、各市町村自治体の地場企業の国際的発展と雇用と就職の創出、そして個々人が異文化との接点を日常的に受け入れる心理的な準備など、あらゆる層の参与を必要とする多面的な挑戦だと思います。

 そして、問題は、経済・社会・文化という複数の観点が連鎖し合いながら進行している点にあると思います。

 どこか一分野の改革だけで抜本的な解決が図れるわけではなく、複雑に絡み合った諸課題を統合的な視座で捉え、新たな社会モデルを設計する必要があると思います。

 こうした複雑な課題を整理し、その背後にある歴史的文脈や理論的フレームワーク、そして将来に向けた政策提言や実践モデルを提示することを目指します。

 私は、まず日本が直面する人口構造の変動が、労働市場や社会保障、地域コミュニティ、異文化共存のあり方といった領域に横断的な影響を与えていることを提示します。

 ここで、人口減少が単なる統計上の事象でなく、社会全般を巻き込んだ包括的な転換を誘発、必然的であること、また、それを克服するために多文化共生という発想が、かつてないほど求められている状況を理解したいと思います。

なぜ今、この問題が注目されるべきなのか。

 ここでは、歴史と現実、理論と実践、国内と海外の視点を交差させることで、その理由を明らかにしたいと思います。

 人口減少と労働市場再編の動きは、過去から紡がれてきた社会的文脈の中に位置付けられ、テクノロジーやグローバル化という大きな潮流に貫かれています。この序章は、その全体像を見渡すための出発点です。

 ここで提示する視点から、読んでいただける方に、以降の章において、問題の歴史的連続性や、理論枠組みに基づく分析、先進事例の紹介、そして将来に向けた戦略提言を、一貫した脈絡の中で理解することができるようにしていきたいです。

 人口減少の課題は、ある特定の領域や業界のために閉ざされた問題ではなく、社会のあらゆる階層に波及し、新たな基盤づくりを求める壮大な転換のプロセスだと思います。

【次回に続きます】


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