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包摂の転機【第四章】海外事例の比較検討と検証⑥【5】理論と現場の融合が生むインスピレーション①

【第四章】海外事例の比較検討と検証⑥【5】理論と現場の融合が生むインスピレーション①

【2,357字】

【第四章】海外事例の比較検討と検証⑤
4】当事者の声と現場の熱量

【前回から続きます】 


 第四章、ここでの最終目標は、理論的な枠組みと実際の現場での取り組みがどのように交差し合い、社会に新たなインスピレーションをもたらすかを読者の方に直感的に感じていただくことにあります。

 ここでは、これまで紹介してきた社会統合モデルや包括的労働市場理論、さらに地域社会再生とグローバル人材活用をテーマにした交差点モデルといった理論が、具体的にどのように現場に適用されているのかを探ります。


 「ドイツ・ベルリンに引き寄せられた」という移民を支援するNPO法人代表へのインタビューで、これからの社会統合についてこう語られていました。

「私たちは理論的な枠組みを大事にしつつも、最も大切にしているのは、ここで実際に起きている事を理解し、柔軟に変化に対応することです。」

 この言葉は、理論と現場のギャップを埋めるためには、双方の密接な連携が必要であることを鮮明に示しています。

 ベルリンの事例そのものが、社会統合の理論がどのようにして現場の活動に活用され、移民が地域に定着しているのかを物語っています。

 正に理論が実践へと変換される瞬間には、現場ならではの課題がいくつも立ちはだかります。

 先進的な政策でも、必ずしも早急に求められる改善が即座に可能とは限りません。

 しかし、社会的数値目標を追求する中で、「どうすればより実践的な支援ができるのか?」という現場の問いかけに、理論がどれほど寄り添うかで、その成果は大きく変わります。

 ベルリンは、外国人の文化に対する理解をどう促進するか、言葉の壁をどう乗り越え、一体感をどのように作り上げるかに注力しました。

 その結果として、外国人が単なる労働力としてではなく、地域コミュニティの一員として迎え入れられており、彼らの役割は社会、経済を活性化するものへと昇華しています。


 カナダの「トロント」は、地域社会で移民を受け入れるためのイニシアチブを運営している団体の代表にインタビューした内容も参考になります。

 彼は、「理論的な枠組みが現場に適しているか、それを評価できる場を作ることが課題で、私たちが求めている答えは『現場でどう機能するかだ』」と述べています。

 トロント市の例を出すと、豊かな多文化社会を支援・発展させるためには、まず現場でそれを「どのように実践するか」がカギとなります。この実務的な視点が、理論を生きた形で社会に根付かせるのです。

 このトロント(カナダ)、シドニー(オーストラリア)などでは、教育機関と連携することで、地域の若者へも異文化理解を促し、それが将来的な協力関係のきっかけに繋がります。

「現場での密なアンケート、このアンケートで良い・悪いをしっかり共有する。」

 こうした地道な取り組みを通じ、理論が「生きた形」で市民を動かす力へ変化しています。

 このような事例に共通しているのは、理論が現場にどのように具体的な行動に落とし込まれるかが最も重要であり、行政、地域、教育機関などを含む多様なアクターが一体となって連携することによってこそ、それぞれの理論が実体化、実践できるということです。


 シンガポールの事例を見ますと、テクノロジーと人材の両面での積極的な戦略が、まさに現場において具体的に適用されています。

 外国人エンジニアが特定の産業の革新に必須となり、その技術が地元企業や市場の進化を導いた過程が明らかにされています。

 その中で現場が求めるニーズに対し、企業と地域が実際にどう連携して変革を推し進めるか、そしてそこにおける具体的な改革がどのような影響を及ぼすのか、この点に焦点を当てて論じるべきだと考えます。

 日本国内でも同様に、学び直しやリスキリングが進んでいるという事実だけでなく、それがどのように地域の成長にリンクしているかを明確にし、どの段階で現場が理論と接続しているのかを考察することは大変に重要です。


 こうした事例をさらに掘り下げてみますと、社会統合モデルや包括的労働市場理論、そして地域社会再生とグローバル人材活用の交差点モデルという、これまで紹介してきた概念の真価が、実際の現場で多様な人々の声と交わることで、いかに大きな変化を引き起こし得るかがより鮮明に映し出されます。

 たとえば、行政の制度設計だけでは到達し得ない部分-----具体的には、地域住民が外国人労働者と日常生活を通じて築く信頼関係や、コミュニティ主導のプロジェクトで生まれる革新的なアイデアなど------が、当事者の声を通じてリアルに浮かび上がってくるのです。

 その中には、たとえば地方の一農村が外国人住民と協働で立ち上げた小規模ビジネスが意外にも海外市場と結びついた例や、企業内での外国人材研修プログラムが、思わぬかたちで人々と繋がり地域社会との交流プロジェクトへ発展したケースなどが含まれます。

 これらの具体的エピソードを並べて考えますと、理論的な枠組みだけで描かれる「外国人受け入れ」「多文化共生」「地域創生」といったテーマが、現場の熱量と結合することでまったく新しい価値を創造する現場へと変貌する過程が見えてまいります。

【次回へ続きます】


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お正月2日目今日は夕方近く
実習生の激しい腹痛のため
Haさんが緊急出動しました。北海道の地方の
地域病院の医師と看護師の方々は
この1人のために自宅から駆けつけていただき
治療していただき大事に至らなかったです。
本当にありがとうございました。

『良い人良い思い出を心に残そう』🙋🏼
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