ベトナムの家畜市場に足を踏み入れると…
ベトナムを知る【20】
【1,380字】
ベトナムの市場文化は、日本とは異なる賑やかさと人々のエネルギーに満ちています。
ベトナムのハティン省にある家畜市場です。牛や水牛が中心となるこの市場は、遠くからでもその独特な活気が伝わってきます。
地元の農家たちが朝早くから牛や水牛を連れて市場へと集まり、日常の風景の一部となっています。
市場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのはたくさんの牛や水牛が並んでいる光景です。
それぞれの家畜は、農家の誇りでもあり、生計を立てるための大切な存在。
家畜が動かないように繋がれている一方で、その周りでは人々が集まり、賑やかに交渉が進められます。
交渉は単なる金銭のやり取りではなく、牛や水牛の健康状態、働き具合、さらにはその家畜がもたらす利益などが議論されます。
交渉の流れ
日本の畜産家が専門の市場で取引を行うのと似た形で、ここでも売り手と買い手が顔を合わせ、慎重に家畜を見定め、交渉を開始します。
売り手が「この水牛は農作業にも最適で、毎日畑を耕す手伝いをしている」といえば、買い手はその言葉を聞き、家畜の様子をじっくりと観察します。
市場には経験豊富なベトナムの農家が多く、家畜の状態を判断するのも素早く、効率的です。
双方の交渉が進む中、周囲の人々もそのやり取りに耳を傾け、時には意見を述べたり、仲介に入ったりします。
市場全体が一つの大きな交渉の場となり、取引が成立する瞬間には互いに満足げな表情が浮かびます。
日本では畜産市場に入れるのは限られた人々のみですが、ベトナムのこのような市場は一般の人々にも開かれていることが多く、家畜だけでなく、食材や日用品も手に入る場として広く知られています。
そのため、農家だけでなく、地域住民にとっても重要な交流の場となっています。
市場を通じた地域のつながり
ベトナムの家畜市場は、単なる取引の場にとどまらず、地域社会のつながりを象徴する場所でもあります。
市場での取引は、農家同士のコミュニケーションの一環であり、地域全体の絆を深める重要な要素です。
日本でも、かつては地域の市場が同じように人々の集まりの場として機能していましたが、現代ではスーパーマーケットやオンラインショッピングが主流となり、こうした顔を合わせた取引の場は減少しています。
一方で、ベトナムでは家畜市場が今でも生活の中心にあり、家畜を通じた取引が地域社会の基盤を支えています。
このような市場は、家畜を売り買いするだけでなく、人々が情報を交換し、助け合う場でもあるのです。
家畜市場の魅力
ベトナムの市場が持つ独特な魅力。
日本人とっては、ベトナムの家畜市場がまるで古き良き時代の日本の市場を思い出させるようなノスタルジックなものに映るかもしれません。
家畜市場は、生活の一部として存在し、そこには地域社会の人々の息遣いが感じられます。日々の生活を支える家畜たちが集まるこの市場は、単なる取引の場ではなく、地域の文化と風習が息づく場所なのです。
ベトナムの家畜市場に足を踏み入れると、まるで自分もその一員として参加しているかのような感覚を得ることができます。
市場でのやり取りや人々の会話、交渉の緊張感、そして取引が成立した瞬間の安堵感が、この記事を通じて生き生きと伝わってきます。
ベトナムを身近に感じていただけると幸いです。
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