見出し画像

「多様な力で築く、新しい日本の未来」〜カナダから

「多様な力で築く、新しい日本の未来」
【2,026字】


 カナダの移民政策は、日本にとっても参考となる多くの先進的な要素を持っており、日本政府が既に取り入れている部分と、さらに取り入れるべき部分があります。

今日は、具体的な政策の現状と今後の方向性についてみていきたいと思います。

1. 日本が取り入れている部分

(1) 高度人材ポイント制

 カナダの「エクスプレス・エントリー制度」に倣い、日本も2012年に「高度人材ポイント制度」を導入し、スキルや学歴、職歴などの要素を評価して永住権取得を容易にする政策を始めました。


 これは、特にITや医療、学術分野での専門知識を持つ外国人材の確保を目指しており、カナダ同様、技術や知識が豊富な人材を呼び込むための仕組みです。

 日本では、ポイントが高い外国人に優遇措置を与えることで、移民が日本社会で活躍しやすい環境作りが進められています。

(2) 特定技能制度

 日本は2019年、特定技能制度を創設し、建設業や介護、農業など労働力不足の分野での外国人材受け入れを拡充しました。

 カナダが特定の経済分野での労働力確保のために移民を活用しているのと同様、日本も経済移民制度を取り入れ、即戦力としての外国人労働者を受け入れる仕組みを整備しています。

 日本の特定技能制度は、今後の社会に貢献する外国人材の安定的な受け入れ基盤を築くことが期待されています。

2. 日本が参考にすべきポイント

(1) 明確な数値目標とビジョンの設定

 カナダは年間50万人の移民受け入れや、2030年までに人口の25%を移民で構成するという数値目標を掲げています。



 一方、日本は具体的な受け入れ人数や総人口に占める移民の割合といった長期的な数値目標が不明確です。

 少子高齢化が進む日本では、例えば「2050年までに人口の10~15%を外国人で構成する」など、明確な数値目標を掲げ、人口維持や経済成長のために移民が果たす役割を具体的に示すことが求められます。日本社会で外国人が果たすべき役割を明確にし、政策の一貫性と信頼性が高まります。

(2) 社会統合プログラムの強化

 カナダでは、移民の社会統合を支えるためのサポート体制が充実しており、語学教育や職業訓練、コミュニティ支援などが行われています。長期的なビジョンが明確に確立されていることが背景にあるからだと思います。


 日本でも外国人の日本語学習支援や職業研修が進められていますが、国としての統一性に乏しくて、まだ地域差や支援体制の不足が課題です。
 
 カナダの例を参考に、全国的な外国人支援プログラムを統一し、外国人が職場や地域で活躍できる環境を整えることが必要だと思います。

 特に、日本語教育や異文化交流の促進、住宅や医療、子育て支援の情報提供など、生活のあらゆる面でのサポートが重要です。

(3) 家族再統合と永住権取得の緩和

 カナダは、移民が家族と共に生活できるよう家族再統合を支援し、精神的安定を図ることで社会統合を進めています。

 日本では、特定技能や技能実習制度のもとで働く外国人が家族を帯同できない場合が多く、これが長期的な定住意欲を削いでいる現状があります。

 外国人が日本で長期にわたり貢献するためには、家族再統合の支援や永住権取得要件の緩和を進め、定住しやすい環境を作ることが有効です。

 特に、外国人がキャリア形成し、家族と共に安定した生活を築ける環境は、日本社会における多様性の促進にもつながります。

(4) 地域ごとの移民受け入れ目標

 カナダは都市部への集中を避けるため、地方部での移民受け入れを奨励する政策を導入しています。



 日本でも、地域の活性化を目的に外国人を地方に誘致するプログラムがありますが、地域ごとの受け入れ目標やサポート体制の整備が必要です。

 地方の介護や農業分野などでは、特に外国人材の需要が高まっており、カナダの地方移民プログラムを参考にした具体的な受け入れ人数の目標設定と支援の拡充が求められます。

まとめ

 カナダの移民政策には、日本が移民政策を進化させるうえで参考にすべき多くの要素が含まれています。

私は、ベトナム人の外国人就労者たちから聞いて調べたカナダでのベトナム人就労者たちの生活の状況。



 農業分野などの過疎化が進むカナダの地域では、北海道の自然や過疎化の度合いに比べて、遥かに過酷な場合が多くあることを知っています。


 日本もすでにポイント制や特定技能制度といったカナダ式の政策を導入しています。

 今後は長期的な数値目標の設定や、家族再統合といった移民の生活基盤の安定化を図る施策、地域ごとの受け入れ目標設定や全国規模の社会統合サポートの充実が求められます。

 カナダを参考にして、日本は、長期的なビジョンに基づいて多様な移民が日本社会に定着し、共生できるような政策の強化が必要です。


『良い人良い思い出を心に残そう』🙋🏼
 #カレンダープロジェクト  #教育 #外国人採用  #外国人雇用  #特定技能 #日本  #移民政策 #カナダ


いいなと思ったら応援しよう!