岐路に立つ
組織にとっての利益と、その人にとっての幸福
どちらを追いかけるのか、わたしはずっと悩んでいた。
悩んでいたというか、自分の中に答えはあったのだけど。
お互いにとって幸せな落とし所がみつけられればよかったが、
組織とはしばしば対立した。
後輩たちとも一悶着も二悶着もあった。
立場上、本意ではなくともそれらしい動きはせねばと思った。
人目を気にするサラリーマンだったからだ。
わたしは彼女たちをあいしていた。
人として尊ぶべきと思っていた。
ずっとそばに居てほしかった。
自分の思う通りの人生を生きてほしかった。
相反する感情はいつだってわたしのなかにあって、わたしは苦しかった。
苦しかったんだ。
そろそろ旅に出ようと思う。
異国にしばらく滞在して、そこでこころの美しいひとたちと出会った。
彼女たちに幸せになって欲しいと心から思う。
今わたしは人生の岐路に立っている。
力なき正義は無力。正義なき力は暴力。
分かれ道を前に、ふと、そんな言葉がよぎった。
アンシーが世界を革命したように、
わたしも自分の世界を革命しなければならない。
遠い未来で、取り零してきた欠片を拾えるように。