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リカーリング(継続収益)とつながり、ブースター「サブスクリプション 」川上昌直氏 講演より

世は空前のサブスクリプションブームと言ってもいいのかもしれない。
女子高生でも知っている言葉だ。
継続してチャリンチャリンとお金が入ってくる仕組みが収益モデルとしては強い、ということで最近はアイボも20万で購入し、月3000円課金しないと死んでしまうような時代だ。 この継続収益にバズワード(もっともらしいけど曖昧な用語)がブースター(加速)として登場しては消え、を繰り返している。サブスクリプション、コト消費、AI、プラットホーム、シェアリングなどだ。
この中のサブスクリプションにフォーカスして講演した大学教授の川上昌直氏の内容である。


世の中には失敗サブスクリプションも多く、トヨタの定額で車に乗れるサービスはリースとの違いがよくわからず、JRフォーターサービスの月1500円で1日1本自動販売機の飲み物が飲めるサービスは、2ヶ月目から月3000円になってしまう・・。サブスクリプションは売手の商売にあぐらをかく姿にすら見えることがあるので要注意だ。 この課金タイプのビジネスはネットフリックス、アマゾンプライムがまさにそれだ。 リピーターとは売り切りのサービスをユーザーの判断で繰り返し消費活動につなげることで、リースとは法的強制力のあるコピー機、プリンター等が該当する。そしてその間にはカミソリのように、本体を買う時は安かったのに換えの刃を買おうとするとやたら高い、など付帯物で収益を上げるレーザープレイドなるものがある。
サブスクリプションとはリースほど強制力はなく、リピーターほど完全なユーザー主導でもない、いつでも辞めることができるが魅力があれば再度購入をしてくれる、いわば継続購入を意味する。このサブスクリプションを紐解くには24歳以下、いわゆるミレニアム世代の次Z世代の消費行動を見ていると案外理解できる。 ミレニアム世代はとにかく金を使わない世代であるが、Z世代は自分の好きな車は買う、ブランドものも買う、でも水筒はしっかり学校に持参しているなどの世代だ。価値提供をして、価値を感じれば購入してくれるということだろうか。
サブスクリプションの上手いやり方としては機を見て年払に変更していくことだ。コストコの当期純利益は2%だが、この2%はあの年間一括払の入場料でまかなっているという。
このサブスクリプションを活用し、リカーリング(継続収益)いかににつなげていくか、そこで重要なのが「つながり」である。
購入行為の後にどれだけユーザーにタッチしているだろうか。このつながりは十分条件ではなく、今や必要条件になってきている。ユーザーはどのフェーズでもフォローをほしがっている。メンテナンス、アップロード等収益になる時だけのフォローではうまくない。CSとは顧客満足(Customer Satisfaction)ではなく顧客成功(Customer Success)の時代に入った。ネットフリックスはログインがしばらくないと解約を危惧して、途中まで見ていた映画があるよ、などのお知らせをしてくれる。
つながりとはユーザーとの関係を資産化するとも言える。例えばANAのダイヤモンドメンバー、気持ちの良い付加価値と言えるだろう。この互恵関係とも言える、常連感、心地の良い距離感について研究していくと良いのではないだろうか。 ここでつながり(メンバーシップ)の判別手段について触れておく。
・メンバーの情報が更新されているか
・メンバーであるという明確な手続きがなされているか
・多方向性、相互に協力し合える関係になっているか
・アップデート、ユーザーの成功を認識できるか ・優越感、価格以外の排他的なサービスを提供できているか
このメンバーシップの背景があってこそのリカーリングなのである。
例えばトヨタの定額性、こんな風にしたらどうか。月1回の洗車、移動先での駐車場の確約。また、今は愚の骨頂のラーメン月8600円、12日食べればもとを取れるというサービス。そうではなく、行列を飛ばせる、健康アプリの提供などを付帯してはどうか。 あったらいいな、ではなく、これがなきゃ、という視点で考えるべきだ。 あたなのお客さんにこのようにアンケートしてみてはどうだろう。 「あなたの友達にすすめられるサービスでしたか?」
≪考察≫
川上氏はビビット司会の国分太一氏にレクチャーをしたり、星野リゾートのアドバイザーをしたりしている方で、講演もかなり面白い内容でした。

参考書籍 「つながり」の創りかた 新時代の収益化戦略 リカーリングモデル

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