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塾選びの最重要ポイントについて

受験の合否を分ける塾選び。
どの塾も、広告やHPでは魅力的な内容が書いてあるため迷う気持ちはわかります。
言うまでもなく、塾選びは非常に重要です。志望校合格に向け、お金と時間をかけて塾に通うのですから、最良の塾を選びたいものです。
しかし実際には、周りの評判・口コミや見た感じの印象で決めてしまい、後悔するケースが後を絶ちません。

この記事では、『塾選びの最重要ポイント』について詳しくお話します。
※今回は、中学受験だけでなく、大学受験に向けた塾選びにも役立つ内容になっております。

個別指導塾や家庭教師の実情

ご存じの方も多いかもしれませんが、塾業界は人材の入れ替わりが非常に激しい業種の一つです。
大手塾の中には、新卒社員の1年後の離職率が約50%という塾もあります。
以前、保護者様から聞いたお話が特に印象に残っています。

「所属クラスの担任講師が大学を卒業したばかりの先生で頼りなかった。失礼な話かもしれないが、進路相談したときに社会経験が浅い方が的確な回答をできるとは思えない」

しかしながら、『長く働いているベテラン=良い講師』とは全く言えないので、これも注意が必要です。
「大手だから〇〇塾」「近いから〇〇塾」とすぐに入塾を決めるのではなく、講師との面談や説明会・相談会を通して、お子様に合っている塾かどうかを『保護者目線』で確認する必要があります。

個別指導塾や家庭教師では、コストを抑えるために正社員として働く講師は少なく、学生アルバイトが占める割合が圧倒的に多いです。
ひとつの教室に専任(社員)の講師は1名だけで、その他の講師は全員が大学生のアルバイトという塾も多いです。

確かに、学生講師はプロ講師より授業料が安いことが多いですが、結果が出ないのであれば意味がありません。
また、多くの塾では、学生アルバイトは短期間の研修期間を経て、すぐに生徒を担当します。
高校を卒業したばかりの、「受験指導については素人である大学1年生」が、ご家庭の人生が掛かった受験指導を担当することになります。
もちろん、優秀で熱心に指導してくれる学生講師が確かに存在していることも間違いありません。
しかし、そのような講師に出会える確率は正直言ってかなり低いです。

学生講師のメリット

①歳が近く、生徒から見て親近感がある。

※大学生アルバイト講師は大学1・2年生であることが多く、生徒との歳が近いことで本音で話しやすいです。

②受験の実体験が新鮮である。

大学生アルバイト講師は、自分自身が大学受験を終えたばかりです。最近の実体験から得られたノウハウを聞けるチャンスでもあります。

学生講師のデメリット

次に、学生講師のデメリットとしては、講師ごとの指導力の差が大きすぎることが挙げられます。

実際にいた学生講師の例
・徹夜で飲み会をした後、そのまま二日酔いの状態で授業に来る。
・いかに労力を減らせるかを第一に考え、予習もしてこない行き当たりばったりの指導をする。
・そもそも受験知識がない(例:中学受験の御三家を知らない)
・講師都合の振替が多い。

すべて、私がこれまでに実際に見たことがある実例です。
特に気を付けていただきたいのは、生徒の都合より自分の都合を最優先する学生講師です。
「大学のテスト期間のため、授業を翌週に振り替えさせてほしい」はまだ理解できるのですが、GW・夏休み・正月休みなど、受験生にとって一番成績を伸ばすチャンスの時期に、旅行や帰省など自分の都合で長期間不在とする講師がいます。
このような講師は、アルバイトと割り切っているためプロ意識があるわけもなく、指導レベルは言うまでもなくかなり低いです。
お子さんが学生講師に教わっている保護者様、着実に成績が上がっていますか。志望校に近づいていますか。

有名大学の学生や医学部生が、お子さんの授業を担当していることで満足していませんか。

注意すべき塾について

①授業数が多すぎる塾

どんなに良い授業を受けたとしても、復習が間に合わないと全く意味がありません。授業を受けていることに保護者は安心されていますが、実際に問題を解く時間(演習時間)が確保できないと成績は伸びません。
特に、夏期講習や冬期講習は授業のコマ数が多すぎます。そして、講習会は受講するように強く勧められることが多いです。
この背景には、塾や予備校が営利目的で経営している企業であることが挙げられます。講習会の受講者数にノルマが課せられている塾も多いです。

②義務自習(強制自習)を掲げる塾

他人から強制された勉強は、能率が著しく落ちます。実際、ただ長時間机の前に座っているだけで、何も身についていないケースも少なくありません。
自習とは、読んで字のごとく自ら学ぶことを指します。
自習を強制した場合、そのストレスからますます勉強嫌いになるケースもあります。

③オリジナル教材の充実をアピールしている塾

小規模塾の場合、市販教材の方が圧倒的に出来が良いケースが多いです。オリジナル教材には誤字や印刷ミスが多く見受けられるケースもあります。
また、定期的に改訂されておらず、最新の入試問題傾向が反映していないことも多いです。

④料金が掲載されていない

HPなどに授業料が掲載されているかどうかでその塾の誠実さがわかります。
資料請求しないと正確な金額がわからない塾や、個人ごとに金額が異なる旨を説明している塾には少し注意が必要です。
誠実な塾は、必ず全ての費用が掲載されていますし、不明瞭な部分はほとんどありません。
また、授業料は安いのですが、授業料以外の講習会費・教材費・施設管理費などがプラスされていく塾もあるので、入塾前に必ず確認してください。

⑤有名講師(人気講師)がパンフレットに多数掲載されている塾

本当にその塾で「常勤講師」として「通常授業」を担当していますか。年1回の特別講習のみ担当するなど、通常授業は担当していないケースもあります。
また、その有名講師は、本当にお子様が所属しているクラスを担当してくれますか。有名講師(人気講師)は成績上位クラスのみを担当しているケースも本当に多いケースです。

⑥魅力的なコースや講座が多い塾

プラチナ・エグゼクティブ・ハイブリッド・スペシャルなどとにかく横文字が多いです。しかし、完全に名前負けしている授業が多いのも事実です。

⑦プロ講師を強調する塾

「講師は100%プロ講師」「有名塾・予備校で〇〇コースを担当経験あり」「講師採用率数〇%の厳格な採用基準」とホームページや広告で、講師の質の高さを強調している塾は多いです。

その塾のホームページで、講師採用ページを見てみてください。

「未経験者歓迎」などと記載されていませんか。
そもそも、『プロ講師』の明確な定義はありません。このため、残念ながら自称プロ講師がいるのも事実です。
塾講師を本業とし、責任・誇りをもって生徒を全力で指導し、生徒と保護者から信頼されている方こそ『プロ講師』であると思います。
そして、そのような講師に出会えると、お子様の成績が急上昇する例も多々あります。

最後に

指導経験豊富なプロ講師は、ただ勉強を教えるだけでなく、意識改革を促し能動的学習力を高めることで、生徒から受験生に変えてくれます。そのような講師に出会えると成績上昇は当然ながら、自身の人生を大きく変えるきっかけにもなることでしょう。

「万人にとって100点満点の塾」がありえないように、「万人にとって0点の塾」というのものもありません。お子様やご家庭にマッチしていれば、「最高の塾」になりえるということです。
塾はあくまで「夢の実現のためのツールである」ということを意識しておいてください。

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