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『広辞苑』第七版が欲しいのに

録画してたTVドラマ「舟を編む」を見て、『広辞苑』が見たくなり、手にしたらたぶん欲しくなるだろう。そんなドキドキ感を抱きながら、イオンモール内の書店に行った。ここには大概の本は揃っているのに、『広辞苑』がなかった。

三浦しをん著『舟を編む』を探したが、こちらも無い。戸田書店などの大手の書店を回ってみたが、こちらにも無い。無いとなると、何故こうも欲しくなるのだろうか。

高校の時には、平凡社の『世界大百科事典』と『広辞苑』を読むのが好きだった。残念ながら『世界大百科事典』は持っていなかったが、、家に戻ってから『広辞苑』を引くと、次から次へと言葉が繋がり、面白くて楽しめた。

火災に遭い、子供の頃からの蔵書と共に消失して、その後は電子データ化されものを使い、電子辞書へと変わった。電子化されたものになってから、辞書類から離れてしまったように感じる。

辞書類を読む楽しみは、特に『広辞苑』を読む楽しみは、キッチリと言葉の意味を調べるのではなく、一語から次の一語へと興味のまま飛ぶのが面白い。真面目に調べるというタイプではなく、遊ぶように読んでいた。なので電子化されてからは、適当にパラパラと読む面白さがなくなってしまった。

高校になると、純文学よりも松本清張や創元推理文庫・ハヤカワミステリ文庫のアガサ・クリスティーやエラリー・クイーン、ガストン・ルルーなどの方が面白い。それと同じくらい『広辞苑』は面白かった。

手に取れないとなると、ますます恋い焦がれてしまう。通常版と机上版の、手持ち感を知りたかったのに。ああ、落ち着かない。

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TVドラマ「舟を編む」の中で、『こころ』の遺言が長いという話題が出た。その事を思い出して、イオンモール内の書店で夏目漱石の『こころ』を立ち読みした。中学生の頃に読んだのに、全く記憶にない。幾ら読んでいても、興味が無ければ記憶にも残らないのだろうか。

中学時代は川端康成などを中心に読んでいた。最近同年代の人と話をして、横光利一の名を出したらまったく知らないという。やはり文学作品は、興味が無ければ記憶に残らないのだろう。

珍しく森茉莉の文庫本が置いてあった。

放送大学で、23年度から「樋口一葉の世界」が始まったが、樋口一葉よりも、女流作家としては森茉莉の方が面白いと思うのだが。樋口一葉よりも良いなどと思うのは、まさに人それぞれの好みの問題になる。

岩波書店の『新日本古典文学大系』の中の『源氏物語』の部分全5巻が、文庫本全9巻で発売されていた。これを読むには、文庫本では文字が小さすぎて如何なものか。現代語訳がないだけに、真剣に取り組もうとするには文字が小さいのは困る。

『紫式部日記』『蜻蛉日記』なども並べられていたが、テレビドラマの影響だろうか。残念ながらダイジェストで、現代語訳や解説に力点を置いてるようだ。本の帯に有った様に、あくまで入門、導入のための文庫本のようだ。「光る君へ」のドラマが低調だと言われているが、それにしては急に紫式部関係や『源氏物語』関係の本が増えていたように感じた。

出来ることならば、赤染衛門関係の本が欲しい。いつかは読みたい『栄花物語』。

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