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2020年8月の記事一覧

世界の解像度

僕はよくわからない性質で、高尚なものと低俗なもののどちらも等しく愛している。例えば、オペラや茶道などといったものに身を浸すときもあれば、人の悪口ばかりが書かれている週刊誌を読みたくなる時もある。
人の心を埋めるには、どちらもふさわしいとは思うが周りにはどちらか一方だけを愛する人が多い。
高尚なものが好きな人は低俗なものをあまり良い顔で見ないし、低俗なもの(彼らにとってはきっとそうではない)を愛する

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文学神話

文学神話

僕のこの焦燥感と憂鬱感は、今に始まったことじゃない。
胸の奥がじりじりと燃えて肺の中に煙が充満していくような感覚はずいぶん昔からずっとある。
小さなころはそんなものを言語化できるわけがなく、ただ疑問と息苦しさを覚えながらそれを押さえつけるようにしてきた。

文章を読むのが好きだった。
たくさんの本を読む子供ではあったものの、それはあくまで児童書の範囲を超えることはなく、本屋に並んだかわいらしいイラ

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なにもない夏

なにもない夏

今年は何もない夏だ、と知人は口をそろえて言う。それはきっと、猛威を振るっている疫病のせいでもあるだろうし、例年を優に追い越す猛暑のせいでもあるだろう。
僕も、その2点、特に前者を言い訳に何もしない夏というものを実感している。

昨年のことをぼんやりと思いだしていた。過去の郷愁ばかりに気を取られてしまう悪癖はそう簡単に治るものじゃない。「過去ばっかり見ていたらだめだよ」というきれいごとを言ってくる人

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