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釣りエッセイ:ワカサギ釣り(第5話)

釣りエッセイ「試考策魚」:
ワカサギ釣り(第5話)

誘導ウキ仕掛けで
数を伸ばすコツは掴めたようです。
タナが変わった時、食い渋った時に
対応できる様
引き出しを増やしました。

………
……

夕方になり
遠方からきている釣り客は
帰り支度を始め、
日が暮れる一時間前ともなると
辺りには誰もいなくなりました。

まもなくワカサギシーズンが終わる
3月ですが、日が傾き始めると
急激に気温は下がります。
着込んで真冬に逆戻りです。

アタリも減り
そろそろ帰ろうかと考えていると、
湖のあちらこちらに波紋群が現れました。
ひとつの波紋群は20~30匹の群れで
移動しているように見えます

夕マヅメ時に
ワカサギの群れが浮いてきたのでしょうか。リール竿の仕掛けを置いたまま、
のべ竿を出します。

仕掛けは胴付き仕掛けの下にらせんです。
仕掛けを振り込み、
水面近くをテンションフォールで
手元まで探ります。

・・・・・・・

もはや入れ食いです。
なんの小細工も要りません。

他の釣りでもある事ですが、
時合ともなると、
これまで積み重ねてきた
数々のティップスは
無意味なものと化します。

だからといって、
”つまらない”
とはなりません。
とても楽しいです。
何故なら時合というものは
長く続かない事を知っているからです。

やはり、
入れ食いは止まりました。
辺りは薄暗くなり
一層冷え込みました。
寒さは感じませんでした。

ビールのあてには充分です。
家族の夕食になる程、釣れました。

釣るコツを
イチから知る事ができましたので、
ここで、答え合わせです。
常連さん、エサ屋で
タナの探し方や誘い方などを
教わりました。

案の定です。
私は遠回りをしていました。

答え合わせは
だいたい正解でした。
聞いておけばその日から
数多く釣れていたでしょうね。

でも、いいのです。
これが私の楽しみ方ですから。

~ワカサギ釣り(終)


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マホロバの釣り人
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