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【谷崎】死ぬまでに読みたい本って何ですか?!

死ぬまでに読みたい本って
なんだろう?

日本人に生まれ、
老年を迎えようとする人間なら
せめて、谷崎潤一郎の『細雪』は
やはりマストで読まないと、、、。

そうずっと感じてきたものの、
なかなか『細雪』には
手が伸びないできました。
他の『春琴抄』や『蓼食う虫』
『痴人の愛』は、
まあ面白そうに感じたし、
面白く読めたし。
でも、太宰や三島を読む時に比べ、
ドヮーッと引きずられたりは
しなかった。

それが、谷崎、最高傑作
『細雪』になると、
なぜか、食指がどうも動かない。
日本文学の最高の至宝であろう事は
じゅうじゅう分かっているのに。

いや、その、日本文学の至宝、、、
というような肩書きを
作品に被せているのがイケないのか。

でも、市川崑監督が映画化した
『細雪』は観た。よかった。
昭和を代表する女優の
4人姉妹は本当にキレイだった。
淡々と4人姉妹の上を流れた時間が
ひたひたと胸に迫った。
4人姉妹の「生き方」とか
そんな硬っ苦しいものではない。
あくまで、時間だ。

谷崎は、人生の答えを解こうとか、
謎を提案しようとか、
そんな意図や心理はまず持っていない。
そこが凄いし、
そこが『細雪』には取り付く島がない
原因なのかもしれない。

でも映画は観ました。
だから、話の筋は
分かってるんですよね。
あとは谷崎の筆力を堪能すればいい。

そう分かってはいるんですが、
なかなか、小説は食指が動かないまま、
数年がたちました。

そんな自分が甚だいやになり、
今日は、新潮文庫、全3巻を
思いきって買ったのでした。

まずは上巻1冊読んで、
読み終えたら次に中巻を買い、
読み終えたら下巻を買い、
下巻を読む、、、のと、
一気に3冊同時に買うのならば、
どちらが、より読み通しやすいか?

一気に読むのならば、
3冊同時に買うのが
自分にはプレッシャーになるから、
いいかなあ。
今日はそう思って、一気買いしました。

これで、私もいよいよ、
日本文学最高の至宝を味わい、
我が宝とできる段階になった訳です。
ずいぶん葛藤が長く続きました。
(笑)。

でも、今日は他にも、ついでに、
前から気になっていた
穂村弘『君がいない夜のごはん』
というエッセイ集も買い、
今話題のガルシア・マルケスの
別の文庫
『予告された殺人の記録』も買い、
宮本輝&吉本ばなな対談
『人生の道しるべ』も買いました。

こうやって同時にたくさん買うから
なかなか、谷崎『細雪』に
向かえないのかもしれません。
誰かをうちに招くには、
1日に一人と決めた方がいいかな。
きっと。

それにしても、
日本文学の至宝『細雪』を
読んでいる方々の数は、
夏目漱石『こころ』を読んだ方々と、
どちらが多いだろうか?

やはり、谷崎好きは
少ないんじゃないかなあ?
これは教科書の傾向や伝統とか、
国語の先生のセンスとかに
起因しているんじゃないかしら?

美的センスがある先生がいたら
谷崎潤一郎好きがもっと
増えているんじゃないかしら?
 
下手したら、
日本文学好きな外国人の方が
よく谷崎を読んでるでしょうね。

ちなみに、『細雪』冒頭の1行は
関西人以外の人には、
たぶん、意味もアクセントも、
理解が難しいでしょう。

「こいさん、頼むわ。ーー。」

「こいさん」は末っ子女子の意です。
アクセント的には、
「い」は、「ぃ」と小さくなる。

「たのむわ」のアクセントは、
「わ」が高くなる。
 
1行めから、
元関西人(ワタシ)にも、なかなかの
文章で始まる『細雪』だ。

さあ、何か月?
かかるのでしょうね?(汗)。

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