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【村上春樹】無人島に村上春樹を持ってくなら、何にしますか?
無人島に持っていく質問。
村上春樹で2冊までなら、
あなたは何を選びますか?
あまりにありふれた質問ですが、
ふと自分に問いかけてみました。
答えはすこぶる難しい(笑)。
無人島。たぶん時間はたっぷり。
暑い島かな?寒い島かな?
食事や服を自前で作るために、
ふだんはけっこう忙しいかな?
いや、それより、その無人島に
私はいつまでいるんだろう?
ずっと?または1ヶ月限定?
この際、ずっとと仮定しましょうか。
そうなるとセレクトはかなり
具体的に決めやすいでしょう。
何回も読んでも飽きない、
また何回も読みたくなるような
本がいいですね。
となると、短編集かな。
あるいはちょっと短めの長編?
『スプートニクの恋人』?
『国境の南、太陽の西』?
エッセイは意外と繰り返し読むと
だんだん飽きてしまうから
無しかなあ。
『ねじまき鳥クロニクル』や
『世界の終わりと
ハードボイルドワンダーランド』
『海辺のカフカ』などの、
パラレルに構成された大長編作品は
無人島の日差しの下で読むには、
ちょっとデリケート過ぎるような。
強いて言えば、個人的には
『ねじまき鳥』はいいなあ。
でも、色んな別々のブロックを
組み合わせて作った、
初期の2冊も、無人島にピッタリかも?
『風の歌を聴け』
『1973年のピンボール』。
あれは、村上春樹が影響を受けた
カートヴォネガットがよく用いた技です。
村上春樹自身はこの2冊は
物語的にまだ未熟だったからと
評価はやや低めだし、
それを信じるハルキストも
この2冊はあまりカウントしない
でしょうけれど、
村上春樹の真骨頂はこの2冊にあると
私は未だに思っています。
18才で初めて読んだ時は
本当にびっくりしました。
これまでの日本文学とは
全然違ってましたから。
確かに、パラグラフというか
ブロックの集合体として書いてある。
逆に言えば、どこを開いて読んでも
楽しく読めちゃうんです。
無人島には
『スプートニクの恋人』
『国境の南、太陽の西』から1冊と、
初期2作
『風の歌を聴け』
『1973年のピンボール』から1冊、
というセレクトになりそうです。
『中国行きのスロウボート』みたいな
個性的な短編集や
インタビュー集『アンダーグラウンド』
それから、若い頃に書いたエッセイ
『村上朝日堂』シリーズも
悪くないんだけどなあ。
いや、優柔不断はだめ!(笑)。
やっぱり『スプートニクの恋人』と
『風の歌を聴け』にします。
はい、すいません。