【朝ドラと原爆】『虎に翼』モデル三淵嘉子さんは原爆裁判を起こした勇者
79年前の今日8月6日、
朝、8時15分、
広島に原子爆弾が落とされた。
原子爆弾は
コードネーム「リトルボーイ」と
名付けられていた。
少年?子供?そんな意味らしい。
実際の最終開発者は、
オッペンハイマーの教え子だった。
こんな有り得ない出来事が、
アメリカの軍隊トップと
大統領府ホワイトハウスで
淡々と書類手続きが何度も交され、
判子を推されながら、
ごくごく自然な流れのなかで、
アメリカは原子爆弾を
日本に落とす決断をしていった。
日本軍が、
中国や朝鮮、台湾、東南アジア、
サハリンや太平洋諸国の人々を
殺戮していった過程は、
あまりにその場その場の
場当たり感覚によっていたのとは
180度違うけれど、
アメリカ式がいいか、
日本式がいいか、という問いは
愚問でしかないでしょう。
ただ、
日本は79年前の今日、
原子爆弾を落とされた事実は
永劫、忘れない。忘れるはずがない。
なかったことにはしない。できない。
同様に、
日本人によって
占領され、苦しめられ、殺された
アジアの人々も、
永劫にわたり、
なかったことにはしてくれない。
広島では
今も被爆二世三世の人々が
苦しんでいる、という。
原爆投下は、
まだ完全に「過去」として
終わってはいないんですね。
ちなみに、
この加害者と被害者の構図から
はみ出してしまう
人々がたくさんいることも
忘れてはならないでしょう。
日本本土の安全確保のため、
切り捨てられた沖縄の人々。
日本軍という肩書で
戦うことを余儀なくされた
朝鮮の人々。
アメリカ軍として戦うことを
余儀なくされた日系アメリカ人。
つねに、複雑な現実の前では
加害者とも被害者ともつかず
苦しんだ人々がいて、
彼らは戦争による賠償対象から
いつも漏れてしまってきた。
そうした意味では、
79年前の今日、広島で被爆した
朝鮮人や中国人は
いまだに被爆者として
賠償されていないらしい。
というか、
アメリカは、なぜ、
この原爆投下という大虐殺を
今もまだ、日本や国際社会から
許されているのだろうか?
そんな大問題に立ち向かったのが、
いま朝ドラ『虎に翼』で注目されている
女性弁護士、三淵嘉子さんなんですね。
毅然とした態度で誰よりも早く、
原爆投下は国際法上
明らかに犯罪であるとして
日本政府を訴えた裁判の裁判官でした。
なぜ、日本政府に訴えるの?という
不思議さはさておき、
その際の結果はどうだったのか?
どうも、国には責任はない、と、
うやむやにされたようです。
この原爆裁判は、
日本政府と弁護士団との争いだし、
朝ドラの中では、
扱いづらいデリケートな要素だから、
ドラマで触れるのは難しいでしょうね。
もし描かれたら、
朝ドラのスタッフ万歳!と
声にでそうです。
今日はせめて、
広島に向かって黙祷を捧げ、
9日には、長崎に向かって
黙祷を捧げたいと思います。