【作家】男性作家はなぜ女子が描けないと言われるのか?
「村上春樹は女性が描けない」
「松本清張は女を書くのが苦手だ」
小説読みの間でしばしば話題になる話。
たしかに、村上春樹の作品では
主人公男子が好きになる女子は、
どの作品でも似通ってる…と
よく批評されてきました。
男性作家として
女性を深くは理解しておらず、
「あんな女子はいないよ」と
女性の小説読みは手厳しく言う。
宮本輝も、ヒロインは
毎回、なんだか似ている作家だ。
心根は優しいが、非常に勝ち気で
波乱を厭わないタイプの女性が
よくヒロインになる。
夏目漱石や松本清張でも、
ヒロインは確実に、
パターン化したキャラクターで
登場するよう。
男性作家にとって
惚れこんでしまう女性、
愛情を捧げたい女性というのは
一定のパターンが出てしまう。
それを手厳しく批評するのは、
違うのではないか?と
なんとなく感じてきました。
そもそも、人物を書き分ける
引き出しの数は多くても、
ヒロイン像となると話は別!
1~2パターンになるのではないか?
女性作家はどうでしょう。
江國香織、角田光代、川上弘美、
みなさん、主人公の女子が
好きになる理想の男子はみな、
独自のキャラクターがある
ように思われる。
この作家はこんなタイプの男子が
好きだな(笑)クスっとなる。
男子を色々書き分ける技術はあっても、
ヒロインが恋する男子となると、
ついクセが出て、毎回似たキャラに
なってしまうんでしょう。
でも、理想の恋人、理想の片思い人が
似たパターンになるのは、
そんな悪いこととは思えない。
私が宮本輝を読みたいと思う時は、
宮本輝の筆致による
あの凛とした女性に出会いたいから。
村上春樹は女性を書けない、
アンチ村上春樹は、そう言って
小バカにするけれど、
それはその女性像が好きになれない、
ただそれだけ…な気がする。
さまざまなタイプの
理想の恋人や片思い相手を
書けたとしても、
それが魅力的であるか?が
きっと大きな問題でして…。