【言葉の心得】言葉を紡ぐ人必須のモットーは?
《ある作家の座右の銘》
「むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをゆかいに、
ゆかいなことをまじめに」
偉大な作家、というと
「偉大な」はちがうな、と
訂正されそうな、ユーモア作家
井上ひさしさんが大事にしたモットー。
人形劇『ひょっこりひょうたん島』や
東北の一部がある日、日本から
独立宣言をする風刺SF小説
『吉里吉里人』など、
いつも読者に深い印象を残し続けた
井上ひさしさん。
たしかに、むずかしい話をゆかいに
やさしく書き続けた人でしたが、
このモットーを守り抜いた稀有な人。
ああ、また「稀有な」とか言うと
小難しい単語は使わないで、と
指摘されそうです(笑)。
書く時は、人間はつい背伸びして
しまいたくなる厄介な病気を抱えてる。
井上ひさしの本を開いてみて下さい。
漢字の量は程ほどに抑えていますし、
漢字熟語の量はあまり多くない。
だから、開いて見ると、
ページは黒っぽくないんです。
美意識の高い人だったんでしょう。
それから、カタカナ外来語は
可能な範囲でしか使わないでいました。
それもまた自分に課していたのでしょう。
やさしく、ふかく、ゆかいに、まじめに。
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