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ある日の夜ふかし
「誠に申し訳ありませんが、本日スパムは売り切れでして、在庫もございません。」と、いろんな棚を探してくれた優しい店員さんがぺこりと頭を下げた。
「いえいえ、ご丁寧に探してくださり、ありがとうございます。」とお礼をした。
別の材料でいくか?でも、味が物足りなくなりそう。5分くらい迷った後、
夕暮れ時にスパムを探しに自転車を走らせた。
買い物しながらラインしていた仲良しの女友達に、「今日、スパム太巻き作る予定が、スパムが売ってなくて、チャリでもう一軒スーパー行ってくる。」と、ラインすると、
「スパムを求めて、チャリンコをこぐ、じゅんみは♡キュンキュンする~」と、お返事が来た。
思わずスーパーの自転車置き場でクククッと笑ってしまい、「キュンキュン」?カワイイじゃないか!付き合い始めの二人なの?と、笑いながらドキドキした。(もう一度書くが、相手は女友達である。)
「あ、惚れた?(笑)」と返信し、
いい気になって私は次のスーパーまで自転車を立ちこぎで、ぐんぐん走らせる。無事、スパムを見つけて購入し、帰宅すると、お返事のラインが来ている。
「以前から♡」ワォ!
「わたしもだよ♡」と返信。
そんな大好きでカワイイ女友達との、バカップルみたいなやり取りにニヤニヤと幸せを感じていたが、外はもう真っ暗だ。早く料理に取り掛からねば!
(女友達は、「チビで童顔だったんだよね」に出てくる、ウッカリ酔った私に、ほっぺたにチューされる女のコだ。コロナの影響で最近はチューも自粛中。)
チビで童顔だったんだよね|じゅんみは #note #自己紹介 https://note.com/junmihappy/n/nefc96beda317
重い荷物をカゴいっぱいに入れ、坂の多い土地なのに、いい気になって立ちこぎなんかしたから、内ももと、ふくらはぎがパンパンだ。
がんばれ私!と自分にエールを送りながら猛スピードで料理する。
下ごしらえが終わった頃に、ヘロヘロに疲れた顔の息子が仕事から帰宅した。
「おかえりー。太巻き用の巻き簾が見つからなくてさ、これで巻くことにした!」
ドヤ顔で私が手に持っていたのは、ざる蕎麦の、おそばと皿の間にある丸い形の巻き簾である。
息子は、フッと力なく笑い、
「ファミマ行ってファミチキ買って来るわ。」
と言って自分の部屋へ消えた。(着替えに。)
は?今さ、太巻き作ってるって言ったじゃん?なぜファミチキ??
どうやら、お腹が空き過ぎていて、太巻きよりもっとガツン!とした肉々しいものが食べたかったらしい。
私のスパム太巻きはファミチキに負けた…。チャリを飛ばしてスーパー巡りしたのに…。
(いや、私もファミチキ大好きです。ファミマさん、いつもお世話になってます。なんなら私の分も買ってきて欲しい。)
ちょっと悔しいから、太巻き用に表面をソテーしておいた、焼き立てホヤホヤのスパムを一口サイズに切り、爪楊枝に刺して息子に渡した。
「あ、美味しい。」
「スパムの残りをぶ厚く切って、にんにくソテーにしてあげるよ。」と言うと、「じゃあファミチキいいや。」と、なんとかスパム太巻きは勝利した。
ざる蕎麦用の丸い巻き簾を使って、太巻きを集中して真剣に巻き始める。4種類。太巻きだといろんな味を楽しめないかも?と思い、中巻きくらいの太さに巻いていた。
3種類目を巻き終わり、ふと後ろを振り返ると、疲れ切っているはずなのに、置きっぱなしにしていた洗濯物を畳んでいる息子の背中が見えた。横には、キレイに畳まれた洗濯物達が積み上げられている。
マジか、優しすぎるじゃないか…。
「あれ?洗濯物畳んでくれてるの?ありがとうね!」と言うと、
「ありがとう。(ご飯作ってくれて、だと思われる。)」
と、ニッコリする息子。
お母ちゃん泣くじゃん。
(息子は私のnoteを読んだことがない。アドバイスはしてくれるけど。 「じゅんみはさんが、いつかおばあちゃんになって亡くなった後に、こんなこと考えてたんだーって読むよ。」と頑なに読まない。
だから私はチョイチョイ勝手に息子をnoteに登場させている。「お母ちゃんの味」で反抗期のことを赤裸々に書いてホントごめん。と心の中で謝る。)
お母ちゃんの味|じゅんみは #note #おいしいはたのしい https://note.com/junmihappy/n/n280a85ed7954
そして、中巻きに、スパムソテーと、サラダとお味噌汁も仕上げる。
(4種類の中巻き。
①スパムとスライスチーズとたくあん
②だし巻き卵とキュウリとカニカマ
③にんじんと塩こん部長
④大根と梅にんにく漬け)
(厚切りスパムのにんにくソテー、粒コショウ添え)
ウイスキーのゆずレモンサイダー割りとともに食べる。
珍しくお酒の弱い息子も一緒に飲み、一杯で酔っ払った様子で「もう寝るわ。」と、あっという間に熟睡していた。
私はその後ものんびりしていると、夜中1時頃に息子が眉間にシワを寄せてフラフラと起きてきた。
「無償にアクエリ飲みたい…。」
そんな寝ぼけた感じだと危ないから、というか、洗濯物畳んでくれたお礼に、
「買ってきてあげるよ!」と、また自転車を走らせる。
息子にアクエリとチョコモナカジャンボ、自分にスーパーカップのアイスを買い、帰宅する。
「わー!凄いね!ありがとう。」
少しして、息子が「前に話した、面白いYou Tube観ようよ。」と、スマホを持ってきた。
「むかない安藤」というYou Tubeを二人で観て、ゲラゲラ涙が出るほど笑った。
そして、私は夜中の3時までマッタリと夜ふかししていた。
翌朝、目覚めると12時だった。
「もう、お昼じゃん!!」慌てて家事を済ませてから、お天気が良いので昼風呂に入った。
「♪なんでもないや♪」をルンルン歌いながら湯船に浸かり、
「楽しい夜ふかしの後の、休日の昼風呂は幸せだねぇ。」と私はまた鼻歌を歌った。
・・・・・
始めの絵は、お月様に寝そべって、夜ふかしをしている自分を想像して、絵描きました。
・・・・・
読み返したら、「夜ふかしの話というより、太巻きの話じゃん…。それに、太巻きじゃなくて中巻きじゃん…。」と思った。
なぜ、そこまで太巻きにこだわったの?という理由は、
息子がある所から、美味しそうな焼海苔を持って帰ってきて、「この焼海苔、早く食べたいからよろしく!」と、仕事に出掛けたからでした。
スパムは単純に私が好きだからです。
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