2,400円で古代エジプトを体感できる@KADOKAWA武蔵野ミュージアム
埼玉県東所沢にあるKADOKAWA武蔵野ミュージアムへ大人の遠足
2023年11月20日までの企画展が素晴らしかったので
備忘のために記したい。
漫画ツタンカーメンの内容がそのまま実写化されていた
友人から借りたツタンカーメンの漫画がとても読み応えあり。英国の考古学者ハワード・カーターが資金提供者カーナボン卿の支援を得たのち、ツタンカーメンの墓を発見するまでの苦悩と感動が丁寧に描かれている。
この漫画の内容がそのまま今回の企画展へ反映されていた
これからツタンカーメン展へ出向く方へ是非おすすめしたい漫画だ。
愛する人を諦めて生涯を考古学に捧げるハワード・カーターの執念
考古学者は気が長くないと務まらないのだなと漫画を読んで痛感した
パトロンが見つからなければ発掘はおろか生活もままならない
ハワードは支援者であるカーナボン卿の令嬢イーブリンに淡い恋心を持つ。そしてイーブリンもどうやら同じ気持ちを抱いていた模様。
いわゆる両思い
ただ、当時は身分の差を越えられずに2人は生涯の友人となる。イーブリンはカーナボン卿(父はツタンカーメンの墓発見後間も無く急死。兄へ引き継ぐ)へハワードの資金援助を継続してくれるよう願い出る
私は婚約者の貴族と結婚しますから
(ハワードの事を諦める代わりに)
ハワードが発掘を続けられるよう援助してください。
イーブリンの深い愛
ハワードは自身への援助と引き換えにイーブリンが貴族と結婚したことを知らない。
お互い愛し合っていても
一緒にはいられない
そのかわり、夢を叶えて欲しい
まだ見ぬツタンカーメンの墓
どうか発見して欲しい
ハワードとイーブリンの愛は
形を変えて実を結んだ
この背景を知っていると、ツタンカーメンの墓および副葬品の数々を目にした時の心持ちが異なる。
Netflixオリジナル「Unknown」シリーズで発掘を続ける考古学者達の挑戦を知ることができる。その中で少しだけハワード・カーターについて触れるシーンがあった。
運が良かったんじゃない、確信があったんだ
という言葉が心に響く
何かを成し遂げるには諦めずにコツコツ努力を続けることが大切だ
並々ならぬ継続力の先に見える「幸運」は自身が引き寄せた賜物
ハワード・カーターは良い意味で型破りの考古学者であり強い信念を持ち合わせていたからこそ、世紀の大発見を叶えた
1923年2月16日ついに王の墓が発見され、大量の遺物とミイラが出土する。考古学史上無比の財宝は「盗掘されていない無傷の墓」と共に白日のもとにさらされる。
ツタンカーメンの青春
それはそれは
眩いほどの豪華な副葬品の品々がありました
これらが3D計測や3Dプリンターをもとにしたものではなく、入手可能な実測データをもとにした人の手による再現であり、その完成度の高さから
「スーパークローン」
「再現秘宝」
と呼ばれている。
本当に3,000年前の代物.?..なんという復元技術!あまりにも精巧にできたクローンを「レプリカ(複製品)」という敢えて軽めの言葉を使って監修している今企画。古代王家の職人達への敬意のあらわれに感嘆するばかり。
それでは以下、ネタバレ写真が続きます。
レプリカ改め「スーパークローン」に圧倒され、何度も何度もぐるぐる周辺をうろついてしまった。会場に流れる音楽、30分置きに流れるエジプトの映像が古代へタイムスリップしたような昂揚感を増していく。
聞きなれないワードもあり・・
「仏壇」は馴染みがある言葉だが、「厨子(ずし)」は聞きなれなかった。
仏像や舎利、絵巻等大切な品を安置するための扉付きの棚(箱)。
今回のエジプト展ではツタンカーメンの墓を安置するための「厨子」と王のミイラをつくるため心臓以外の内臓を保管する「カノプス厨子」「アヌビス神の厨子」が見学可能。
(心臓は魂が宿る臓器とされている)
その他、小型ライトが展示コーナー横に置かれている。
ヒエログリフの解説書を敢えて?暗がりの中、小型ライトを照らしながら読ませる演出がエンタメ感を煽ってくる。(老眼には難易度高め)
レプリカだからこそ至近距離で堪能する宝物、映像美と音楽含めて演出が素晴らしい
中央展示の大空間で展開されるプロジェクションマッピングは
30分毎に上映される
所々に休憩できる長いスツールが設置されているが、おすすめは中央正面スクリーン前のスツール
ちょうどスピーカーの前に位置しているため、映像から流れるナレーションが聞き取りやすい!
総合演出に魅せられて一気に古代へタイムスリップできる企画展。
企画展のみなら
大人2,400円
1dayパス3,000円(平日)or 3,400円(休日)
で楽しめる。
2,400円で古代エジプト体験ができるなら大分お値打ちだ。
古代エジプトから現代へ 躍動する本棚劇場
高くそびえる違い棚
YOASOBIの「夜に駆ける」のパフォーマンスで有名になった本棚劇場
思ったよりも広さはなかったけれど高さがあった
20分置きにプロジェクションマッピングが流れる
どうやらこの日は高倉健主演の映画が流れていた
(決め台詞を聞いてもちょっとピンと来ない...)
最後に映し出されたメッセージ
観てから読むか
読んでから観るか
原作を読んでから映画鑑賞
映画を観てから原作に触れる
どちらからでもエンタメ
洒落たメッセージにキュンとした
その他にも2023年セレクションの本が所狭しと並んでいて、もう時間が足りない!
その他、NHK朝ドラ「らんまん」に因み牧野富太郎の図鑑なども展示されていた。
また訪れたいKADOKAWAミュージアム
今回はツタンカーメンの青春とエジプト企画展をガッツリ楽しみ、1日たっぷり東所沢で大人の遠足を満喫できた
帰り道、狭山の茶畑を通りながら
となりのトトロを思い出す
また近いうちに訪れたくなる
ミュージアムに間違いなし!
Junko Summer