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ぷち連載小説

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続き物の、小さな物語。
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記事一覧

プチ連載小説「こどもの家」最終章

「サヨナラこどもの家」  私がこどもの家に来て、どのくらい経ったのか、ずっとそこに居たの…

矢野絢子
2年前
7

プチ連載小説「こどもの家」第4章

「トシくんのこと」  生意気で元気なジジやマコと違って、一番上のトシくんは気が弱くて優し…

矢野絢子
2年前
6

プチ連載小説「こどもの家」第3章

「マコのこと」  マコは私のひとつ年下です。背がとっても大きくて、ジジとしょっちゅう背比…

矢野絢子
2年前
7

プチ連載小説「こどもの家」第2章

「ジジのこと」  私よりもひとつ年上で、背もうんと高いのに、ジジは時々小さな子供にしか見…

矢野絢子
2年前
7

プチ連載小説「こどもの家」第1章

「大きな河のほとりの、ちいさな家で」  目が覚めると、もうお昼をまわっていました。部屋は…

矢野絢子
2年前
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プチ連載小説「カニが浮く」最終回

 目が覚めたので、僕は夢というものを見ていたことに気がついた。もう夕方近くになっていた。…

矢野絢子
2年前
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プチ連載小説「カニが浮く」第5章

「明日はホリデイ」 「どんな気持ちの時もピアノはツンときれいな音を出すんだ。特に雨の日は」  彼女はピアノを軽く弾いていた。きっと雨を想っているんだろうな。僕は窓から外をながめる。今日は晴天だ。  彼女は冷蔵庫から氷を出してゴリゴリ食べはじめた。僕の水槽にもでっかいやつをひとつ入れた。水槽の水がじわじわひんやりしてゆく。僕はつめたい水の中をつるつる泳ぐ。なかなか気持ち良い。  ふっと視線に気がつき、岩陰にかくれると、彼女がこの間僕ごと落としてできた水槽のヒビの所をなで

プチ連載小説「カニが浮く」第4章

「ツグナイ」  何日か前、大地震がおきて、僕はまた冬眠を中断されることになった。  けれ…

矢野絢子
2年前
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プチ連載小説「カニが浮く」第3章

「変化するものとしないもの」  部屋の中には嵐がいた。  一見なにもかもめちゃくちゃにな…

矢野絢子
2年前
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プチ連載小説「カニが浮く」第2章

「月に一度の嵐の日」  とても大きな音がして目が覚める。僕は今、冬眠中のはずだけど彼女が…

矢野絢子
2年前
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プチ連載小説「カニが浮く」第1章

「僕と彼女の愛について」 僕は彼女のことを愛してはいなかったけれど、彼女に選ばれてしまっ…

矢野絢子
2年前
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