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読書記録~50代からの「教養」格差~
地元で姉のように慕っている倫子さんが、
「これ、旬子さんのことみたいなの。旬子さんはこれを読んでいろんなことしているんじゃないかと思っちゃうくらい」
といいながら見せてくれた本は、
「50代からの「教養」格差」 齋藤孝著
パラパラとページをめくると、「古典を読む」ことの意義や、「論語」「旧約聖書」「新約聖書」「ブッダのことば」を読むことが勧められています。
お~!今やっていることとの共通点がありすぎる本。齋藤孝さんの名はもちろん知っていますが、本をじっくり読んだことはありませんでした。
この本の中で推奨されていることがあまりにも今していることに近いので、わたしも衝動的に本を購入し、昨日今日で一読しました。
カバーにはタイトルの他に
「学び直し」で人生の景色が一変する。
ぼんやりと年を重ねるか、知的で豊かな人生を送るか。
教養とは、単なる知識のことではなく、豊かな人生を送るための「精神の支柱」となるもの
と書かれていました。
この本は「50代からの」という枕詞がついている通り、年齢を意識した構成になっています。
50代はシニアの助走期間。時間が出来てくる60代以降を学び直しで埋めていける準備をする。
教養はひけらかすためのものではなく、人生を豊かに送るためのもの。
齋藤氏は教養とは何かということや、学び直しのアプローチなどをわかりやすく書いています。
世界に名を知られたような人の作品を鑑賞したり読むことは「巨人の肩に乗る」こと。その人の視点で世界を見ることになる。ゴッホの絵にはゴッホの視点が生きていて、ニーチェの著作にはニーチェの思想が書いてある。すなわちその人の視点を共有すること。
カフェを読書室にする、Youtubeを利用する。等々堅苦しくない教養の得方を紹介しています。
齋藤氏自身が長年本を読み続け、膨大な知識を持ち自己を様々な機会に浸していて説得力があり、彼が提案することは実践に基づいている上に気軽に取り組めるように思えます。
自分が興味あることをどのように深めていくかということが色々と書かれて言いますが、学び直しの一提案として読書があり、お勧めの書籍が35冊紹介されています。
まず齋藤氏は古典を読むことを推奨しています。
「教養を身につけるには、何より古典を軸にした学び直しをおすすめします。」
おお!日本語音読指導者としては注目の箇所。
そして、巻末の35冊。
古事記から始まる古典の数々。古典音読テキストの内容と多く重なります。
それから、思想・哲学・宗教の書として、「論語」「老子」「ブッダのことば」「旧約聖書」「新約聖書」「コーラン」「ソクラテスの弁明」などをあげ、世界の各地の思想や文化を理解するとしています。これはまさにわたしが新指導者養成講座で学んでいることです。
齋藤氏は音読も提唱している人、わたしは松永暢史先生に師事し音読を学び指導者として活動しています。今回齋藤氏の本を初めてじっくり読んでみて、両氏の似ているところ、異なるところを感じ取りました。同じ方向だけどディティールが違う。なるほど~と納得しました。
姉のような倫子さんが「買って渡そうかと思った」と言った本、読んでみてあまりの共通点に驚くと同時に、教養たるは何ぞやと自分に問いかけ確認する作業ができた気がします。いろんなヒントが入った本。
しばらく傍らに置いてエッセンスをたくさん取り込み、アウトプットしていこうと思います。
よかった、ありがとう。