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ヨーロッパビジネスにおける法と実務

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アメリカにおける政治的先行き不透明感などから再び欧州におけるビジネスの重要性が高まっているなか、日欧EPAの大枠合意もなされたことに、今後一層、欧州とのビジネスが加速していくもの…
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GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務【第6回】日本企業からもっとも多い質問-名刺交換から取得したパーソナルデータの実務的対応

「GDPRの波に乗り遅れた」方に向けてはじめたGDPRビギナーも、今回で最終回となりました。 現在、ニューヨークにいるため日本の報道状況を詳細に把握していませんが、おそらく日本の新聞やニュースなどで「GDPR」という言葉が多く取り上げられているのではないでしょうか。 そして、これをみた企業の役員らの話題に「GDPR」という言葉がでてきたために、キャッチアップを余儀なくされた方も少なくないのではないでしょうか。 そんなことを想いながら、GDPRビギナーは、突然、担当役員か

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GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務【第5回】DPOの選任-ドイツの特殊性も踏まえて

残り2回となったGDPRビギナー、第5回の今回は「DPOの選任」について解説します。 DPOの選任については、GDPRが定めた基準に加えて、ドイツではさらに上乗せで規定を定めています。 こうしたドイツの特殊性も含めて解説していきますので、特にドイツに駐在事務所、現地法人などの「拠点」がある日本企業の方はぜひお読み頂ければと思います。 それでは、第5回をはじめていきましょう。 *************GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務*******

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GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務【第4回】戦略的なGDPR対応とは

前回は、データマッピングを効果的に行う方法についてお話しました。 データマッピングを踏まえて、次に行うべきは具体的なGDPR対応です。 個人的な印象としては、まだ施行されて間もないGDPRについては、ある程度やるべきことは決まっているものの細かいところでは、まだまだ確固たるプラクティスが確立しているわけではないため、どの法律事務所も細部では手探りでプラクティスをしているように思っています。 そのようななかで、どのようにGDPR対応を戦略的に行っていくべきなのか、第4回は

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GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務【第3回】効果的なデータマッピングをするために

前回は、自社にGDPRの適用があるか否かをフローチャートを使って検討して頂きました。 その上で、GDPR対応をしなければならない企業が最初に取組むのが「データマッピング」です。 第3回の今回は、「効果的なデータマッピングをするために」をテーマに、そもそも「データマッピング」とは何かから、必要な事前準備、データマッピングに必要な期間、(ヨーロッパでの研修の経験を踏まえた実務的な)データマッピングの費用を過大にかけないためのポイントについて解説したいと思います。 それでは、

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GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務【第2回】我が社に適用があるか否かのGDPR対応チェックシート

GDPRビギナー第2回の今回は、「我が社はGDPR対応をしなければならないのか」ということについてチェックシートを使いながら確認してみたいと思います。 それでは、早速はじめていきましょう。 *************GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務**************** 第1回 GDPRの全体像(GDPR概要、BREXITとの関係、現実リスクの有無) 第2回 我が社に適用があるか否かのGDPR対応チェックシート 第3回 効果的なデータ

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GDPRビギナー / 短時間で学ぶGDPRの基礎と実務【第1回】GDPRの全体像(GDPR概要、BREXITとの関係、現実リスクの有無)

2018年5月25日から、欧州において新たな個人情報保護に関する規則であるGDPRが施行されました。 5月25日の施行に先立って、駆け込みでご依頼を頂くことも多いのですが、一方で、メディアでも大きく取り上げられているものの、そもそもGDPRとは一体何なのか、我が社はGDPRに対応しなければならないのか、といった基礎的なところからよくわからないという方も少なくないと思います。 そういった基礎的なところについては、いまさら聞けない感がありますので、弁護士に相談する前段階で理解

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知財案件も条約案件も憲法問題として争われるドイツ-ドイツ連邦憲法裁判所の実務

日本では、憲法訴訟だけを扱う憲法裁判所というものは存在しません。 他方、ドイツには憲法訴訟だけを取り扱う連邦憲法裁判所(Bundesverfassungsgericht;BverfG)が設置されています。 今回は、この連邦憲法裁判所を訪れ(ドイツでは首都ベルリンに連邦憲法裁判所も最高裁もないのです)、日本では考えられない口頭審理の手続きを傍聴した内容を実際の写真を掲載しながら、ご紹介したいと思います。

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GRUR meets Brussels Workshop 2017からみる欧州著作権の最新動向

今年6月にブリュッセルで開催された欧州著作権シンポジウム。 今回のテーマは、①著作権指令案、②ハイパーリンキング及びホスティングプラットフォーマーに関するCJEU判決、③著作権契約法、④テキスト・データマイニングと多岐にわたっていましたが、どの論点も欧州の第一人者が最新の情報を提供してくださり、非常に内容の濃いシンポジウムでした。 特に、開催地ブリュッセルは、欧州委員会、欧州議会などEUの関係機関が集中しているため、発表者、参加者にはEU関係機関の人が多く、著作権指令案の

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ドイツ連邦特許裁判所-最新の設備と100名以上の知財専門裁判官集団がいる裁判所

昨年、Max Planck Instituteの同僚客員研究員に誘って頂き、ドイツ連邦特許裁判所(Bundespatentgericht)を訪問してきた。 ドイツ連邦特許裁判所は、主に特許の有効性を判断する裁判所で、日本では、当然無効の抗弁があるため、侵害訴訟の中でも特許の有効性について争いことができるが、ドイツでは侵害訴訟と有効性を争う訴訟は完全に分離されている。 このドイツ連邦特許裁判所は、ミュンヘン中心部から電車(S-Bahn)で15分程度のミュンヘン郊外にある。

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欧州著作権セミナー/The Present and Future of EU and UK Copyright@London

これからベルギー・ブリュッセルで開催されるシンポジウムに参加してくるのだが、それに先立ち、今年の1月、まだ寒いロンドンに行って参加した欧州著作権セミナー/The Present and Future of EU and UK Copyrightについてご紹介したい。

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ALAI 2017 Congress(国際著作権法学会) Copyright-to be or not to be@Copenhagen

5月18日から20日まで、デンマーク・コペンハーゲンで開催されたALAI congress(国際著作権法学会)に参加してきた。 この会議への出席は、日本での京都開催を含めて昨年のローマ、そして今回と3回目になる。 今回は、著作権の正当化根拠や経済学的側面からの著作権の検討、そして北欧開催ということもあり拡大集中許諾制度に関する議論がなされ、内容は多岐に渡った。 いくつかの発表には示唆的なコメントもあり、得るものもあった。 とりわけ、最近のCJEU判決は、予見可能性が乏

ミュンヘン大学EU著作権法シンポジウム-Online Platforms and Intermediaries in Copyright Law

3月27日、28日の2日間にわたって開催されたミュンヘン大学主催のEU著作権法シンポジウム。 私が所属するマックスプランク研究所からも徒歩の距離で開催されたこのシンポジウムは、非常に豪華な内容であった。 シンポジウム1日目

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【ドイツ知財実務】ミュンヘン地方裁判所・簡易裁判所②-知財訴訟手続きの流れと実務

ミュンヘン地裁では著作権や特許権などの知的財産関連事件の件数がそれなりの数存在している。 これはドイツの裁判所が管轄として人気があるということの証左でもある。では、なぜ、こんなにも知的財産関連事件が多いのか聞くと、秘密は判決までのスピードと書面の少なさにあった。 多くの企業が欧州に進出し、欧州企業から知的財産関連の事件で提訴されることが珍しくなくなった現在において、その裁判地はミュンヘンになることが多い。 今回は、その秘密と運用について、実際にミュンヘン地裁の知的財産関

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【ドイツ知財実務】ミュンヘン地方裁判所・簡易裁判所①-ミュンヘンの法廷から

ミュンヘンは、ドイツ国内でも知財関連訴訟が多い都市である。 これは、特許に関しては、ドイツ連邦特許裁判所(Bundespatentgericht)や欧州特許庁(European Patent Office:EPO)があることで知られているし、著作権に関しても、GEMAや多くの出版社、レコード会社の所在地となっているためである。 また、日系企業の多くはミュンヘン(またはデュッセルドルフ)に支店や事業所を有していることから、ドイツ・ミュンヘンでの裁判に巻き込まれるといったこと

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