これまでの仕事の話④雑貨屋
私は雑貨が大好きで、雑貨屋に行くとワクワクして元気になれる。
雑貨屋は、自分にとってのパワースポットだと思っていた。
これまで雑貨屋だけで、3ヶ所働いたことがある。
今回は、一番長く続いた雑貨屋での仕事を振り返ってみようと思う。
雑貨屋の仕事内容
雑貨屋の仕事内容は、レジ・接客・荷出し・売り場作り・店内清掃などである。
私が働いていた雑貨屋は、絵画から服、ガーデニング用品など多岐にわたる商品を取り扱っていた。
なかでも珍しかったのが、ポストとバスタブ!
どちらもオシャレな外国の家に置いてあるようなものである。
雑貨屋は人数が少なかったので、午前中と18時以降は一人で店番をしていた。
そんなときに売れたら梱包や紐かけが大変なので、売れたらどうしようと内心ヒヤヒヤしていた。(売れることはなかった)
絵画なども天井近くの高いところに飾ってあるので、大きい脚立を使って取らないといけない。
重さもあるし、高所恐怖症の私は不安しかなかった記憶がある。
森ガール全盛期
雑貨屋はナチュラルな雰囲気で、淡い色を基調にしたお店だった。
ちょうど森ガールの服装が流行っていた頃で、雑貨屋でも取り扱っていたので、自ら服を着て販売することになる。
ちなみに森ガールとは、ゆるふわナチュラルカラーでまとめた格好が多く、私はよくペチパンツを履いていた。
ワンピースにペチパンツを合わせる。
当時、甥っ子から「いつも同じ格好してるな」と言われていた…。
たしかにペチパンツを履くだけで、どれも似たような格好に見えてしまう。
ここで初めて服を販売するのだが、私はセールストークが下手で服の販売は向いていないことがわかる。
お決まりの「よくお似合いですよ~」も、何度言っても嘘っぽく感じた。
どういう言葉をかければ、服が売れるのかもわからない。
お客さんもそれを感じとっていたのか、服の売れ行きはイマイチだった。
難関のラッピング
雑貨屋といえば、かわいいラッピング。
私は不器用で、ラッピングが苦手だった。
特に、箱を使っての斜め包装。
ずっと見られていると焦ってしまい、よけいに上手くできない。
初めの頃は「気に入らない」と、目の前でお客さんにやり直されたこともある。
なんとか克服したい!
包装紙をもらい、家でティッシュボックスの箱を使って何度も練習した。
その甲斐あって、人並みにはできるようになった。
センスが出るディスプレイ
売り場は特に担当を振り分けられることもなく、気づいた人が売り場を新しく作り直していた。
目を引くPOPを書いたり、配置や色のバランスを考えてディスプレイする。
ディスプレイが一番センスが出るし難しいが、やりがいがあり楽しかった。
ディスプレイに活かせたらと思い、カラーコーディネーターの資格を取得する。
働きながら資格勉強をするのは大変だったが、いい経験になった。
色の組み合わせはセンスも大きいが、色がもつ効果を知ることで、よりディスプレイが生きてくる。
自己満足にはなるが、ディスプレイにも活かせていたと思う。
泣く泣く閉店
好きな場所で働けることは楽しく、できるならずっと働きたいと思っていた。
しかし、わずか2年半で閉店してしまう。
初めて、働くなかで閉店を経験することになる。
閉店セールが始まり、どんどん商品を売り、どんどん売り場を縮小していく。
その様子が寂しくて辛かった。
閉店作業は、とても大変だった。
本社からも応援が駆けつけ、売れ残った商品を梱包し、台車でトラックまで何往復もする。
荷物が全て運び出された店内はガランとしていて、こんなにも広かったのかと驚いた。
職場の人とはあっさりした別れだった。
そのあと同じ歳の子とは連絡をとっていたが、今では途絶えてしまっている。
今、店がどうなっているのか気になって調べてみると…なんと会社が倒産していた。
コロナをきっかけに、経営が厳しくなってしまったようだ。悲しい…。
私にとって憧れの場所で働けたことは、とてもいい経験と思い出になった。
そして、私は今でも雑貨が好きだ。
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