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これまでの仕事の話⑦和食器店

かわいい食器を見かけると、つい買いたくなってしまう。
今回は、和食器の店で働いていたことを振り返ってみようと思う。

まだ続くのかとうんざりしている方もいるかもしれないが、もう少しだけお付き合いいただきたい。


和食器店の仕事内容

和食器店の仕事内容は、レジ・接客・荷出し・商品の発注・在庫管理・商品整理・店内清掃など。

和食器店では、自分の担当をしっかりもたせてもらえた。
担当をもつのは楽しいし、やりがいにもつながる。
私の担当はお箸。
毎週、在庫管理をして商品の発注を行う。

当時は外国のお客さんが多く、箱入りのセットのお箸がよく売れていた。
プレゼントに購入する方も多く、大量にラッピングをお願いされたこともあった。

ここで、雑貨屋で培ったラッピングの経験が活かせる!
しかし、和食器の店なので包むものは食器。
箱に入っていないものも多く、いびつな形のものを包むことになる。
これがまた難しく、改めてラッピングの練習をした。

荷出しは店内が狭いので、開店前までには済ませないといけない。
大量に入荷したときは、時間との戦いで大変だ。
荷出しのときに、商品が欠けたり割れたりもよくあった。

嫌われている店長

店長は50代くらいの男性だったのだが、クセのある人でみんなから嫌われていた。
面接のときは、とても朗らかでやさしそうな人だと思っていたので、そのギャップに驚く。

お客さんを見ては、「今の人キレイやったな」「いい体してたな~」など言ってくるので引いた。
お客さんをそんな目で見ているとは…。
見ていたとしても、いちいち口に出さないでほしい。

犬が大好きで、店の外で散歩している犬を見かけると、店を飛び出していった。
戻ってきて、手も洗わずに食器を触る…。
その様子にまた引いた。

リーダー(女性)と仲が悪くよく口論になっていたが、私には「喧嘩するほど仲がいい」状態に見えていた。

女神降臨

職場で一際目を引く女性がいた。
スラッとしていて背が高く、品があり、誰にでもやさしく、女優のようにキレイな人。
年齢は50代くらいだったと思うが、年齢不詳に見えた。
仕事中に目が合うと微笑んでくれるので、同性ながらキュンとした。

私のことをかわいがってくれて、休憩時間には差し入れをくれたり家で育てている野菜をくれたりした。
ずっと大阪に住んでいるらしいが、なぜか話し方は標準語だった。
それがまた彼女に合っていて、品のよさを格上げしている。

一緒に仕事している時間も楽しく、この仕事に就いてよかったと思えた。
しかし、私が働き始めて数ヶ月で彼女は辞めてしまう。
人間関係など、思うところがいろいろあったらしい。
どうして、いい人はすぐいなくなってしまうのか…。

一緒に働く最後の日、お別れの挨拶をするときに少し泣いてしまった。

彼女は本当にいい方で、私が辞めるときに駆けつけて贈り物までしてくれた。
私をイメージして選んでくれたという、ウェッジウッドの小花柄のお皿。
(ボウルもあったが割ってしまった…。)

心遣いが本当にうれしかった。

今も大切に使っている

悪くなっていく人間関係

彼女が辞めてから、職場の雰囲気はどんどん悪くなっていく。
彼女が職場の人間関係を良好にしていたといっても過言ではない。
みんな彼女のことが好きだった。

人が次々と辞めていき、新しく4人が入ってきた。
そのうち、3人とトラブルになる。

1人は本人の前で、平気であることないことを言う。
私も、店長にやってもいないことを言われた。
もう1人はサバサバしていて話しやすく、初めはいい人だと思って接していたが、ある日から急に無視されるようになる。

これには理由があり、彼女が私の容姿をバカにしてきたので腹が立ち、少し距離を置いたらこうなってしまった。
明らかに、悪いのは相手だと思うので気にしていない。

そして、もう1人とは仲良くやっていたのだが、店長が変なことを吹きこんだらしく、急に態度が冷たくなった。
店長が人間関係を乱すなんて前代未聞である。
本当のことを確認しようともしない、彼女もどうかと思うが…。

職場には厚い雲がかかったような、どんよりとした空気が漂っていた。

そんななか、店の経営が危うい話を聞く。
このまま働いても明るい未来が見えないと感じたので、仕事を辞めることにした。

___あれから10年ほど経ち、今もこの店はまだある。

一度リーダーと偶然会い話をしたのだが、店長は本社勤務になったそうだ。
今は、リーダーが店長として頑張っているらしい。

女神のような彼女は、今どうしているのだろうか?
振り返って思ったが、新人→女神降臨の流れになっていれば、職場の人間関係は上手くいっていたと思う。
やはり、人生は上手くはいかない。

和食器店で買ったかわいい箸置きたち

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