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これまでの仕事の話⑧眼科

私は眼科で、検査員の仕事をしていたことがある。
働いたなかで唯一の医療分野だ。

今回は、眼科での仕事を振り返ってみようと思う。


眼科の仕事内容

眼科の仕事内容は、視力検査・コンタクトの装着指導・荷出し・店内清掃など。

コンタクトをメインに扱っていて、販売店と眼科にわかれていた。
ここまで言うと、だいたい検討がついてしまうかもしれない。

募集では「検査補助」と書かれていたが、実際は1人でガッツリ検査員だった。
初めに目の構造のテストがあり、合格すると検査員として働く。
目の構造だけの知識で大丈夫なのか?と不安になった。
初めての医療分野、わからないことだらけである。

コンタクト指導

視力検査は簡単なものだったが、コンタクトの指導が私には難しかった。

患者の隣に座り、「頑張って」など声かけしながら見守る。
スムーズにいく人もいれば、3時間以上かかる人もいた…。
とても根気のいる仕事だ。

ただ声かけするだけでなく、どうしても自分でつけられない場合はこちらがつけないといけない。
これがとてもプレッシャーだった。
患者さんに指で押さえて目を開けてもらい、コンタクトをいれる。
怖くて目をつむってしまう人が多く、時間がかかった。

この作業のため、爪は常に短くしておく必要があり、3日に1回は切っていた。
手の平から見て、爪が見えるとアウトだ。
このこともあり、今も爪が伸びると落ち着かず、常に短くしている。

大量の教科書

眼科で働き始めてすぐ、一年に一回大きな試験があることを聞かされる。
受かっても資格がもらえたり、給料が上がることはない。
しかし、受からなければいけないという謎のプレッシャーがあるようで、周りは燃えていた。

10冊以上はあっただろうか?
大量の教科書を渡される。

試験は仕事が終わってからあるらしく、フルタイムで働いた後に試験など、頭が疲れて絶対に受からないと思った。

独特の人間関係

入って初日は皆やさしく、うまくやっていけそうだと思った。
しかし、すぐに態度は変わる。

初めはニコニコして「わからないことあったら何でも聞いてね」と言っていた人から無視されるようになる。
何もしていないのに急にだ。訳がわからなかった。

しばらくすると、別の人が「私も同じようなことあってね」と教えてくれた。
どうやら、仕事ができないとわかると腹が立つらしい。
それだけで無視??
あまりの低レベルさに唖然となった。

初めなんて、誰でも仕事はできないものだろう。

前回の仕事から、急に無視されるということが続いていた。
無視というのは、終わりのない拷問のようなもので、なかなか精神的にくるものがある。
思うことがあるなら、ハッキリ言ってくれたほうがマシだ。

職場の女性は、年長組と年少組にわかれていた。
私はどちらかといえば年長組なのだが、年長組の人に無視されていたので年少組の人とよく話していた。

久しぶりに男性のいる職場で、5歳年下の男性と話が合いよく話していた。
ちなみに、この先は何も起こらない。

仕事が合わない

仕事はとても患者さんと距離が近く、常に緊張感が高かった。
初めての医療分野ということもあり、合わなかったのか入ってすぐ不眠症になってしまう。

何日も眠れない日が続き、病院に行くと自律神経失調症と診断された。

仕事中はずっと手汗が止まらず、急に吐き気がすることもあった。
この頃から、毎日のように頭痛に悩まされることになる。

この仕事は派遣だったので、なんとか3ヶ月は頑張ろうと決めて働くことにした。

もう少し、働きたい

初めは体調不良が辛く、早く辞めたいとばかり思っていた。
しかし、もうすぐで3ヶ月経とうとする頃、新しく入ってきた年上の女性がいた。

彼女はとても明るくてやさしく、笑うのも辛くなっていた私にとって、太陽のように眩しく感じた。
なぜか私のことを気に入ってくれ、よく話すようになっていた。

せっかく気の合う人が入ってきてくれたのに、辞めることになるなんて。
もう少し、ここで働きたい。

しかし、体調不良は続いていたし、今さら「辞めるの撤回します」なんてこともできず、辞めることになる。
仲良くなった彼女とは、1ヶ月ほどしか一緒に働けなかった。

店長は40代くらいの男性だったのだが、とてもいい人で人として好きだった。

体調さえ戻れば、働き続けられるのに。
精神的に弱い自分が嫌になる。

最後の挨拶をするとき、泣きそうになり声が震えた。

ここからしばらく、体調を回復するため休むことになる___。

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