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【本要約】起業は意志が10割

2021/11/5

新しい時代の幕開け

・起業
社会課題を解決する
・目的
起業における「まず、何をすべきなのか」という第一歩を明確にする。

現在は、全世界全世代が同時多発的に進化圧を受ける時代である。

既成の価値観が覆る今こそ、新たな事業の力が必要になる。

事業は顧客がいてこそ成立する。新たなニーズを持った顧客が生まれた今は、新たな事業が求められている時期でもある。商機溢れる時代である。

今の時代の起業は、不の解決競争になる。オリジナルの不を発見し、「自分が絶対にこの課題(不)を解決する」という信念を持つ。

意志によって、業を起こす、起業である。自分の創起した事業が、誰かの生活を一変させるかもしれない。

気づきを素早く行動に移すことによる勝負である。

人は考えたようにはならない、行ったようになる。

・成功:着手しきれたとき、失敗でも十分にやったとき
・失敗:着手しなかったとき、実行を見送り続けたとき

人は変わり続けなければならない存在である。

将来を想像して、将来の見えない姿を信じて、たった一人であったとしても、自分の信念の旗を掲げて動き出す。社会予測ができなくなったからこそ、自らの意志で道を切り拓く姿勢が必要となる。

自分の強みは何か?

自分自身の意志が、すべての起点である。

事業は、最初は1人で始めたとしても、事業が拡大していく中で、仲間が必要になる。他者と協働することで、1人ですべてを担うことから解放され、新たな発想が生まれる。

自分の唯一無二のキャラクターを可視化
・キャラクターのコンセプトを明確にすることは、それ以外を諦めるということだ。
・相手に伝えたい明確なコンセプトを編集していく作業が必要になる。
・履歴書は仕様書のようなモノだから、そこからパンフレットに改編して魅力を伝えていく。

家電でいえば、冷蔵庫を買う時、外部寸法や電源ワット数なども大切だが、それだけで「欲しい」とはならないだろう。
・冷凍庫が大容量で、4人家族の食料もたっぷり保存しておくことができる。
・魚や肉の鮮度をキープしたまま保存できるから、毎日買い物にいかなくていい。
・めちゃくちゃおしゃれな部屋に合う冷蔵庫だ。
そんな魅力的な見せ方があってこそ購買につながる。もちろん、冷蔵庫であれば、それを文字で伝えるのではなく、写真で伝えたほうがわかりやすい。

魅せ方の工夫を、自分自身にして、オリジナル性を出す。オリジナル性が弱ければ、代替え可能な存在として見られ、価格競争に巻き込まれる。「この人の代わりはいない」という印象を与えなければならない。

・自分の個性や特徴は何か?
・他人に魅力的に見えるプロフィールとはどんなモノか?

自分の強みを見つけて、その原石を磨き上げて、魅力にしていく。

量稽古 〜 同じことを繰り返し、経験値を積み上げる 〜 によって、学びが複利的に積み上がっていく。量稽古の中で、自分の型を習得することも忘れてはならない。自分なりのパターンを確立することで、判断に正確性が生まれる。

起業のポイント

起業に必要なことは、何をやるか、誰とやるか、その時の条件や環境、ありとあらゆる縁や運にも影響されるし、キリがない。

起業のポイント
①起業は意志が10割
②顧客視点
③イシ・コト・ヒト・カネ
④コト=勝ち筋の確立
⑤ヒト=仲間と場所の力学
⑥カネ=最も大事
⑦一筆書きの高速回転
①起業は意志が10割

起点は「挑戦したい」という熱量である。起業で思った通りになることなんて、全くない。揺るぎない自らの意志なしには、乗り越えることはできない。

人は心が原動力であり「挑戦したい」という熱量がすべてを決める。

②顧客視点

顧客の立場になって、顧客の問題を見る。最初の動機は顧客視点だったのに、いつのまにか、自己都合にすり替わっていることがよくある。

起業に自己意志は必要だが、仕事に自己都合は不要である。
仕事に必要なのは、顧客都合でしかない。

プロダクトアウト → マーケットイン

マーケットアウト → プロダクトイン
商品・サービスをいかに売り込むか
( 生産者 → 消費者 )

社会は何を本当に求めているのか
( 消費者 → 生産者 )

顧客視点の欠落した事業に未来はない。
調査や統計といったデータからのイメージではリアリティがなく、十分な解像度になっていない。

③イシ・コト・ヒト・カネ

イシは、意志であり、熱量という原動力である。

起業では、ヒト・モノ・カネと言われるが、モノ余りの現代では、モノではなく、コト ( 事業の構想 ) を持っている方が重要である。

■ステップ1

イシ10
イシ ( 自らの意志 )
・何をなし得たいのか?
・どのような課題を解決したいのか?

根っこが弱い木は、すぐに倒れてしまう。

「コト・ヒト・カネ」があっても意志がなければ意味がない。
「コト・ヒト・カネ」がないからと言って起業を諦める必要はない。
「コト・ヒト・カネ」が得られてから起業するのも間違いだ。
「コト・ヒト・カネ」があれば、事業が成功するわけでもない。
「コト・ヒト・カネ」は、必要に応じて集めてくるモノである。

■ステップ2

イシ5・コト5
イシ ( 自らの意志 ) コト ( 事業の構想 )
意志さえあればそれでいい ( イシ10割 )
→その意志は何なのか? ( イシ5割 + コト5割 )

他人が「なるほど、そういうことをやりたいのね」くらいの形にまとめる。

■ステップ3

イシ4・コト3・ヒト3
イシ ( 自らの意志 ) コト ( 事業の構想 ) ヒト ( 共感した仲間 )

事業の構想をきちんと伝えると、必ず、共感する仲間が現れる。仲間が増えなければ、構想を伝えられていない。100人でも200人でも語り続ける。語ったら語った分だけ、ことが具体化され、仲間が現れる。1人でできることは限られている。仲間が現れることで、できることが何倍にも広がっていく。

■ステップ4

イシ3・コト3・ヒト3・カネ1
イシ ( 自らの意志 ) コト ( 事業の構想 ) ヒト ( 共感した仲間 ) カネ ( 経営のための資金 )

事業のための資金調達の必要性が出てくる。事業の確度が高まり、事業を加速させる仲間も集まってくる。成長期の入口が見え始める。だからこそ、スピードを減速させないための十分な資金が必要となる。

■ステップ5

イシ3・コト2・ヒト3・カネ2
イシ ( 自ら+組織 ) コト ( 構想+具体 ) ヒト ( 共感+生活 ) カネ ( 資金 )

・イシを自らと組織に分ける
自らの意志も「自らの意志」と「組織の意志」に大きく進化するタイミングである。
1人の意志を組織の意志にしていく。

・コトを構想と具体に分ける
事業の構想が現実化され、具体的な成果となって現れ始めている段階である。

・ヒトも共感と生活に分ける
共感は、事業に賛同し、自分事として捉える仲間
生活は、賃金を得るために働く、従業員

自分の事業の未来を見通して、予習としてイメージしてみることが、その先のうまくいかないことを最小限にし、成長の糧となる。そして、事業の道のりを振り返って、うまくいかなかった原因を分析し、復習することで、さらなる成長へとつながる。

④コト=勝ち筋の確立

事業開発のプロセスは勝ち筋 〜 事業が成長・成功するための戦略ストーリー 〜 を作り上げるプロセスである。

【勝ち筋の因数分解】
勝ち筋 = 勝利の物語 + 勝利の方程式
勝利の物語 = 事業の成長・成功の肝を表現した文章
勝利の方程式 = 事業の成長・成功の肝を表現した数式

試して試して試し切ることで、勝ち筋が見える。

⑤ヒト=仲間と場所の力学

優秀な人材の採用は、いつだって難しい。ヒトがいないから、最初の一歩を踏み出せない、なんてこともない。「生態系」を持つことで、人材の力を担保する。頼る存在がいる = 信頼のつながりである。

知識を1人でつけるのは不可能で非効率だ。どんな優秀な人でも、すべての知識やすべての能力を自分1人で担保できない。

つながり方は、ツテを辿るだけである。信義誠実の原則に則って行う。ヒトに関することは、手間暇かけて丁寧に行う。

求めるヒトがいる場所には、類は友を呼ぶので、ヒトが集まっている。そして、いい場所には、いい空気や関係がある。新しい場所で、自分の生態系が広がる。

⑥カネ=最も大事

マネタイズの仕組みを構築しなければ企業は存続できない。

顧客以外の誰かから収益を得る仕組みを考える。

・会社の中にあるすべてのモノは、カネである。
・日々流れている時間もカネである。
 今日1日は年の1/365の費用で、今の1時間は日の1/24時間分の費用である。
・利害関係者との信頼もカネである。
 契約に対する役割を果たせたか?
 期待以上の働きができたか?
 一つ一つの信頼が、会社の資産である。

一見カネっぽくないエトセトラに対する強い嗅覚を持つ。カネへの感覚値を持つ。

⑦一筆書きの高速回転
・思考の視点を顧客に持ってくる
・絞る「何かに絞る」ということは、「それ以外は捨てる」ということだ
・満たされずに放置されていた理由を考える
・「あったらいいな」はニーズではない
・「なぜ、これまで提供されて来なかったのか」を考える
・商品・サービスを顧客にとって便利な方法で届ける

起業は、アートであり、スポーツである。

新道徳・新国語・新算数

・新道徳 ( 心根 )
 人としてのそもそも論
・新国語 ( 意思疎通 )
 仲間としてのそもそも論
・新算数 ( 数字感覚 )
 思考と行動と数字の一気通貫

■新道徳

自分の意思や信念やミッション
「他人事ではなく、自分事として、自分自身が強く成し遂げたいのか」

自分が「何を主戦場として、コレを貫き通す」という経営者としての道徳が、起業での成功の秘訣である。

■新国語

自分の意思を伝えるコミュニケーション能力や、事業の詳細を説明する言語力である。

■新算数

起業家が、持っているべき数字感覚である。大事な数字は、カネと時間である。

成果も成長も儲けもなき非生産的な時間の過ごし方にストレスを感じることは、当たり前で健全な感覚なので、大切にする。

自分でするべきことか、任せることができることか、自分の時間価値を最大化する感覚が必要になる。

何を思って行動し ( 道徳 )
どう表明し ( 国語 )
それがどのような数字 ( 算数 ) になって現れてくるかという一連の流れ

思考と行動と数字を、一致させることが成功の秘訣である。

道徳は、会社と一心同体
国語は、会社を熱く大きく語るコミュニケーション
算数は、国語で語ったことを数字で表現

「動かないリスク」と「動くリスク」の逆転現象

これまでの時代は、

①「失敗を避ける」という生き方も十分に成立した。
②動かないことで成功できなくても、「失敗さえしなければ逃げ切れた」のである。
③動いて失敗するほうが傷が深いため、手堅く計算して、どうしても「動くことにブレーキをかけざるを得ない」という状況があった。
④「どちらのリスクを取るか」でいえば、「動かないリスク」を取るほうが合理的だった。

これからの時代は、

①先行きの不透明さが増したことで、動かないでいることこそがリスクとなってしまった。
②起業のコストが下がり、高速に物事を進める環境も整ったことで、「失敗のコストが下がった」という側面もある。
③依然として成功して得られるリターンは大きい。
④どちらのリスクを取るかでいえば、「動くリスクを取るほうが合理的だ」といえるようになった。

このリスク計算は、何度検算しても「 動かないリスク > 動くリスク 」という結論だ。
これからの時代は「新たな不等式の時代に突入した」ともいえるのである。

失敗し尽くした先に学びがある。

プロとは、専門とする範囲で、生じうる間違いの全てを経験した人である。

立場を変えて考える。極端にして考えてみる。

PMF ( プロダクトマーケットフィット )
①PMF以前の問題として、「自社は何の課題に挑むのか?」という初期設定の課題がある
②PMF以降の問題として、「いかにスケールしていくか?」という課題もある。
③最大の難所は、人や組織の問題である。

■起業版7つの大罪

事業を失敗へと導く可能性のある、7つの姿勢や行動

①意志なき起業

②経験なき理屈

起業は挑戦
学びは行いからしか生まれない
自分自身の実践による実学

③顧客なき事業

顧客の立場に立って、顧客の問題を見る
顧客に対する思い入れとマネタイズもセットにする

④熱狂なき業務

「部分よりも全体」「手段より目的」「現象より本質」を追い求める

⑤挑戦なき失敗

⑥利他なき利己

⑦自問なき他答

他人の答えに頼らずに、自ら問い、自ら答え、自ら行動する。

起業の現場は、全てがユニークだ。
自分の事業は、自分にしか判断できない。

失敗はドンドンした方がいい。しかし、ここまでなら大丈夫という失敗のラインを引いておくことが、生存戦略において、大切である。


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