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【本要約】幸せをお金で買う5つの授業


2022/6/4

お金の使い方

ある程度以上のお金を持っていても、幸福にならない。

お金の使い方を変えたら?

賢くなることよりも、幸せになることの方が大切だ。

お金の使い方を変えると、その日全体の幸福感まで変わってしまう。

日常のお金の使い方の選択が、生物学的・感情的影響を引き起こす。

モノを買うことから、経験を買うことへ、自分のために使うことから他人のために使うことへ移行すると、幸福度に劇的なインパクトを与えることができる。

お金を「 貯めることではなく、どうやって使うか 」を考えるようになると、幸福になるためには、「 無限に富を増やさなければならない 」という強拍観念から解放されていく。

  • 富は、他人を遠ざける。

  • 富は、私たちを「 他人と一緒に楽しく過ごす 」といった幸福を増す行動から、遠ざける。

素晴らしいモノがいつも身近にあると、人間は、それをあまり大切に思わなくなる。

大好きなモノに手が届かないように制限をかけると、新鮮な喜びを味わえるようになる。喜ぶ能力が再生される。

毎日眠気覚ましのためにコーヒーを飲むのではなく、午後のコーヒーを特別な楽しみにする。好きなモノをご褒美に変えることは、非常に価値がある。

トイレ掃除から、換気扇の掃除まで、イヤな仕事を外注すれば、私たちの時間の過ごし方は変わり、やりたいことをやる自由を得ることができる。

お金を使う前に「 これを買ったら、私の時間の使い方はどんなふうに変わるだろうか? 」という問いを自分自身にぶつけてから、お金を使う。お金より自分の時間に重点を置く。

  • 会社の場合、お金だけでなく、時間も報酬として与える。

  • 時間の余裕こそが、人々に仕事と私生活の満足を与える。

お金を先に払っておいて、消費を後に延ばすことで、期待に満ちたワクワクした気持ちを持ち続けることができる。休暇は、はじまるまでが1番楽しい。

前払いの痛みは、お金の使い過ぎも減る。

人間の思考と感情における活動の大部分は、無意識のレベルで起こっている。

経験を買う

参加者の間に連帯感を作り上げる。「 互いにつながっている 」という感覚が、体験の価値をも高める。体験を通して、人とのつながりを感じて、それがいい思い出となる。

経験を買うと品物を買った場合よりずっと楽しい話のネタができる。

体験

  • 時期が来てからにしようと、素晴らしい体験を先送りにすべきではない。

  • 今を逃したら、その体験をする機会は永遠に損われるかもしれない。

記憶

  • 記憶を失うことは、自分を失うことを意味する。

  • 私たちは、最も貴重な思い出を一生懸命に守る。

  • 記憶の銀行の中にある思い出は「 自分が価値のある人間だ 」という自信を与えてくれる。

しばらくの間、例え、快適さを犠牲にしても、忘れられない経験を積んでいくことに価値がある。かなり不快な体験でさえ、記憶の万華鏡の中では楽しく見える。

  • 経験的な買い物は、比較できない。

  • 物質的な買い物は、比較できるから、後悔が生まれる。

ライトの当て方次第で、買い物が経験的と感じられるかどうかも変化する。

食べることを、食べることに取って変わる経験にすることだ。
フェラン・アドリア ( 同じ料理は2度と味わえないレストランのシェフ )

お金を払う価値のある4つの経験

  • 他の人々と交わることによって、社会的なつながりが生まれるような経験。

  • この先何年にもわたって楽しい気持ちで繰り返し語ることができる思い出話につながる
    経験。

  • 私が感じている自分という人間、あるいは私がなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験。

  • 他の選択肢と簡単に比較することができないめったにないチャンスを与えてくれる経験。

経験の時間的な長さは関係ない。

経験のもたらす恩恵は、形のあるモノがもたらす恩恵よりも抽象的な場合が多い。時間が経って心の距離を置いてからの方が、経験的な買い物の価値を評価しやすくなる。

物質的な所有物は、だんだんと背景の一部と化していくが、経験的な買い物は、時間が経つにつれ、ますます、素晴らしく感じる。

形あるものは、時間と労力をかけて手に入れても、一旦、自分のものになってしまうと価値が一気に下がってしまう。

ご褒美にする

モノが豊富にありすぎると、感謝の気持ちは薄れてしまう。

私たちは、とても、幸運である。いつでも、好きな食べ物、例えば、チョコレートが買える社会に暮らしている。しかし、この豊かさが私たちの楽しみを削いでいる。

何かに繰り返し遭遇すればするほど、それが容易であればあるほど、そのインパクトは弱くなっていく。

  • 「 物事に慣れる 」というのは、不快なことに対しては便利である。

  • 物質的な買い物の喜びを持続させるのを阻む障害は、この慣れである。

今日、人生を変えるためにできるたった1つのことは、自分の持っているモノに感謝し始めることだ。感謝する姿勢は、最初は簡単でも、持続するのは困難だ。目新しさは、人の関心を捉えるので、私たちは、自分を驚かせてくれるモノには、ワクワクして感謝する。

裕福な人ほど、人生の小さな喜びを、味わえなくなる傾向がある。

お金はあらゆる種類の素晴らしいものを与えてくれ、私たちの幸福感を高めてくれる。しかし、それと同時に「 素晴らしいものをお金で手に入れられる 」と知ってしまうことが、人生のささやかな喜びに感謝する気持ちを薄れさせ、私たちの幸福自体を減らしてしまう。

  • 喜びには賞味期限があるのだ。

  • 人がそれに気付けないだけだ。

豊富さが感謝の敵であるなら、不足は最良の友なのかもしれない。

我慢することで、慣れから脱出でき、大好物が、再びご馳走に戻る。

外見や金銭的成功よりも「 自己の成長と充足を優先する 」という価値観を身に付けることで、幸福が近付く。

私たちは、何かが永久に続かないことを知ると、私たちは、それを一層大切に思う。

時間が限られると、人は、それを貴重な機会と捉える。限られた時間内でしか手に入らない場合は、私たちの幸福は、最大化する。

やっていないことに焦点を合わせるよりも、やっていることの価値を認める
ダライ・ラマ

私たちは主観的なので、ひとつの経験に対する感じ方は、自分をどう見るかによっても左右される。自分に対する意識を変えることで、喜びの価値をもっと容易に認識できるようになる。

私たちは過去や未来に敏感なので、食事の断食のように、何かを断つことで、その感覚をリセットできる。何かを無制限に手に入れられるわけではなく、自分と一緒にあるものではないことに気付くだけで、私たちは、そのものの価値をもっと強く認識できるようになる。

時間

時間とお金は交換可能である。

私たちは、ほんの少しのお金を節約するために、あまりにも頻繁に自由な時間を犠牲にする。

多くの人が自分のやりたいことを、もっとするために「 自由な時間がもっと欲しい 」と願っている。

  • 「 時間を買う 」という思考を身に付ける。

  • お金に関する決定を、時間に対する決定に変える。

「 時間に追われている 」と感じる人々は、その瞬間を生きるのが難しくなる。今の瞬間に集中することが幸福にとっては大事だ。実際、今、取り組んでいることが、快適であろうと、不快であろうと、それに集中しているときが、1番幸せである。

ダイヤモンド・ゴールド・美女・希少なものは価値が高い。逆に、何か貴重なものは、通常不足しているように感じる。時間に高額の価値があると感じると、人々は、ますます時間の不足に悩む。

時間の価値が高まると時間の希少性も高まるので、逆に、時間という貴重なリソースを手放すことで、時間が豊かにあるという感覚を高めることにつながる。

同じ時間でも、その使い方次第で、時間が豊富にあると感じたり、時間が足りないと感じたりする。

人は、自分の自由時間を諦めて、他人のために時間を使うことで、時間の豊かさを感じることができる。

時間もお金がかかる犬のようなペットか、金魚のようなペットかを考えると、手間がかかる方に、時間の豊かさがあるように感じる。犬の散歩という義務を負うことは、有意義な時間の使い方だと感じる。

時間とお金は異なった思考を促す。時間をどう過ごすかに対する選択は、自己意識に関連付けられ、お金をどう使うかに対する選択は、合理的に考える。時間に対しては、幸福や人間関係を優先させる。お金に対しては、仕事を優先させる。

自分が買おうとしている商品が、他人からどう思われるかではなく、どのように自分の時間に影響するかを考える。

時間が経済的に貴重になり、毎日がより多くのお金に変えられるようになると、今までよりも「 時間はお金だ 」と考えるようになる。

「 時は金なり 」である。「 時間をお金 」と見なすようになると、日常生活のお金にはならない楽しみから、喜びを見出すのが難しくなる。

月給をもらっている人が、時間給を計算することで、自分の1時間の価値を意識することになる。物事の判断基準が、自分の時給が前提となり、音楽を聞くという楽しい活動を、時間の浪費に感じる。

予定

将来手に入る予定の物の方が、既に手に入れてしまっている物よりも、私たちに多くの喜びをもたらす。

旅行は出発前が楽しい。

人々は、11月にクリスマスと新年を想像するときのほうが、実際に起こったクリスマスと新年の出来事を1月に振り返るときに比べて、たくさんの感情的なイメージをふくらませる。

将来、起こりうる出来事が、過去にすでに起こった同じ出来事よりも多くの感情を引き起こす。

休日の日曜日よりも、仕事のある金曜日の方を好む。日曜日は月曜のことを考えてしまう。私たちの心は、日常生活の不快なことより、楽しいことへ向けられる。金曜は仕事が終わった後や、土曜の休みを想像して楽しくなる。

未来について、楽しい考えを持つことができる能力は、心が健康であることの証明だ。自殺願望のある人は未来に対して否定的である。

まだ、味わっていない料理は、美味しそうに見える。それは、未来がまだ起こっていないからだ。

未来は、元々、曖昧で、私たちの心の中で、その詳細を好きなように埋めることができる。

人は、ゲームの宝箱やガチャのような、不確実性に惹かれる。不確実性は、ポジティブな感情も、ネガティブな感情も生み出す。

未来は過去よりも魅力的で、思い出の日々よりも、期待を抱く日々の方が貴重に感じられるが、現在ほど、心を浮き立てるものはない。現在を過大評価してしまい、未来を過小評価してしまう。現在の自分を気にかけるほど、将来の自分を気にかけていない。

先送りによる恩恵の価値を正しく認識できない。先送りによって「 先送りにした期間を楽しめる 」という付加価値が付く。消費を先送りにすることで喜びは大きくなるが、人々は、いつも先送りすることの恩恵に気付くわけではない。

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