法律とは?道徳とは?空気とは?常識とは?
「宗教原論」と「空気の研究」からの思考
2021/12/19
需要と供給
商品は、需要と供給のバランスで価格が決定する。
需要 = 供給 → 商品の適正価格
需要 > 供給 → 価格は上昇
需要 < 供給 → 価格は下落
商品は、人の労働 ( 時間 ) を内包していて、他人に役立つから、価値がある。
例えば、「サービスも商品だ」と捉えた場合は、どうだろうか?
人類最古の職業である売春というサービスを思考する。
売買春は、売りたい女がいて、買いたい男がいる。両者の価格がマッチすれば、自分の意思で行う限り、売買春は、両者にとって利益となる。誰も損していないサービスである。人の労働があって、他人に役に立つ。
しかし、現代では、売買春は、法律で禁止されている国がほとんどだ。
売買春が法律で禁止されいるのは、なぜか?
誰かに強制されているわけでもない。
誰かが傷ついているわけでもない。
自分の意思に基づいた、両者の利益になる商取引を、国が禁じている。
国は、法律によって禁じている。
法律とは何か?
例えば、
人を殺してはいけない。
→他人を殺してよければ社会が成り立たない。暴力も同様だ。
人の物を盗んではいけない。
→他人の物を盗んでよければ社会が成り立たない。
「他人の迷惑や不利益を取り締まるのが法律だ」とするならば、売買春は法律の枠外である。
売買春が取り締まられるのは、なぜか?
『道徳』である。
性行為は、子どもを作るための神聖な儀式なので、そこに、価格を付けて売買するのは、道徳の観点から、望ましくないので、違法とする。
道徳と法律
道徳ってなんだ?
資本主義の中で、価格は付けられるけど、付けちゃいけないモノを、道徳という。
自分の臓器、腎臓は2つあるので、1つ取っても死なないから、貧困層の人が「売ろう」としたとして、臓器移植で助かりたい人が「買おう」としたとして、これも売買春のように、両者にとって利益でしかないが、法律で禁止されている。
サービス・商品は、価値があり、需要と供給によって、価格がつけられるものすべてではない。サービス・商品から、道徳といった概念を外す。そして、人を殺したり、人の物を盗んだりする行為も、道徳の範疇に含めることができる。
道徳を定めたモノが法律である。
・日本では、性行為そのものじゃなくて、「たまたま、出会った男女が恋愛に発展した結果、性行為に及んだ」と法を解釈して、ソープがある。
・「性行為はいけないけど、性行為じゃなきゃいいでしょ」という法の網を抜けて、性行為以外の疑似性行為 = 射精産業 ( デリヘル・ヘルス・ピンサロ ) が発達した。
法律は、所詮、人が作ったモノだから、その解釈と、ギリギリを攻めれば、いかようにでも、サービスを設計できる。
そもそも、性風俗のない社会の方が「男性の欲望を発散させる」ところがなく危険だ。性欲を発散できない人たちが、強姦をして、社会が乱れていくかもしれない。
私たちは、道徳を定めた法律に従って生活している。しかし、法律だけでは、すべてを保護できない。人間生活の規範のすべてを盛り込むことができない。
法律以外には、何があるのか?
日本は例外である、世界には、宗教がある。宗教によって、法律で補えない部分の生活に、規範を与えている。もしくは、宗教は、法律以上に、生活の規範を与える。世界は、法律以前に、宗教がある。世界は、宗教で彩られている。世界史は、宗教の歴史である。宗教なしには、世界の一部も理解できない。宗教に無知なのは、世界で日本人だけである。
日本では、法律で補えない部分の生活には、何が規範を与えているのか?
『空気』である。
日本では、宗教とした確したものではなく、目に見えない空気といったものによって、規範を与えている。
そして、空気に従っている。例えば、戦時中は「天皇万歳」戦争反対は「非国民」神風特攻隊は「名誉」である。それらは、空気と呼ぶ以外にない。日本人は、空気によって、コントロールされているのだ。
空気
空気ってなんだ?
日本人独特の明文化されていないモノで、社会通念として普及しているモノを空気という。
例えば、マスクをしなければならない空気である。ウィルス戦争は終わりを告げたにも関わらず、マスクをしなければならないのは、空気に他ならない。
・いつでもどこでも、列に並ばなければならない。
・図書館では静かにしなければならない。
・エスカレーターは、左を空けなければならない。
・ラーメン次郎では話してはいけない。
・自家用車はシートベルトしても、公共機関のバスやタクシーのシートベルトはしない。
その他にも、その場、その場に応じた空気があって、空気によって支配されている。法律以外の規範は、空気が包括している。
空気を定めたモノが常識である。
日本人は、常識に従って行動している。
世界の宗教は、日本で言うところの常識である。
日本の行く先
道徳を定めたモノが法律である。
空気を定めたモノが常識である。
日本人は、法律と常識で規範された権威を信仰する。
日本人は、不変を信条とする権威が支配する社会に従属している。
常識から、イノベーションは生まれない。
不変から、イノベーションは生まれない。
非常識から、イノベーションが生まれる。
権威の枠外から変化をさせて、イノベーションが生まれる。
モノゴトは2つの視点を持つ。
繁栄があれば、衰退がある。
日本は、どこへ向かう?
既存を積み重ねた未来に、輝きはあるのか?
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