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快楽

「僕らはそれに抵抗できない」×「クオリアと人工意識」からの思考

2021/10/14


動物は、快楽の欲求に従って、行動している。

①本能に埋め込まれた繁殖
②身体の栄養補給のための食事
③身体の機能保全のための睡眠

「寝食を忘れる」という言葉がある。

マウスの実験でも、脳内の快楽中枢に電極を埋め込まれて、ボタンを押すと電流が流れて快楽が走ると、死ぬまで、それこそ、寝食を忘れてボタンを押し続ける。
人間も、ゲームに熱中し過ぎて、何人も死んでいる。

ある種の快の欲求は、生存の本能すら、無視することもある。

・そもそも、繁殖という本能も、性行為による肉体的快楽を伴う。
・身体の栄養補給である食事も、「美味しい」という快楽を伴う。
・身体の機能保全である、睡眠も、「疲れがとれリラックスする」という快楽を伴う。

本能でありながらも、そこには、キチンと快楽が設計されている。そして、私たちは、快楽に従うようにプログラムされている。

だから、ゲームの快楽が、本能の快楽を超えてしまえば、死ぬまで、ゲームの快楽を求め続けてしまうのだ。

私たちは、人それぞれで、いろんな快楽を求める。

性欲・食欲・睡眠欲を基本として、物欲・金銭欲・知識欲、そして、性欲が転化した現代版の承認欲求がある。

すべての欲求は満たすことで快楽を得られるシステムだ。どの快楽を重視するかの違いが、個性である。どの快楽を、どのくらいの割合で、どのように重視して、行動するかは、自分の意識で決めているように、私たちは思っている。私たちは「自分の自由意志で行動している」と信じている。

しかし、実際には、脳内の無意識下で選択肢が挙げられて、意識下では、その中からひとつ選んで行動しているに過ぎない。科学では解明されていない、無意識の脳によって、コントロールされているのが人間である。

人間とは、快楽システムによって駆動し、科学的不明瞭な無意識によって制御されるように設計された動物である。

人間に自由意志はない。
自由意志は幻想だ。



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湯浅淳一
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