社会人ドクター生活〜モチベーション維持
記憶が風化せぬよう、過去の日記なりメモを読み返しつつ、社会人ドクターの経験を整理しているところです。
社会人ドクターとして普通の会社員生活と並行して研究をするにあたり、モチベーション管理は一つ重要な課題だったと思っています。
「え?やりたいことなり課題があって編入学したんなら、やる気・使命感に満ち溢れててモチベーションの管理もクソもないのでは?」という意見もあるかと思います。
確かに、親のお金で学生生活(モラトリアム)を満喫していた時に比べ、学費も自腹、時間もない中わざわざ研究するという2点からして、なんとなく進学している学生さんと比較し、自分の周りだけかもしれませんが、やる気のある人が多かったように思います。
一方で、学生生活は3年という長丁場。初心を忘れず、なんて言葉もあるとおり、なかなか入学時の熱い思いを維持し続けるのは難しいのが実際かと思います。
業務が忙しくなれば、そちらに専従せねばになりますし、隙間時間があれば自分の趣味なりに投じたくなる気持ちは何度も湧きました。人間(自分?)の弱いところ、と言いますか・・。
で、自分はモチベーションが低下した時に復活させる方法として、「一回立ち止まって、広い視野で自分のやっていることを捉え直す」ということをすることが多いです。
この手の話になるとよく引き合いに出されるのが、イソップ童話のレンガ積みの話。
というもの。耳にしたことがある人も多いかもしれません。
シンプルなストーリーですが、「動機」を考える上で非常に示唆に富んだ話だと思います。
・1人目は目的が分からず、作業を嫌々やらされている段階
・2人目は小さいながら目的は理解しており、金銭を目的に作業している段階
・3人目は大目的が明確で、もはや金銭を気にしない段階
ちょっとしんどいな、やる気が出ないなと思った時に1〜3人目それぞれの立場と自分とを対してみます。
例えばですが、
・目の前のエクセルとかワードの文書作成作業に囚われてる状況
・この論文を投稿すれば、卒業に近づけるな〜という段階
・目の前の論文が自分の大目的のどこに位置しているかを理解して、世のため・人のために自分が研究(仕事)をしているのだという実感を持てている段階
といった感じでしょうか。
人間(自分?)は本当忘れやすい生き物で、大志を抱いたとしても、簡単に目の前の誘惑に負けてしまいます。ダイエットしてても目の前のケーキを食べてしまうし、勉強をしてても机の片付けをしたくなってしまう。
モチベーションに限定して話をしてきましたが、実は、仕事にやる気が出なかったり、メンタル不調になってしまうのも大きな枠で見ると、同じ構造な気がしています。
多分、自分の仕事が誰か人のためになっている、役立っているという実感を持って働いている人は、面倒な書類作成作業も「大きなゴールに辿り着く途中の一つの階段」と捉えることができるので、多少の批判や苦労があっても、動き続けられる。
でも、書類を作成することだけに囚われてしまっている人は、例えばフィードバックなりコメントを受けたとして「面倒だ」とか「なんでそんなうるさいこと言うんだ」といったふうに、自分に余計な作業をさせないでくれという頭しか働かなくなりそうなのは、なんとなく想像できるところです。
短期間であれば、乗り越えたら自分の好きなスイーツを食べるとか、動画を一本見るとか、場当たり的なご褒美でやる気を出すのも一つの手段かと思います。
でも、仕事なり研究といったある程度長い期間携わるものについては、メタ的に見るというか、広い視野を持って、自分の立ち位置を確認するという作業が重要な気がしてます。
なんか、社会人ドクター生活からだいぶ話が飛躍しましたが・・・
参考になれば幸いです。