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スラムダンクに背中を押され

映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観た。
俺たちのスラムダンク。多くの人がそう感じている王道少年マンガ。
長年の時を経て、新しく公開された映画は、以前と違う声優やテーマ曲にネットは大荒れだった。それだけ過去に放送されたテレビアニメが愛されていたという証なのだろう。
僕の目に入った中で一番強烈だったのは「何もしなくていい」とだけ書かれたTwitter。どこの誰の呟きかも分からないけれど、アニメ版との違いを嘆いていた。
「何もしなくていい」ならアマプラでも観てればいいのに、と思った。


新しいことをすると必ず反対意見があがる。良い悪いに関わらず、ある一定数、必ず存在する。それが多くの人に愛されたものだったのならなおさらだろう。

僕も新店舗移転するときに少なからず感じた。
スラムダンクと比べたらそれこそ苦情が寄せられそうだが「前のままでいいのに」という低気圧みたいな圧を感じた。頭がズキズキするやつ。

映画の評価や考察は、専門家やマニア、ライターさんにお任せしよう。
これは僕個人の勝手な想像。もはや妄想。
原作者の井上雄彦氏は、スラムダンクの過去に放送されていたアニメに対し敬意や感謝はありつつも、何か納得できない点やモヤモヤを抱えていたのではないか。「自分ならこうするのに」という、自分の守りたい世界観があったとしたら。

映画化の話は何度も企画にあがったが、井上氏自身が断っていたそうだ。しかし何度目かの提案を受け、心が動かされた彼は遂にその話を受ける。最初はまさか監督まですることになるとは思っていなかったが、結局のところ、監督・脚本まで務める。
映像の中の世界観を作り上げたのだ。

根本的にアニメ技術の向上や、予算、製作時間のかけ方も違うだろうし、また当時のカッコいいものと、今のカッコいいものも変わっていて当然である。
10FEETなんてアニメ放送時には存在しなかったのだから、それを当時と揃える必要なんて無いのだ。今の時代のスラムダンク。
それを「公式だ」と示すのに彼が監督する以外の適任者がいるだろうか。
覚悟、を感じた。
多分その覚悟は多くの人に伝わったし、胸を打った。


ファンチャーナに置き換えると、井上氏は僕という事になる。(誰が誰に例えとんねんというツッコミは承知しております。)
僕が立てた道筋が、そのまま柱となるのだ。
人気だった旧店舗を閉めて、新しい挑戦である新店舗JAMビルを創る。

残すものと、そうでないものをシビアに検討した。特にモーニングメニューに関しては、人気が高かっただけに「残さない決断」をするのに経営面からみてかなりの精査を必要とした。
「残すもの」これは、僕たち夫婦が必ずお客様の目の前に立つこと。
お店が大きくなると、社長は経営に専念して現場は信頼できるスタッフに任せるという方法もありますが、スタッフは増えてもお客様との距離感は常に意識するのが僕らのやり方。
1杯ずつサイフォンコーヒーを淹れ、「ありがとうございます」と笑顔でお釣りを渡す。


映画「THE FIRST SLAM DUNK」は今も大ヒット中で興行収入を伸ばしている。
結果が出ている。
すげーなと、羨望の目で見ている場合ではない。
僕とJAMビルもそうあらねばならないのだ。理想ばかり語っても仕方がない。
今日もまた1杯のコーヒーに魂を込めるのみ。

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