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ビル・キャンベルという男。〜一流と凡人を見分けるには?〜

こんばんは!

本日紹介したいのは、ビル・キャンベルという人物、そしてこのビル・キャンベルの一兆ドルコーチという本について書いていきます。

そもそも、ビル・キャンベルという人物をご存知でしょうか。

1.ビル・キャンベルという男

ビジネスに興味がある人などは一回は聞いた事があると思うのですが、このビル・キャンベルという方は、

スティーブ・ジョブズやGoogle元会長兼CEOのエリック・シュミットの偉大な「共通の師」なのです。

ビル・キャンベルはアメフトのコーチ出身でありながら、有能なプロ経営者であり、シリコンバレーの数多くのリーダー達にとってのコーチであり、メンター的存在でした。

ビルが亡くなったことをきっかけに、このままではその教えが永久に失われてしまうと危機意識を抱いたのが、15年以上にわたってビルに教えを受けてきたシュミットら、世界的ベストセラー『How Google Works』の著者トリオです。

シュミットらは、自分たちの体験に加え、ビルの薫陶を受けた100人近くもの人物に、ビルの「成功の教え」について取材を敢行、ついに完成したのが『 1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』(ダイヤモンド社刊)という本です。

2.1兆ドルコーチ

(以下=1兆ドルコーチから一部抜粋)

この本ではビル自身が有能な人材を確保をする為の鉄則というのが、記されています。

「会社を運営するなら、本当にずば抜けた人材で周りを固めろ」

とビルは発現しています。

もちろん、これは驚くべき名言でも何でもないです。

自分よりも優秀な人材を採用せよ、というのは言い古されたビジネスの鉄則ですね。

そして、ビルは4つの資質を人に求めたのです。

(1)知性
これは勉強ができると言うことではなく、
様々な分野の話を素早く取り入れ
それらをつなげる能力を持っていることです。
ビルはこれを「遠い類推」(かけ離れた物事を繋がる発想)
と呼びました。
(2)難勉 (3)誠実
(4)グリット(やり抜く力)
このグリットというのは、打ちのめされても立ち上がり
再びトライする情熱と根気強さのことを意味しています。

また、この他にもビルは代名詞にも注目したそうです。

「私」と「私たち」どちらを多く使うのか

という点も見ていたといいます。

3.一流の特徴は「チーム・ファースト」

要するにビルはチームファーストという事を大事にしていたのです。

ビルが最も嫌ったのは、学ぶ事をやめた人たちです。

「質問するより答える方が多い?そいつは赤信号だ!」

というように、学ぶ事をやめた人たちは成長がない事を示唆しています。

ビルは貢献意欲、それも個人的な成功だけでなく組織の大儀に貢献する意欲を持っている人を求めたのです。(まさにチームファーストですね)

Google CEOのスンダー・ピチャイも

「自分の成功が他人との協力関係にかかっていることを理解している人、ギブアンドテイクを理解している人、つまり会社を第一に考える人」

を探す必要があると言っています。

4.実際どのように判断するのか?

これは簡単です。

彼らが何かを犠牲にしたり、他人の成功を喜ぶ事があるかどうかに注目すればいいのです。

また、スンダーはこう指摘しています。

「ときとして、より大きな成果を得るために、誰かが何かを犠牲にしなくてはならないことがある。僕はそういうときの行動に強く注目している。自分とは直接関係のない、ほかの部署の成功を喜んでいるときもだ。そういうことに目を光らせるんだ」

5.まとめ(ビルとこの本について)

ビル・キャンベルの姿を初めて見たのが2011年のスティーブ・ジョブズの追悼式だったという人も多いのではないでしょうか。

アップルCEOのティム・クックに「ザ・コーチ」としてうやうやしく紹介され、誰よりも先に登壇した初老の男性、あの規格外の天才として知られるジョブズが無二の親友、メンター、コーチとして慕い、アドバイスを求めて毎週会っていたという人物なのです。

涙ながらに、彼の遺志を継ぐ人たちを鼓舞する熱いメッセージを語るその姿は、世界に強い印象を残しました。

実際、ビル・キャンベルの名前は、ビジネス書をよく読まれる方にはもうおなじみでしょう。決定的に重要な場面で助言をしてくれた、精神的支えになってくれたという最大級の賛辞とともにたびたび登場する、謎の存在です。

彼はシリコンバレーの長老のような権力者なのだろうか? ありがたいご託宣を授ける禅の導師? それとも人柄のよい好好爺?

結局、彼は最後まで表舞台に立つことなく、2016年に亡くなってしまいました。

ビル・キャンベル自身の追悼式は、テック業界中の著名人をはじめ、彼を慕う老若男女が1000人以上集結するという、まさに歴史に残るものでした。

グーグル創業者ラリー・ペイジも追悼式に駆けつけていました。

これらの人々を育て、そして何より彼らに愛された人物がビル・キャンベルなのです。

本書はその追悼式の席で、「コーチの教えをシェアしなければすべてが失われてしまう」という危機感を持った人々によって執筆されましま。スティーブ・ジョブズと並び、コーチと最も親しく仕事をしてきたエリック・シュミットらグーグルの三人であります。

彼らは『How Google Works 私たちの働き方とマネジメント』を書いたチームでもあり、その意味で本書はその続編として読むこともできます。実際、三人は本書を執筆するうちに、前作からはビジネス上の成功に欠かせない、ある重要な要素が抜け落ちていることに気づいたといいます。その要素こそ、ビル・キャンベルのコーチングのエッセンスなのです。

歴史上、空前のスケールの偉業を成した
『1兆ドルコーチ』というタイトルは、ビル・キャンベルがシリコンバレーで生み出した価値に敬意を表してつけられました。

業界の多くのリーダーがどれだけコーチを頼りにしていたかを考えれば、このタイトルは誇張ではないでしょう。

彼がコーチングを始めた当時つぶれかかっていたアップルと、まだ小規模なスタートアップでしかなかったグーグルの時価総額の合計だけでも、いまでは1兆ドルを優に超えます。

シュミットは

「ビルの貢献をすべて合わせると、コーチした企業の株主価値は2兆ドルにもなる。こんなことは歴史上、誰もしたことがない」

と語りましま。(「シリコンバレー・ビジネス・ジャーナル」2019年4月16日付)。

コーチがとくにグーグルとアップルに力を入れていた理由について、シュミットは、シリコンバレー全体への波及効果を考えてのことだったと語っています。

また彼がこうしたコーチングを完全に無報酬で行っていたのは、報酬によって目が曇るのを避けたかったからだともいうのです。

シリコンバレーがこれだけ成長し、しかも政治とは無縁の健全な組織運営がおおむねできているのは、ビル・キャンベルの功績によるところが大きいのは言うまでもありません。

彼の死は、シリコンバレーの一時代に幕を下ろす意味を持っていたように思えてなりません。

故人の教えを体系立ったビジネス理論のかたちにまとめるのは難しいです。

何より本人からのインプットはもう得られませんし、教えが美化されることもありますし、遺族への配慮もあるのでしょう。

だがコーチを受けた側の視点から学べることも多くあります。

本書では、彼のコーチングのエッセンスをシャワーのように浴びることで、誰もがビル・キャンベル的視点を身につけることができます。

シリコンバレーのリーダーたちは口をそろえて言っています。

困難なとき、

「ビルならどうするだろう?」

と一歩下がって考えることにより、チーム全体の利益になる決断を下せるのだと。

この本はシリコンバレーからビル・キャンベルへのラブレターでもあるのです。

特に3章からの数々の胸打たれるエピソードを読むと、彼にコーチを受けた人々の豊かな感受性に驚かされ、彼が大切にした「コーチャブルな資質」とは何だろうと考えさせられます。

一人ひとりが悩みながら成長し、そこには必ずビル・キャンベルがいたのです。

(参考文献=Forbes JAPAN)

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Jun Ioroi

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