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イヤシノウタ

先日、はじめて吉本ばななを読んで、正直なところ先入観が崩れた。
若者に人気があるということで、今までどこか距離を置いていた感じであった。

田舎の実家に戻る際に、彼女の文庫本を3冊、リュックに忍ばせた。

「哀しい予感」、「イヤシノウタ」、「忘れたふり」いずれも軽いタッチで読みやすく小説とエッセイ。
小説は、吉本ばななの私小説ではないと思うが、とても感覚的な描写が多く、彼女の日常での発見、感覚というものをビーズのように取り込んで書きあげられたような感じがした。

「イヤシノウタ」は忌野清志郎の曲名からつけられたタイトルのようで彼の詩が目次の後に横文字で記載されている。
縦文字から横文字に視覚的に転換する変化が心地よい。

「癒してあげたいな 君の体と心だけど そいつはないぜ 海が笑ってら」
というフレーズが頭と最後に繰り返される。

自分の体と心を癒せるのは自分しかいないんだぜ、そのくらいわかってくれやと いうメッセージと受け止めた。

彼女のエッセイを読み私の好みや試みていることといくつか重なるものがあった。

①「タロットの宇宙」の著者であるアレハンドロ・ホドロフスキー氏を深く尊敬し、実際に会い。彼の提唱する内容を日常の中で実践しようと意識していること
私はホドロフスキー氏の本は、松村潔先生のタロットの本を通して間接的に
知り、ホドロフスキー氏がつくられたマルセイユタロットカードを愛用している。

②15時間断食(朝食を抜く)を実践していること
私も先月ぐらいから実践しているが、無理がなく続けていけそうだ。
ばななさんも語られていたが、自分の日常でない人と一緒に行動したり旅行したりすると難しくなるので、そこはある意味、あまり厳格にせず、いい加減な感じで続けていくのが良いのではと受け止めている。

③夢の分析
彼女もご自分の夢の内容をエッセイにされている。そしてそこで象徴されていることを彼女の中で日常で意識されている。
私も夢日記は続けているが、以前のように長々と書かなくなった。
自分で何か象徴されるキーワード、出来事だけを3年日記の欄に走り書きする程度であるが、無意識の扉と言われる夢の内容を言葉として意識させるプロセスを大切にしたいと思う。

④日常での発見
彼女のエッセイは、彼女の日常の中で出会ったもの、出会った人を通して感じたことを素直に綴られている感じで、等身大の存在を感じた。
私もnoteでやっていることは、まさに同じような私の日常の出来事を通して感じたことを言葉にしている。

⑤旅好き
 海外でのイベントにも招かれたりして国内外を旅をされ、その街角で出会った人、カフェでの出来事等がそのままエッセイとなっている。
私は、辻仁成氏、池澤夏樹氏、沢木耕太郎氏、藤原新也氏のように海外を旅を通して書かれる小説やエッセイが大好きだ。(ホロスコープ的にも海外の旅に関する9室と書物に関係する3室に惑星が賑やかに存在)

吉本ばなな氏には、随分と遅くしての出会いになってしまった。
とても現代的で軽い感覚で読め、感覚的には共通するものがあるので、また時々、読んでみたいと思う。




リュックには吉本ばなな冬の旅

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